第521話 そして、朝はやっぱり

鍛治神様が一通りの説明をした後


〖そうそう。凛、これもあっちの凛から持たされたんだ。自信作らしいぞ〗

鍛治神が風呂敷包みを凛に渡す。


『あらあらまあまあ、何かしら?』


しゅるっ はらり


『あらあらまあまあ!』

『わはは!なんじゃこりゃ!』

きゅるる『これは!凛さん!』

『おやまあ、こりゃ』

『ジーニ様、帰るの早すぎたんじゃ?』

『後で後悔しそうだね』


風呂敷包みの中身はいったい?



そして、話し合いが終わって、戻って来ました、サーヤたちの寝室⋯


こそこそ

〖分かってますね?鍛冶神、静かにですよ。馬鹿でかい声はダメですからね。いつもの百分の一の声量にして下さい。ああ、いっそ黙ってて下さい。何なら、口を縫い付けましょうか〗

〖なんだよそりゃっ!〗

『シーっでしょう?だめよぉ』

〖うっ⋯すまん〗


さっそく遊ばれる鍛冶神様は放っといて


こそこそ

『くくく、凛さんどれにするよ?』

『あらあらまあまあ、このお星様もいいけど、起きてないと面白みが⋯パンダもいいわね、アザラシの赤ちゃんも、まあ?これ青虫?』

きゅるる『凛さん、これは?』

『あらあらまあまあ、面白いわね。うふふふ』

『ほれ、鍛冶神様そこ座って』

〖静かにですよ。動かないでくださいね〗

〖分かってるよっ〗

『だからぁ、しーっ』

〖す、すまん〗

きゅるる『出来た』

『あらあらまあまあ、ぷくくく』

『ほら、鍛冶神様、手はこう!優しくな。ぶふっ』

〖お、おう〗

ぷるん『万が一落とした時は』

ぷるる『俺たちがクッションになる』

『よろしく頼むぞ、スライムたち』

『アルコン様、私も足元に控えてますから』

『『ぷふっ』』

『にゅふっ』

『だめよぉ、アイナちゃんたち、笑っちゃぁ』

『『『か、鍛冶神様が⋯』』』

『『『なんてこったい⋯』』』


こそこそ



そして、いつもの朝の時間

『サーヤ、みんな、朝よ』

『みんな、起きろ~』

『皆さん、起きて支度しましょう』

『朝ごはんが待ってますよ』

フゥ、クゥ、山桜桃、春陽のいつもの四人が、ちびっこたちをいつものように起こします。違うのは⋯


〖愛し子、時間のようだぞ。はやく かわいい顔をちゃんと見せろ〗


「 ぅうにゅう~?」

まだ、寝る~う


〖愛し子、起きろ〗


「ふぅにゅ~?」

だれ~?



周りでは

『ほら、ハク、みんな、起きなさい』ゆさゆさ

『モモ、スイ、みんなも起きてご挨拶せねば』ゆさゆさ


『う~ん?お父さん~?』ふらふら

ぴゅいきゅい『『ごあいしゃちゅ~?』』ゆらゆら

『『おあよ~』』ふらふら~

『『『ごじゃいましゅ~』』』ごつんっ

『わあっ妖精トリオっ』

『しっかりっ』

みんなまだ寝ぼけてふらふら。妖精トリオに至っては頭をぶつけ合って、フゥとクゥに救いあげられている。


『ココロも姫ちゃんも起きてくださいませ』

『食べちゃいますわよ?』

『リノ様、朝から変態禁止にゃ!』

きゅるる『子供たち、起きる。リノ様が迫ってくる』


みゃあ『たべにゃいでにゃ~』

『姫はおいしくないのだ~』

きゅるるん『『『いや~ん』』』

きゅるるん『『『『たすけて~』』』』

みんなまだ目があかずにふらふら~。でも、逃げる。


『ひどいですわ~』

『当たり前の反応ですわね』

『当然にゃ』


それでもやっと⋯

『あれ~?』

ぴゅいきゅい『『だぁれ~?』』

『『はじめまして~?』』

『『『おはようごじゃいましゅ~』』』ごつんっ

みゃあ『わ~しっかりにゃ』

『サーヤがなんだか、おいしそうなのだ』

きゅるるん『『『ほんとだ~』』』

きゅるるん『『『たべた~い』』』


『私も食べたいですわ』はあはあ

『お姉様、また簀巻きになりたいのですか?』

『変態退散にゃ』


いつもと違うことにやっと気づいたちびっこたち。その視線の先には



〖愛し子、ほら、起きろ〗ゆさゆさ

「うにゅ~?」

ありゃ?だれ~?


〖おっ、ようやく起きたな!会いたかったぞ!愛し子!〗ニカッ


「ふにゅ?おあよごじゃましゅ⋯いとしごちやう、さーやでしゅ。よりょちく⋯ぐぅ」くたっ

まだ眠い~


〖ん?そうか、サーヤだな。おはよう。よろしくな。でも、寝るな〗ゆさゆさ

鍛冶神様がサーヤを起こすが、なかなか起きない。


「ふにゅ~?」

あれ~?サーヤ、誰かに抱っこされてる~?しかも、なんか、グルグル?


『あらあらまあまあ、孫がごめんなさいね。サーヤ起きなさい』

『ほらサーヤ、二度寝はダメだぞ。起きろ~』

なかなか起きないサーヤを、おばあちゃんとおいちゃんが起こしにかかります。


「ふにゅ~?おばあちゃん、おいちゃん、おあよごじゃましゅ。ふわぁ~ぁ」

『あらあらまあまあ、おはよう。大きなあくびね』

『おはよう。ほら、しっかり起きろ』


「ふにゅ。うごけにゃい~?」

それに~

「やわりゃかいけじょ、かちゃい、あちゅい?」

何でかな~?

『あ~それはな~?』

おいちゃんが、なにか言おうとした時

『サーヤおいしそうなのだ。姫が味見してあげるのだ』ふらふら~


まだ半分寝てる姫ちゃんがふらふら飛んで来て、サーヤの頭あたりを

『あ~ん、なのだ』かぷっ


「ふあ?」

『あっ』

『あらあらまあまあ』

なに?なに?


『ぺっぺっ、おいしくないのだ。偽物なのだ!⋯誰なのだ?』


〖ワハハハッ面白いやつだな!〗

「ふおお?」

揺れる揺れる~。なんだか分からないけど笑い声と一緒に揺れてます。


『鍛冶神様っ、サーヤが落ちるっ』

〖おっと。すまんすまん〗ぐいっ

「ふおお?」

なんだか、硬くて熱い人にしっかり抱き直されたみたいです。


『だあれ~?』

ぴゅいきゅい『『おっきい~』』


そうです。この人は

「どちりゃしゃま?」きょと


〖サーヤ、それはですね、筋肉の塊です。だから無駄に硬くて、無駄に熱いんですよ〗

「ふおお?」

筋肉さん?


〖おいコラ、医神。いい加減なこと教えるなよ。俺の筋肉は確かに最高で、何時でも熱いが、俺の名前じゃねえ!〗

〖おや、失礼しました。頭の中まで筋肉の脳筋でしたね〗

〖違う!〗


「ほえ~?」

何やら硬くて熱い人は、エル様に遊ばれてます。


『はいはい。ったく、そこまでにしてくれよ。あのな、サーヤ、その方は鍛冶神様だ。分かるか?鍛治の神様だ』

痺れを切らしたおいちゃんが教えてくれました。


「ふお?」

かじしんさま?

『ええ~?新しい神様~?』

ぴゅいきゅい『『また~?』』

『『おっきい神様だ~』』

『『『むきむきかみさま~?』』』

ハクたちもびっくり!


『そうだ。神様だぞ』

うそ~また?


〖ワハハハ!嘘じゃねぇぞ!鍛冶神のヴァルカンだ!よろしくな!愛し子サーヤ!ちびっこ!〗ニカッ


「あ、あい。よりょちくおにぇがいしましゅ」

『よろしく~』

ぴゅいきゅい『『よろちくね』』

『『『『『よろしくおねがいします』』』』』

よく分からないまま、ちびっこたち、よろしくお願いします。


〖おう!よろしくなっ!〗ニカッ


なんだか朝から嵐が来たみたいです。


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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