第545話 噂のあの人は?

『『⋯』』ぼー

『『『父ちゃん、母ちゃん、しっかりするだよぉ』』』ゆさゆさ


びっくりしているのは癒しの魔法の練習が決定したサーヤたちだけではありません。

お歌とおまじないで治ってしまったぽぽちゃんたちのお父さん、お母さん、呆然。


『いや、サーヤ達の場合はびっくりとは違うショックなんじゃ?』

〖だよな?〗


〖何か?〗ひゅお~


〖『何でも?』〗ぶんぶん


牙王様とヴァル様、エル様には叶わないんだから⋯


「ふわわ」

でも、そっか~サーヤたちがみんな痛いの痛いの飛んでけ~できるようになったら、みんなおケガしてもすぐ治るよね?


「ふにゅにゅ」ぐぐっ


『サーヤ~?』

ぴゅきゅ?『『どうしたの~?』』

『『『だんごむし?』』』


ばばーんっ

「えりゅしゃまっ!さーや、がんばりゅ!」ふんすっ

片手を突き上げて、がんばるぞー!のポーズ!


みゃあ『さーにゃにゃんが、たったにゃ』

『ポーズ付きなのだ』

きゅるるん『『『『『『『おお~』』』』』』』


〖おや、急にやる気になりましたね〗にこ


「あい!みんにゃ、おけがちたりゃ、いちゃいにょいちゃいにょちょんでけー!しゅりゅ!」ふんすっ

そしたら、いつもみんな元気だよね!


〖そうですね。みんな元気でいられますね〗なでなで

「あい!」

じゃあ、がんばる!

〖でもサーヤ、痛い痛いをなおすだけじゃだめですよ〗なでなで にこにこ

「う?」

だめ?

〖はい。お怪我だけじゃなく、病気や毒などにも対処できなくては〗なでなで にこにこ

「ふ、ふにゅ」

た、たしかに

〖ですよね?〗なでなで にこにこ

「あ、あい」ぷりゅぷりゅ

にこにこが、こわこわ⋯


スパーンッ


〖たっ〗

「ふお?」

スパーンッ?


〖そこまでだ。医神〗

ひょいっ

「う?」

もふんっ

「ふあああ」きらきら

もふもふっ


〖いい加減にしろよ。せっかくサーヤがかわいくやる気になってるのに泣かせてどうする。な?サーヤ〗なでなで

『そうだぞ。いくらサーヤの反応がかわいくて楽しいからってやりすぎだ。小動物みたいにプルプルしてたじゃないか』もふもふ


「ふお?」

ヴァル様と牙王様がエル様にお説教してくれてます。ヴァル様はなでなでしてくれて、牙王様はしっぽでなでなでしてくれてます。

サーヤはヴァル様が牙王様の背中に乗せてくれたので、全身でもふもふを堪能中です。


〖⋯痛いですね。私の頭を叩くなんて貴方方くらいですよ〗さすさす

〖ふん!俺だってサーヤがかわいいからな。やる時はやるんだよ〗フンッ!

『俺だってそうだぞ。第一、このメンバーじゃ俺たち意外、医神を止められないだろうがよ』ふんっ!

「ふお~かっちょい~」キラキラ

ヴァル様、牙王様、かっこいい!


〖⋯まあ、今回はたしかにやり過ぎましたかね。サーヤ、すみませんでした〗


「うにゅにゅにゅにゅ」ぶんぶんぶんっ

だ、大丈夫だよ。


〖ありがとうございます。つい、サーヤがかわいくて楽しみすぎてしまいました。すみません〗にこっ


「あう~」

ついで遊ばないでください



『おお、さすが鍛治神様に牙王様だ』

『あのエル様相手に!』

『益々尊敬したぞ』

『素晴らしいね』

『他の誰にも』

『真似出来ないね』


親方たちドワーフさんが手を合わせてお祈りしてます。

たしかに、すごいよね。


〖ん?わはは!そう言ってくれんのはありがたいがな?やるときゃやる奴なら、もっと上がいるぞ。あと、呼び方、ヴァルな〗

『そうだな。あの方には誰も適わねぇな』うんうん

〖不本意ながら同意です〗むす

ヴァル様の言葉に牙王様は嬉しそうに、うんうんってしてるけど、エル様のお顔はにがにがな虫さん『「苦虫」な、に・が・む・し』にがい虫さん『⋯』つぶしたようなお顔してます。


『『『え?それは』』』

『『『どなたですか?』』』

そんな強者は誰!?と、みんな驚いてます。


〖主神だよ〗けろっ

『主神様だな』うんうん

〖主神ですね〗むすっ


『『『『『『え?』』』』』』


〖だから、主神だよ。因みに、一番怒らせたらまずいのも主神だな〗

『そうだな。普段あんなだけどな』うんうん

〖あんなだからこそ、いざと言う時に威力を発揮するんですよ〗むすっ


『『『『『『ええ?』』』』』』

みんなびっくり!だって一番ニコニコ優しいのがイル様です。最初の時なんか、ジーニ様に、地面に突き刺されてたイル様です。


「ふお~」

『イル様、ほんとは強いんだね~』

ぴゅいきゅい『『やさしいのにね』』

『『『『『うん』』』』』

サーヤたちもびっくり。


〖まあ、あんなだが、曲がりなりにも俺たちの頂点にいるのが主神だからな〗うん

『あんなだけどな』うんうん

〖あんなですけどね〗むす


〖ひどいっ!?〗

ん?なんか聞こえたような?


「ふぉぉ」

でもたしかにひどいかな?だって

『ほめてるのか~』

ぴゅいきゅい『『ほめてないのか~』』

『『分からないね~』』

『『『うん』』』

みゃあ『わかんにゃいにゃ』

だよね?


『あれは、貶してるって言うのだ』

きゅるるん『『『そうなの?』』』

きゅるるん『『『『ひめちゃん、ものしり~』』』』

ほんとだね~


『でもぉ、それ以前に怒らせちゃいけない人がいると思うんだけどぉ』

きゅるる『ああ、あの人?たしかに、主神様を平気で足蹴にしてた』

『あらあらまあまあ、あの方ね。たしかに、駄神とか平気で言ってしまう⋯』


「ふあっ」

サーヤ、分かりました。

『あ~ぼくも誰か分かった~』

ぴゅいきゅい『『やっぱち?』』

『『うん』』

『『『わかった~』』』

あの人だよね?



こそこそ

〖お、おい⋯なんか嫌な予感しないか?〗

『だな。なんか近づいてきてるような?』

〖ふふ。噂をすれば⋯かもしれませんよ?〗

〖『だよな?』〗

ヴァル様たち、何こそこそ?



『ふむ。我も分かったぞ』

『私も分かりました』

『俺も分かったけどさ、今皆が想像してる人と、エル様が揃った天界ってどんなだったんだろうな?』


『『『『『え?』』』』』ずざっ


「ふあ?」

おいちゃん、なんて疑問をっ!?


『いや、何となくイル様を二人で囲んでブリザード吹かしてるイメージが浮かんだんだよな』


「ふおっ?」

おいちゃん、ご本人が片っぽいるのになんてことを!?


〖フフフ⋯なんということはありませんよ?師匠。このままですが?〗にこにこ


『え?あ?しまったっ⋯あ?いつの間にかみんなが遠い!?』


あたりまえです。そばにいたら危険です。


こそこそ

〖アホだな。ゲン⋯残念すぎるぞ〗

『たしかに、うっかりすぎるよな』

『『『そうなんですよ』』』うんうん

『『『なんでだろね?』』』うんうん


ヴァル様たちも気づいたんだね。おいちゃんの残念さんとうっかりさんは、もうすっかり有名なんですよ。おいちゃんはなんでも出来るスーパーヒーローのはずなのにね。


『あらあらまあまあ、たしかに最近はちょっぴり残念ヒーローかしらね?』

ね?そういえば、うわさの


「ばーとしゃん、げんきかにゃ?」

『ありがとうございます。元気ですよ』


『『『『『え?』』』』』ずざっ

〖『ゲッ』〗ずざっ


「よかっちゃ。いま、にゃにちてりゅかにゃ?」

『さあ、どうしてるでしょうね?』ふふ

「まちゃ、あいにきちぇくりぇりゅかにゃ?」

『もちろんですよ。あいたいですか?』

「あい。あえにゃいにょ、しゃみちぃ」しゅん

『ふふ。私も会えなくて寂しかったですよ。サーヤ』ひょいっ


「う?」

ありゃ?だっこされた?

『ふふ。会えて嬉しいですよ。サーヤ』にこっ

「ばーとしゃんっ!」

ほんもの?

『ふふ。大きなお目目がまん丸ですよ』

「ふぉぉ~ばーとしゃんっ!」ぎゅっ

噂をすれば本物です!

『ふふ。サーヤ、元気そうですね』きゅっ

「あいっ!げんき!」にぱっ

みんな元気だよ!

『それは良かった。元気が一番ですからね』にこにこ

「あい!」にこにこ

バートさんも元気そうだね!

『ふふ。⋯ところで、噂とは何ですか?』にっこり

「ほえ?」

う、うわさ?


『『『『『⋯っ!』』』』』ずざざっ


〖『⋯あ~あ』〗


『ええ。そうですよ?誰かの噂をしてらしたでしょう?』にっこり

「え、えちょっ?しょだっけ?」おろろ

『ふふ、ええ。名前は出ていなかったようですが⋯おや?そういえば、なぜサーヤはそのタイミングで私を思い出したんでしょうね?』にぃっこり

「え、えちょ?えちょ?」キョロキョロ

みんな、助けて?

「ふおっ!?」

みんないない!?



『あらあらまあまあ、サーヤ、ごめんなさいね』

こそこそ

『おばあちゃん、だめだよ~』

ぴゅいきゅい『『しーっなの』』

『そうです凛さん。ぼくたちは空気です!』

『サーヤとゲンさんの犠牲が無に帰します!』

ハクと双子、フゥとクゥがなんか言ってます。



「しょ、しょんにゃ」ぷりゅぷりゅ

みんなだってバートさんのこと言ってたのに、ひどい~

『ふふ。サーヤ、久しぶりにお会いしてお話したいことも沢山ありますので、医神様とゲンさんの元へ行きましょうか』にっこり

「あ、あにょ、さーや、おんりちたいにゃ?」こ、こてん

『おや、久々に抱っこできた私を置いていくのですか?』ひゅお~

「ふ、ふお?ご、ごめしゃい」

泣き真似してるのに、寒い風吹いてるよ!?

『では、このままでいいですよね?』にっこり

「あ、あい⋯」がくぶる

こわこわ⋯

『では、参りましょう。たっぷりお話しましょうね』にっこり

「あ、あい⋯」

みんな助けて~



『『ぼくたち、くうき~』』

『『『くうき~』』』

『『サーヤ、ごめんっ』』

ちびっこたちもフゥとクゥもひどい~


〖ひでぇな〗

『人身御供⋯』


こうして、ついに揃ってはいけない最強(凶)コンビが揃ってしまいました。

〖『ふふふふ⋯』〗


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございますm(_ _)m

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