第512話 先生がたくさん

あれから、ジーニ様たちから、ごめんなさいされちゃいました。

サーヤも、ごめんなさいしたよ。


それで、今は


『そうだの、サーヤ。まずはこの器の中を水で満たしてみようかの』

『ハクたちも、やってみようかのぉ』


そう言って、じぃじたちが用意してくれたのは、いつもお外でおやつの時に使ってる木のボウルです。『馴染みのあるものの方がイメージしやすいからの』って、言ってました。これを使って練習です!


「あいっ!」

『は~い』

ぴゅいきゅい『『あいっ』』


がんばるよ!そしたらフライとフルーが質問しだしました。


『じぃじ、触っててもいい?』

『触らない方がいい?』


あ、そうだよね。持ってた方がいいのかな?


『そうだのぉ。最初は両手で持つと、具体的にイメージしやすいかのぉ』

『そうだの。さっきサーヤはこの位という、イメージが出来ていなかったのじゃろ?』


「あい」

何となく、こんなかな?って、感じだったよ。


『うんうん。実際に手にした方が、ここに、このくらいの大きさで、と、イメージしやすいと思うのじゃよ』

『まずは、手に取って、慣れてきたら器無しで挑戦してみようかの』


にっこりと優しく、じぃじとかめじぃが教えてくれます。


「あいっ」

『は~い』

ぴゅいきゅい『『あい』』

『『分かりました!』』

『『『がんばるよ』』』

みゃあ『やってみるにゃ』

きゅるるん『『『『『『やるぞ~!』』』』』』

『姫は出来るから、見ててあげるのだ』



ジーニ様たちはというと、

〖私は、同じことが起こらないように、全体を見て備えようかしら〗

〖あら、お母様、でしたら反省を踏まえて、私たち三人で分担しましょう〗

〖そうですね。では、魔神はサーヤたち、ちびっこ同盟に、シアはフゥたち精霊に、私はぽぽや鹿の子たちに付きましょう〗

〖そうね。そこに更に蒼と青磁、水影、青葉たちに手伝ってもらいましょう。結葉たちも手伝ってくれるでしょうし?〗

〖分かりましたわ〗

〖では、始めましょうか〗


と、言うことで、別れてサーヤたちを見てくれてます。


〖さあ、みんな。始める時に気をつけることは一緒よ。自分の中の魔力を意識してね〗


「あいっ。ちゃんでん、しゅーちゅー、ぐるぐるー、おててにあちゅまりぇ~」

両手で持ったボウルをしっかり見て、

「しゅーちゅー、おみじゅー、⋯う?」

あれぇ?空気の中に水色のキラキラ?

もしかして?

「あちゅまりぇ~」

しゅるんっぴしゃんっ

「ふおお?」

お水出た!


「じぃじ!かめじぃ!でちゃ!」

ボウルの中、お水入ったよ!見て!


『ほっほ。さすがじゃのぉ。よくできたのぉ』

『サーヤ、何かみえておったようじゃの?』

じぃじたちにはお見通し


「あい。くうきにょ、にゃか、みじゅいりょ、きりゃきりゃ、あっちゃ。あちゅまりぇ~ちたりゃ、でちゃ」

びっくり!


〖サーヤ、それは水の魔素よ。前に一度見せたことがあったでしょ?サーヤは、今、その魔素を「視て」集めてお水を出したのね。だから、自分の魔力はほぼ使ってないはずよ〗


「ほえ?」

そうなの?


『ほっほ。ここは水の魔素が豊富じゃからの』

『その方法で、ほれ、妖精トリオも』


『『『でたーっ』』』

『妖精トリオえらいのだ!』

あ~妖精トリオも成功だ~

「やっちゃあ!」


〖妖精トリオも眼がいいからね。やっぱり「視て」集めたのね〗


「ほえ~」

視て集めるか~あれ?あれれ?


『ほっほ。サーヤ、聡い子じゃのぉ』

『ほっほ。気づいたようじゃの』

あれれ?頷いてる?


「さーや、ちっぱい?」

失敗しちゃった?しゅん⋯


〖そうではないわ。ちゃんと成功してるわよ。ただ、今のは「視える子」の方法ね〗


「みえりゅこにょ、ほーほー」

『じゃあ』

『みえないこは』

『できないやりかた?』

妖精トリオも、お話に加わりました。


〖そうね。でも、視えないなら、「感じ」ればいいのよ。それにね、方法は他にもあるわ〗


ジーニ様のお話をいつの間にか、別れて練習していたみんなが聞いてます。


〖サーヤたちがやったように、自分の魔力を使わずにする方法は主に三つよ。一つ目は「視る」、二つ目は「感じる」、三つ目は「借りる」〗


「かりりゅ?あっ!」

サーヤ、やったことあるかも!見たこともあるよね?


『そうじゃよ。ある意味、聖域の子たちは、この方法が一番向いているかもしれんのぉ』

『みたことあるじゃろ?ギンと吹雪、それからサーヤもだの』


「ふああっ」

やっぱり!

「はちゃけにょ、ようせいしゃん!」

畑の土、ぐるんぐるん!


〖その通りよ。サーヤは土の妖精さんと畑を耕したでしょ?でもね?今はこの方法はお預けよ。自分の力で出来るようになってからね。サーヤも妖精トリオも今度はみんなと同じ、感じる方でも練習しましょうね〗


「あい!」

『『『はい!』』』

『いろんなほうほう』

『できたほうが』

『いいもんね』

「しょだね」

いつも視れるか分からないもんね。


『は~い!ジーニ様』

ここでハクが質問です。


〖ハク、何かしら?〗ふふ

あっ、ジーニ様、もう何聞かれるか分かってそう。


『視ることも、感じることも出来ない場所とか、時とかは、どうしたらいいの~?』


〖そうね。そんな時は、自分の魔力だけで生み出すのよ。一番みんなに出来るようになってもらいたいのはこの方法ね。でも、これは一番最後にしましょう。感じることも大事。それが次に繋げるヒントになるわ〗にこっ


『そっか~』

ぴゅいきゅい『『がんばらないと』』

『『そうだね』』

みゃあ『やってみるにゃ!』

「あい!」

『『『がんばろ~』』』

きゅるるん『『『それじゃ、みんなで』』』

きゅるるん『『『『えいえい』』』』


「『『『『『おーっ!』』』』』」


みんなで気合い入れてがんばるよ!


そして、


「ふおおっ」

サーヤの前には、バスケットボール位の丸いお水の玉が浮かんでます。

みんなの前にも


『できたよ~』

ぴゅいきゅい『『できた~』』


「ふおお」

みんなの前にも水の玉が浮いてます。魔力を感じて集めるのが出来たみんなは、魔力だけでお水を作ることにも成功しました!


『『やったね~』』

『『『みんながんばった~♪』』』

みゃあ『バンザ~イにゃ!』

きゅるるん『『『バンザ

~イ』』』

きゅるるん『『『『バンザ

~イ』』』』

『よくがんばったのだ!』

みんな大成功です。


『まさか、わたしにも水が出せるなんて』

『おれも、びっくりだよ』

フゥとクゥは自分と違う属性の魔法が使えることにびっくり。


〖フゥとクゥは、サーヤの守護精霊になった自覚を持って、もっと色々出来るようになってもらいたいですね〗

シア様が言うと


『うっ、は、はい』

『精進します』

あっ、落ち込んじゃった


〖もう少し自信を持って下さいな。あなた達は私たちが見つけたのですから〗にっこり


『『は、はいっ!』』

あっ、今度は元気になった。


そんな中、ぽぽちゃんたちの声が。

『あ、あの皆さん』

『あれはどうしたらいいだ?』

『なんかわからないけど、すごいだよ』

ちょっとおどおどしてるね。いったい何、が?


〖〖え?〗〗

「ふえ?」

あ、あれは⋯


『きゃ~っおばあちゃま、すごいでしゅ!かにょこもっ!かにょこもやりたいでしゅ!』



『よっほっ!あらあらまあまあ?私の芸もなかなかじゃないかしら?』

ぴゅーぴゅー


『なんの。みあも負けない』

しゃーしゃー



「おばあちゃん、みあちゃん」

あれは、もしかして

「みじゅげい?」

指?肉球からお水が噴水?


『そうだな、ありゃ水芸だな』

「おいちゃん」

やっぱり?



『よっ』

ぴゅー

おばあちゃん、片足を後ろに上げてバランス。上げた足先と広げた両手の指先(肉球)からもお水が⋯


『ほっ負けない』

しゃー

みあちゃん、片手で逆立ち。ばらんすとって両足、片手からお水が⋯



〖何これ?〗

〖医神、なんでこんなことに?〗


〖⋯⋯〗しーん


〖え?うそ〗

〖医神が〗

〖〖固まってる?〗〗ピシャーンっ

女神様にも衝撃がっ


「ふええ?」

なんで~?


『言いにくいんだどもな?サーヤちゃんが原因みたいなんだな』


「ほえ?」

サーヤのせい?ぽぽちゃんがものすごく言いにくそうにしてます。


『さーやちゃんがさっきやった奴なんだな。あの話をしたら』

『『あらあらまあまあ、私にもできそうね』って、いったんだな』

『そしたら、いきなり土を魔法で掘って、そこにお湯出してお風呂にしたり、『水芸ってこんな感じだったかしら?』って言ったとたん、こうなっただよ』

『エル様は、追い付けなくて、固まってしまったんだども』

『かのこちゃんが、だいこうふんして、あんなかんじなんだな』


ぽぽちゃん兄弟が教えてくれました。なんか、おばあちゃんがごめんなさい。


『あらあらまあまあ、虹!』さーっ

『なんのっ噴火!』どっぱーん

『あらあらまあまあ、それは大波の間違えじゃないの』

『言ったもん勝ち』



『なんか勝負してるな』

「あい」

おばあちゃん、みあちゃん、何を目指してるのかな?



『きゃ~おばあちゃま、もっともっとでしゅ!』


『よっ!鯉の滝登り』しゃっ

『ほっ!なんの!昇り龍』しゅっ


あ~あ

勝負はまだまだつかないようです。


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。星や応援、感想などもありがとうございます!(´▽`)

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