第556話 天界のおばあちゃんからの

遅くなってすみません。

☆。.:*・゜☆。.:*・゜


『皆さん、おかえりなさい』

『サーヤ、お風呂気持ちよかった?』

山桜桃ちゃんとフゥがお迎えしてくれました。


「あい!ちょっちょ、いやち、たりなかっちゃけろ」

『『癒し?』』

「あい。かたかっちゃ。あちょ、あっぷあっぷなっちゃ」

『『んん?』』

どういうこと?と、フゥたちが、クゥと春陽君を見ると


『今日はヴァル様がサーヤちゃんを抱っこして温泉入ったんですけど』

『ヴァル様か笑うと波が立つもんだから、度々溺れかけたんだよ』

『あ~抱っこはいつも結葉様とか、ジーニ様だものね』

『ヴァル様は確かに硬そうですね』

「あい」

かちかちでした。


〖ワハハ!カチカチで悪かったな〗ひょいっ

「ふおお」

サーヤ背が伸びた!

『いや、サーヤは伸びてないだろ』

なんですか?牙王様。ちょっと伸びたかもしれないでしょ?

『⋯そうだな』

〖ワハハ〗

おおう。また揺れてます!

そういえば、お説教は終わったんだね

〖うぐっまあな⋯〗がくっ

「よちよち」なでなで

これに懲りたら程々にね

〖そうするよ〗

そうしてください。


『なんか色々あったみたいね』

『そうですね』

そうなんだよ。あとで温泉でびっくりしてね。


『うふふ。いつまでもそんなところで立ち話してないで座ったらぁ?』

『ん~ん~』

結葉様は何に座ってるの?

『お姉様、いい加減にその変態を治さないと、ずっとそのままですわよ?』

『サーヤちゃんたちに嫌われちゃうにゃね』つんつん

『ん~ん~(解いてくださいませ~)』

わあ、リノ様まだぐるぐる巻きだったんだね。ニャーニャにゃんに木の枝でつんつんされてるよ


『さて、飯の支度するかな。春陽、山桜桃、すまないが手伝ってくれ』

『『はい!』』

おいちゃんも帰って来ました。それでもって直ぐにお夕飯の用意に入るみたいです。


『あっ、少々お待ちください』


「う?」

バートさん?どうしたの?


『なんだ?どうしたんだ?』

おいちゃんも、ぴたっと止まってから引き返してきました。


『実はですね、天界の凛さんから色々預かってきたのです』

「う?」

『あっちの凛さんから?』

なんだろね?


『ええ、かなりの量があるので、広い場所に出したいのですが』

『厨房の作業台には』

『乗らないですね』

『マジか⋯』

『ええ。凛さんがですね、あなた方が一生懸命サーヤ達のことを思って食事などを作ってくれているのは分かっているが、サーヤの健康を願って日々、料理を研究し、作ってきた私としては、お供えしてもらうばかりでなく、一から作った私の手料理を食べてもらいたい!喜んでもらいたい!と、それはもう、あれもこれもと大変張り切って作られまして⋯』


『あ~凛さんらしいな』

「おばあちゃんにょ、ごはん」じゅるり

『あらあらまあまあ、気が利くじゃない天界の私』


『ええ、神棚から逆転送するには多すぎまして、私が預かって参りました』


そうだったんだ~

「あいがちょ」にぱ


『ふふ、いいえ。お礼なら天界の凛さんにお伝え下さい』


「あい!あいがちょ!」

あとでお手紙送ろう!


『あらあらまあまあ、それで?何があるのかしら?』


『じゃあ、食堂のテーブルにひとまず出してもらおうか』

『はい。まあ、まずは⋯』どん


「ふあああっ」きらきら

この、ふっくらツヤツヤ、キラキラな真っ黒なものはっ!

『おお!これぞ凛さんの黒豆だな』

「あい!くりょまみぇ!」じゅるり

『やっぱり真似出来ねぇんだよなぁ、このツヤ、この色、豆のふっくら加減、汁のこく』

「あい!おいちいの!」

おばあちゃんの黒豆は、汁までしっかりおいしい!

『あらあらまあまあ、そんなに褒められると嬉しいわねぇ』

サーヤとおいちゃんはおめ目もお顔もお口もきらきら!

下でおすわりしてるハクも、ハクのお背中から見てるちびっ子たちのお顔もきらきら!



コソコソ

『医神様』

〖なんですか?バート〗

『あの黒い汁の鑑定をお願いします』

〖え?〗

『凛さんが仰っていたのです。サーヤが喉が痛いと言ったら、まず飲ませていたのがあの汁だと』

〖え?⋯なっ!〗絶句

『やはりですか⋯』はぁ

〖何だ?医神がこんなになるなんて〗

『どうした?』

〖⋯喉の痛みを抑え、軽い風邪なら速攻効く。薬を飲めない赤ん坊や妊婦にもOK。豆も栄養たっぷり風邪に効く〗呆然

〖『は?』〗

またか⋯っ!と、呆然としたまま口が動くエル様

ぼそ

『まだですよ』

〖〖『え?』〗〗



『続いてはこちらです』こと⋯


「こ、こりぇは⋯」うるうる

『これは、サーヤ待望のっ』

「みじゅまんじゅう~ぅぅぅぅ」だばーっ

『あ、あらあらまあまあ?そんな泣くほど?』ヒク

サーヤ号泣⋯さすがにおばあちゃんが引いてます

「だっちぇ、おばあちゃんにょ、みじゅまんじゅう~」だっばー

『うんうん。良かったな。念願の水まんじゅうだな』うるうる

「あい~ぷにぷにちゅるん、おいちい~ぃ」だっばー

『あらあらまあまあ、まだ食べてないでしょうに』はぁ⋯



コソコソ

『さあ、医神様』

〖嫌です。見たくありません⋯〗

〖『おいおい⋯』〗

『医、医神?』

『なんとっ』

ただならぬ雰囲気に天ちゃんと白夜さんまでやってきた


『では、材料のこちらを⋯』

〖⋯葛。血行促進、内分泌系補助、精神安定、血管系の病気予防。葛湯にすれば風邪などどっかに飛んでいく〗

〖『『『は?』』』〗


『では、こちらは⋯』

〖⋯小豆。貧血に効く。コレステロール定価、高血圧予防。冷え性改善。むくみ解消。便秘解消。美肌効果。アンチエイジング効果。ダイエット効果〗


ギンッ!!

〖『『『うおっ?』』』〗ぞわっ

どこからから複数の殺気が!


『では、合わせると?』

〖トレーニング前のカロリー補給に最適〗

〖よし!食おう!〗

『『『サーヤが先!』』』


〖⋯ふっ、ポーションとは、なんだったんでしょうね。私、必要無くなるのではないですか?〗フッ

〖え?しっかりしろ!医神!消えるんじゃない!〗

『『『⋯医神がこんな姿になるなんてっ』』』

『やはり、凛さん恐ろしいですね。どうしましょうか?まだまだあるのですが』

〖バート!やめてやれ!〗

『『『医神が消えてしまう!』』』

〖フッ⋯〗

ああ、エル様が大変⋯



『サーヤのお顔も大変だよね~』

ぴゅいきゅい『『うん』』

『『すごいことになってる』』

『『『うん』』』

みゃあ『こわいにゃ』

『たぶん大丈夫なのだ。⋯たぶん 』

あっちもこっちも大変。それにしても、あっちにこっちにバートさんどうなってるの?


『私は優秀なのですよ』

そ、そうですか。


そして、お土産はまだまだまだまだたくさんあるよ。


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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