第481話 覚えておいででしょうか?

ところで、覚えておいででしょうか?


『あらあらまあまあ、ゲンさん、ダメじゃない』にこにこ

『ん?な、何だ?俺何かしたか?』

おばあちゃんが、にこにこと、おいちゃんに詰め寄ってます。繰り返します。ニコニコと⋯


『あらあらまあまあ、やっぱり忘れてたのね?結葉様のおしおき内容』にこにこにこにこ

『え?結葉様の?⋯あっ』

しまった!と、言う顔のおいちゃん。ずりずりと後退りを始めました。あ~あ~


『そうよ。結葉様のおしおき。サーヤにお触り禁止だったのに』にこにこごごご

『うぐっ⋯す、すまん』じりじり⋯


そうです。おいちゃんったら、結葉様のおしおきを忘れて、サーヤを結葉様に渡してしまったのです。


『あらぁん、思い出しちゃったぁ?くすくす』

結葉様は覚えてたけど、渡されたら⋯ねえ?結葉様だし


『で、でも、ほら、あの時は他に任せられる奴はさ⋯』

いなかっただろ?と言いたいおいちゃん。

『あらあらまあまあ、フゥちゃんとクゥ君だっていたじゃないの』にこにこ

と、おばちゃんが言うと、意外なところから怯えたような声が

『あ、あの凛さんお言葉ですが』

『あの状態のサーヤを抑えきれる自信は』

『『ありません』』


『⋯⋯』

フゥとクゥから無理だと自己申告です。

『じゃあ、山桜桃ちゃんと春陽くん⋯』

『すみません凛さん』

『ぼくたちも』

『『無理です』』


『⋯⋯』

山桜桃ちゃんと春陽くんまで食い気味に自己申告⋯

周りを見渡すおばあちゃん、みんな首を振っています。


『⋯サーヤ』

「うにゅ?」

我が孫に対するみんなの認識に、一抹の不安を覚えるおばあちゃんです。


『な、な?仕方なかったろ?』

おいちゃんビクビクです


『ふぅ⋯そうね。でも、結葉様は今からお触り禁止ですからね!』ビシィ!

『ええ~』

ビシッとクギを刺すおばあちゃん。

まだお許しになってないようです。


『そういえばよ?』

『なんで親父たちは羊毛刈りしてたんだ?』

『こんな大勢でよ?』


そうなのです。ドワーフさん達の疑問はごもっとも。ここはメーメーさん達もふもふ達のおうち。今ここには沢山の精霊さんや動物たちで溢れかえっています。

今回、なぜ精霊さんたち大集合だったかと言うと


『え?だって~もえたちが』

『サーヤの為に手伝ってって言うから~』

『ねえ?でもやり始めたら、もえたちがもっともっとって~』

らんちゃんたちがそう言うと

『⋯だからってやりすぎ。がーちゃんたちまで冬毛になるし』

『子犬たちが震えるから慌てて吹雪と白雪を呼びに行ったんですよ』

『ついでに俺様もな、暖房代わりに呼び出されたんだよな』

だいちゃん、みーちゃん、はーちゃんまで集まってたのは暖房係でした。


『でも大地、その割に嬉々として』

『がーちゃん達の羽毛集めてた』

白黒コンビのツッコミに

『⋯だって、がーちゃん達も張り切って集めてくれってせがむから』ぷいっ

顔を赤くしてます。


『なるほど。そんなことになってたのか。もえたちがすまんな』

おいちゃんが謝ると


『まあ、大丈夫だろ。なんやかんや楽しんでたようだしな』

『そうね。この子達も凍えずに済んだしね』

吹雪じぃじと白雪も苦笑い。白雪のお腹のとこでは、わんちゃん二匹が丸まってます。


『いやいや、待っとくれよ』

『そもそも、なんでその流れになったんだい?』

『おかみさんたちは別のところで何かしてるんだろ?』

ドワーフの奥さんたちが、そもそものきっかけは何だったんだい?と聞いてます。


「うにゅ?」

そもそも?

『それはね~?サーヤがね~』

ぴゅい『アイナしゃまと』

きゅい『ニャーニャにゃんのために』

『ハクの背中から』

『降りられるところを』

『『『みてもらうためだよ~』』』

ちびっ子達が説明を始めました。


『え?私たちの為ですの?』

『どうしてにゃ?』

アイナ様とニャーニャがびっくりして聞くと


みゃあ『頑張って降りられるようになったらにゃ、おっきいご主人とねぇねが元気になってくれるかもってにゃ』

『サーヤ頑張ったのだ』

ココロと姫ちゃんも頑張って説明です。


〖まあ、サーヤちゃん〗うる

『そうだったのにゃ』うるる

アイナ様とニャーニャの目がうるうるです。


『それでな、双子たちが服の肩を引っ張りあげてくれたり、色々頑張ってくれたんだけどな?どうしても最後尻もちついちまうんだよ』

『そうなのよ。それでだんだんおしりが痛くなっちゃってね。そしたら、見かねた絹さんがね』


「こりぇ、さーやにょ、ぱんちゅ!ちゅくっちぇくりぇちゃにょ!」

そう言って、突然サーヤがおしりを向けてペロッとスカートをめくりあげて嬉しそうにパンツをみんなに見せた!


『『『サ、サーヤちゃん、ダメだよ⋯え?』』』

『『『なんだそりゃ?』』』

あまりに突然パンツを嬉しそうに見せられたドワーフさんたち。初めこそスカートを下ろさせようと慌てたがそれを見て固まってしまった。


『サーヤ⋯』

はあぁ⋯とおいちゃんはガクッとなり

『あらあらまあまあ、サーヤ、はしたない⋯』

おばあちゃんもがくっとしてます。


『サーヤちゃん、それ』

『ニャーニャにゃ?』

サーヤのパンツにはニッコリ笑って肉球を見せるニャーニャのどアップが!


「あい!」

みゃあ『ねぇねそっくりの見せパンにゃ!』

「にぇ~♪」

そのままサーヤとココロは

『「にゃーにゃー♪」』

ふりふり

『「にゃんにゃん♪」』

ふりふり

と、二人でおしりをふりふり、手はにゃんこのマネをしながら謎なダンスを踊り出しました。そして


〖いや~ん♪かわいい~♪〗

と、ジーニ様が飛び回って撮影しています。


『どういうことですの?』

『何でニャーニャにゃ?』

ポカーンとするアイナ様たちに


『いや、俺がな、尻もちつきまくるサーヤを見てな、昔よく転ぶ子供用にクッション性のある服とかアクセサリーがあるのを思い出してな。それをうっかり口にしちまったんだよ』

『そうしたら絹さんが、それ採用。って言ってサーヤのパンツにめーめーさんの綿を使って、どうせなら見せても可愛いパンツにしてみた。って、あっという間にあれを作ってくれたのよ』

おいちゃんとおばあちゃんがいまだに


『「にゃーにゃー♪」』

ふりふり

『「にゃんにゃん♪」』

ふりふり


と、相変わらずパンツを見せて、謎ダンスをしているサーヤとココロを見ながら補足説明。絹さんはアイナ様とニャーニャの為に頑張ってるんだからとニャーニャの顔にしたそうだ。


『しかもなぜか、ぷきゅうって、妙な音がするもんだから、ちびっ子たちみんな気に入っちまってな。あげく』

『自分の顔も作って~ってお願いしだしちゃったのよね』


『「にゃ~にゃ~♪」』

ふりふり

『「にゃんにゃん♪」』

ふりふり

『『『『『にゃんにゃん♪』』』』』

ふりふり

とうとうハクたちまで謎ダンスに加わって、楽しそうにしているのを見ながら、話しを続ける


『そしたら、絹さんだけじゃなくて、おかみさんたちにまで火がついちまって』

『双子ちゃんが掴みやすいように肩にベルト付けたらとか、どうせなら今ある服を全部改造しようとか、せっかくなら新しい服を一から作ろうとか盛り上がっちゃってね』

『その上、絹さんがどうせならもっとクッション性を色々とか、音も出るのと出ないのとか、こだわり出しちまったもんだから』

『親方達まで出番が回っちゃったのよね』

『『はあ⋯ 』』

おいちゃんとおばあちゃん、でっかいため息。


『んん?いいじゃねえか!楽しいしな』

『やるならとことん!』

『徹底的に!だよな!』

『『『ガハハハハ!』』』

親方たちは心底楽しんでます。


『なるほど』

『職人魂に』

『火がついたか』

『『『じゃあ仕方ないね』』』

あっさり納得するドワーフさんたち。やっぱり家族だね。


『「にゃ~にゃ~♪」』

ふりふり

『「にゃんにゃん♪」』

ふりふり

『『『『『にゃんにゃん♪』』』』』

ふりふり


〖あ~ん♪かわいい~♪〗


ちびっこたちの謎ダンスと、ジーニ様の撮影はまだまだ続く。


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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