ある日のお花見日記 番外編

「さくら~♪さくら~♪」

きゃはは~♪ぐるぐる~♪

『さくら~♪』

ぴゅいきゅい『『さくら~♪』』

みんなでぐるぐる~♪

「さくら~♪さくら~♪」

お花咲いたよ~♪

『『さくら~♪』』

『『『さくら~♪』』』

きれいきれい♪ぐるぐるぐる~♪


〖楽しそうね~♪あ~可愛い♪今日も撮影ばっちりよ♪〗

〖さっきから、あのピンクのお花の咲いた木の周りを、楽しそうにぐるぐる走ってますね〗

〖凛、サーヤたちが先程から口にしているのは歌ですか?それにしては〗

ちらり


「さくら~♪さくら~♪」

みゃあ『さくら~♪』

『さくら~♪なのだ!』

ぐるぐるしてるサーヤたちの周りには、ピンクの花びらが舞っていてる。


『確かにぃ。ずうっと、同じよねぇ?』

〖そう言えば?〗

〖そうですね?〗

神様たちと結葉様が、おばあちゃんとおいちゃんを見ると


『あらあらまあまあ⋯そうなのよ。あれはれっきとした歌なんだけどもねぇ』

『続きもちゃんとあるんだけどなあ?おーい!サーヤ~!』

おいちゃんが、サーヤを呼びます。すると、


「おいちゃ~ん!にゃあに~?」

気づいたサーヤたちがみんなでこちらに走ってきました。もちろん


「さくら~♪さくら~♪」

きゅるるん『『『さくら~♪』』』

きゅるるん『『『『さくら~♪』』』』

歌いながら。


「にゃあに~?」

『サーヤ。その続きは?』


「う?た~らららた~ららら~♪」


『あらあらまあまあ、やっぱり?』ふぅ⋯

『だよなぁ。サーヤだもんなぁ』はぁ⋯


「うにゅ?」

何かな?


『これはどういうことぉ?』

結葉様が何か聞いてます。

『あのね、サーヤはいくら教えても、この曲に関しては、さくらさくらの部分しか覚えないのよ』ふぅぅ

『そうなんだよなぁ』はぁぁ


〖〖〖は?〗〗〗

この部分だけ?

『サーヤぁ、どうしてぇ?』

結葉様がしゃがんでサーヤに目線を合わせて聞いてきました。

「う?にゃんか、おぼえにくい?あちょ~、にゃんか、くりゃい?あちょ~、こえ、でにゃい?」

どんどん下がるの~出ないの~。

『うん~?そうなのぉ?』

「しょにゃにょ~」

『そうなのねぇ』なでなで

『あい~』


なんとものんびりした会話に

『『はあぁぁ⋯』』

「う?」

なんで、おばあちゃんとおいちゃん、ため息?


『日本の伝統を歌った名曲なんだけども、言葉が少々、古めかしいからかしら?』

『それもあるかもしれんが、日本の伝統的な曲とかって、たしかに短調⋯暗めの曲、多いよなぁ』

『ヨナ抜き音階とかね。音も低めだしねぇ。子供の声は高いから、低い音は難しいのよねぇ』

『歌いやすいとこだけ、気に入っちまったんだろうけど、おかげで毎年桜の時期は、しばらく頭の中、この部分だけが延々と繰り返すんだよなぁ』

『そうなのよね。ある意味春の風物詩かしら?でも、さくらさくらのその先に、全く進まないのも、なかなか辛いのよね~』

『『はあぁ⋯』』


〖〖へ、へぇ~〗〗

〖なるほど。精神的攻撃ですね〗

自分たちもそうなるのか?


「う?」

なんだろね?みんな変なお顔~

『サーヤはぁ、今年も続きを覚えないのかしらぁ?』

「う?た~らららた~ららら~♪」

おぼえてるでしょ?歌えるよ?すこし!

『うん。だめそうねぇ』くすくす。

何が?結葉様、なんで笑うの?

『気にしないでぇ』

なでなで

「うにゅ~?」

わけわかんない~


『凛さん、歌になるくらいなら、あのお花は特別なんですか?』

『毎年歌うくらいだもんな』

フゥとクゥが聞いてきます。


『そうね。私たちのいた国を代表する花と言っていいかしらねぇ。遠い昔から、お花見という文化があるくらい。初めは梅見だったそうだけど、しばらくして桜が花見の花となったのですって』

『昔は奥ゆかしかったんだろうけどな。今は花も見ずに花の下でどんちゃん騒ぎするヤツらが多いよな。あのブルーシート、どうにかならんのかな。桜の美しさが霞んじまう気がして、悲しくなるんだよな。野点なんかは綺麗だと思うけどな』

『そうねぇ。桜の根も踏み固められると痛むと言うしね。桜は一度病気になると、一気になくなる可能性もあるしねぇ』

『ああ。あれだけの数の桜がクローンだもんな。桜も品種はあれだけじゃないのに、もっとどうにかならんのかなと、毎年思うんだよな』

『そうねぇ。枝垂れ桜や、山桜、八重桜、珍しいものだと黄色や緑色の桜もあるものね』


「う?さーやはにぇ、ぴんくにょ、さくら、しゅき」

なんか、難しいお話してたみたいだけど、桜のお話なのは分かったよ~。


『そうね。ソメイヨシノも綺麗だけど白に近い薄いピンクだものね』

「ふちゅうにょ、ちろいさくらも、しゅき。ぴんくにょ、もっちょ、しゅき♪」

『まあ、桜色って、山桜の色のことだしな』

「おりがみちょ、さくらもちにょ、いりょ~♪」にこにこ

かわいくて、美味しい色だよね!


『は?』

『あらあらまあまあ、なんか違ったみたいよ?』

『そうだな。サーヤは花より団子だもんな』

「ぶー。おりがみ、ゆっちゃ」

『そうだな。わりぃわりぃ』

わしわしわし

「ぶー」

頭ぐちゃぐちゃになる~


『桜餅ね。ひな祭りの時に作ったきりね。また作りましょうか』

「ほんちょ?わ~い♪じゃあにぇじゃあにぇ、おいにゃりしゃんちょ、おはにゃみだんごみょ~♪」


『『え?』』

〖〖〖ん?〗〗〗

『あらぁ。また、楽しいことかしらぁ?』


『あらあらまあまあ?サーヤ?それは、お花見がしたいってこと?』

「う?う~ん?そうかみょ?」

美味しいの食べられるなら?

『自分で言っておいてなぜ首を傾げる』

「う?しゃあ?」

わかんない。


『あらあらまあまあ、そうねぇ。せっかく桜も咲たし、お花見しましょうか。みんなの好きなご飯をお重に詰めてね』

『そうだな。いなり寿司作るなら、豆腐作りを本格的にしないとな。豆腐がなきゃ肝心の油揚げがないもんな』

「ふおぉー!きぬごし」

お豆腐は絹ごし派です!

『そうね。色々出来るわね。豆乳とかも。くすくす』

「とーにゅーは、にがっ」

べー。あっかんべーです。にがにがはいやです。

『体にいいんだぞ』にやり

「もーもーしゃんにょ、おいちいみりゅく、ありゅもん!」

だからいいんだもん。

『普段は割と渋好みなのにな』

『ゲンさんが初めに、牛乳だぞって嘘ついて飲ませたからじゃないかしら?』

『そんなことあったけな?ワハハ』

「ぶー」

おいしいミルクだと思ったら違ったんだもん。おいしくなかったもん!

『まあまあ、悪かったよ。俺は草餅食いたいな。サーヤ、ヨモギ出してくれな』

「あい。くしゃもち」じゅるり。

『あらあらまあまあ、単純ねぇ』

つんつん。

『あら?ハク?どうしたのかしら?』

つんつんしてたのはハクでした。でも、それだけじゃありません。ちびっこたちの目がキラキラです。こころなしか、お口も?


『おばあちゃん。好きな物って~ぼくたちのもいいの~?』ぶんぶん

ぴゅいきゅい『『いいの~?』』ぱたぱた

キラキラキラキラ


『あ、あらあらまあまあ、なんか、眩しいわね?もちろんよ。何か食べたいものがあったら言ってちょうだいな』にっこり

いつもサーヤがお世話になってるし、アンケートには応えないとね。


『ほんと~?ぼくねぼくね~ハンバーグ食べたいなぁ』ぶんぶんっ

しっぽがさっきからブンブンしてるわねぇ

『そうね。入れましょうね』

『わ~い♪』

うふふ。かわいいわね。


ぴゅいきゅい『『なんかおにく~♪』』

あ、あら?なんか急にざっくりね?

『そうね。何か考えましょうね』

ぴゅいきゅい『『やった~♪』』ぽよ~ん

あら、ハイタッチならぬお腹タッチ?手が届かなかったのね~バンザイになってるわ。


『木の実のお菓子がいいな~』

『フルーツのお菓子がいいな~』

フルーとフライは木になるものが好きみたいね

『分かったわ。たくさん必要になるわよ?手伝ってくれる?』

『『もちろん!』』くるん

あら、バク転したわ。可愛いわね~


『『『ん~と、ん~と、ん~~、あっ!』』』

『えだまめ!』

『たけのこごはん!』

『みずまんじゅう!』

妖精トリオがひねり出したリクエスト。でも

『え?まさか、それは⋯』


「さーやみょ!さーやみょ!さーやみょ~!」

『たけのこご飯に俺も一票』

サーヤ、ゲンさんまで⋯


『あらあらまあまあ?サーヤの好きなものじゃなくていいのよ?』

『いいの!』

『サーヤがすきなものは~』

『みんなおいしいから!』

みゃあ『ココロもにゃ』

『姫もなのだ~♪』


『そ、そうなの?』

あらあらまあまあ。絶大の信頼度ね~


きゅるるん『『『『『『『おばあちゃん、おばあちゃん』』』』』』』

『あ、あら?子グモさんたちは何がいいかしら?』

きゅるるん『『『さつまいものおかず~』』』

きゅるるん『『『『さつまいものおかし~』』』』

『あら。おいも?いいわね。色々作れるものね』

案外普通だったわね?


きゅるるん『『『やったー!よかったね~みんな~!』』』

きゅるるん『『『『つくってくるって~♪』』』』


『え?』

みんな?


『『『『『わ~い♪』』』』』

『『『『『やった~♪』』』』』

『『『『『とうもろこしも』』』』』

『『『『『お願いしま~す♪』』』』』

ずらずらずらずらーっ


『え?』ひくっ


〖〖まあ!〗〗

〖これはこれは〗

『あらぁ~。畑のお手伝いしてくれてる妖精たち、みんな来ちゃったのねぇ』


み、みんな?


「ふわぁ~たくしゃん!」

『いつの間にか増えたんだよな~』


『ゲンさん?サーヤ?』ゴゴゴゴゴ


「ひょえっ?」びくぅ

『り、凛さん?』ビクゥ


『しっかり手伝ってちょうだいね?』ニコニコごごごご


「あ、あいっ!」ぴしっ

『も、もちろん!』ビシッ


『よろしい』


『あれ?作るのは俺たちだよな?』

「う?しょうでちた」


『あ、あらあらまあまあ?おほほほほほほ』

だって私は可愛い編みぐるみのくまさんですもの。


こうして、お花見は結局、


『『『酒だーっがはははっ』』』

『『『少しは静かに飲みな!』』』


〖美味しいですね〗

『『そうですわねぇ』』

『ご主人、そのおいなりさん取って欲しいにゃ』もぐもぐ

『あらぁ、ニャーニャ、私が取ってあげるわよぉ』


〖医神!それは私のお肉!〗ガキンっ

〖早い者勝ちですよ〗ガチンッ


『ギン、吹雪、酒をもう一杯どうだ?』

『ありがとうございます』

『いただきます』


美味しいものを食べて、飲みまくる会に変わりましたとさ。


「う?ちゃんちょ、さくら、みちぇりゅ!」

『そうだよね~。きれいだね~』


『そうだな。桜も愛でているな』

『ハイ。アトデ、ミツモ、イタダキマショウ』

ぷるる『桜のはちみつ?』

ぷるるん『それは楽しみ』


これは失礼しました。


『『皆さん、届かないものはお取りしますね』』

『もう!大丈夫よ!みんなでやれば!』

『そうだぞ。二人も今日はそんな気を使わないで楽しもう』

『『ありがとうございます』』


ぴゅいきゅい『『おだんごもおいし~♪』』

『『桜餅も~♪』』

『『『さくらいろだね~♪』』』

『花びらがジュースに浮かんでるのだ!』

みゃあ『ジュースもおはなみにゃ!』


『『『ちびっこがかわいいわ』』』

『『同意』』

『プリン、おいし』

『⋯やっぱり月花はプリンなんだ』

『ブレませんね』

『まあ、美味いしな!』


『『『ぽかぽかなんだな~』』』

『ふふ。ぽぽちゃんたち、お昼寝するなら膝枕してあげるわ』

『『『あ、青葉ずる~い』』』

『『『『『『ずる~い』』』』』』


『ほっほ。平和だのぉ』

『そうだの』

きゅるる『平和が一番』

きゅるるん『『『『『『『いちばん!』』』』』』』


『あらあらまあまあ、その通りね』

『そうだな』


みんな、桜の下で自由です!


「さくら~♪さくら~♪」

『あらあらまあまあ、サーヤ』

『ご飯中は歌は無しな』

「あい」


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。私はお花見いけないので、代わりにみんなにしてもらいました。

後ほど、いつもの時間に本編更新します。よろしくお願いします。

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