第423話 先生がいっぱい?

青葉ちゃんたちのことを知って、光の精霊王様は、どはちゅ⋯どはぢゅ

『怒髪天を衝く、ね』

そう、それです。それを突っついちゃったので

『なにか違うわね?』

⋯ついちゃった

『まあ、ひらがなになっちゃったみたいだけど、いいかしら?』

ありがとうございます。

えっと、とにかく、それをついちゃって、怒りが身長?

『怒り心頭ね⋯大丈夫かしら?この子』ふぅ⋯

サーヤはまだ二歳だから大丈夫!『そうねぇ』

多分?

『あらあらまあまあ、自分で多分って言っちゃったの?』

えっとえっと、とにかく、たくさん怒っちゃった

『初めからそう言えば良かったんじゃない?』

知ってる言葉を使いたいお年頃なんだよ

『そう⋯』

そうなのです。


〖よく、会話が成り立ってるわね~。サーヤ喋ってないのに〗

ジーニ様、そこは気にしちゃダメなんだよ。

〖そうね⋯〗

とにかく!たくさんたくさん怒っちゃった光の精霊王様は、そこらじゅうを焦がしちゃったので



『光のお姉様、お怒りになるお気持ちは、よぉく分かりますわ。分かりますが、物事には、限・度、というものがございます。お分かりですか?』

『はいですわ⋯』


今、光の精霊王様は正座して、アイナ様からお説教されています。青葉ちゃんたちは、また小さくなって、じぃじの背中でオロオロしてます。


『まして、ここには強者揃いではございますが、サーヤちゃんたちのように小さい子もたくさんいるのです。お分かりですか?』

『はいですわ⋯』


『更に今、ここは聖域となり、日々、新たな妖精さんたちも誕生しております』

『はいですわ⋯』



「しょうなにょ?」

『知らなかったわねぇ』

〖そうなのよ。見かけたらご挨拶してあげてね〗

「あ~い」

『分かったわ』

サーヤはジーニ様のお膝の上でお返事します。 おばあちゃんはサーヤのお膝の上です。



『生まれたばかりの妖精さんたちが、あんな攻撃に当たったらどうなるかおわかりですよね?』

『はいですわ⋯』

『それに、光だけではなく、雷まで纏わせるとは何事ですか。見てくださいませ。周りを』

『はい⋯』

『そこらじゅう、こんなに焦がしてしまわれて、火事にでもなったらどうするおつもりですか?』

『はい⋯』

『精霊樹だとて、ハチさんたちの巣がございますのよ?何かあったらどうするおつもりですか?』

『はい⋯』

どんどん小さくなる光の精霊王様。いつの間にか語尾の『ですわ』が消えてます。その時


『⋯⋯』そろ~り

『お母様!サボらないでくださいませ!』キッ!

アイナ様、ぐりんっと結葉様の方を向いて怒りました!


『いやぁん。サボってないわぁ』

『たった今逃げようとなさいましたわよね?』

『してないわぁ』

してたよね?サーヤも見たよ。


『結葉様が逃げまくるから、そこらじゅう焦げ焦げにゃ!責任持って治すにゃよ!』

ニャーニャにゃんもお怒りです。


『ああ~ん。アイナとニャーニャがひどいわぁ』

『『ひどくないですわ(にゃ)!!』』

『あぁ~ん』

うん。頑張って治してね結葉様。


『あの、そろそろ、足もですわね⋯?』

その隙にそろーっと逃げ出そうとする光の精霊王様⋯

『お姉様?まだお話は済んでませんわよ?』ギロっ

『は、はい⋯』

『だいたい、お姉様はもう少し周りをですね⋯』

お話はまだまだ続きそうです。


「あいなしゃま、おちゃべり、じょうじゅね~」

全然、突っかからないで、どんどんお話してます。凄いです。どうやって息してるんだろね?

「しゃしゅが、しぇんしぇい」

すごいすごい。


『先生?それより前に、あれをお喋りと言っていいのかしら?』

〖あ~そういえば、前にもアイナとニャーニャはたくさんおしゃべり出来るから、おしゃべりの先生だって言ってたわねぇ。でも、あれをおしゃべりというかは⋯〗

ちらりっ


『だいたいお姉様はですねっ⋯!』

『ごめんなさいですわ~』


〖疑問ねぇ〗

『あらあらまあまあ』

まだおしゃべり続いてます。

「しゅごいね~」

さすがです。

『あらあらまあまあ、おばあちゃんはちょっとサーヤが心配よ』

「う?」

何がかな?

〖まあまあ、いいじゃない?〗

「あい」

『そうかしらねぇ?』

ジーニ様が頭なでなでしてくれていると


『あの、お茶お持ちしました。どうぞ』

『甘いものもお持ちしました。少しおくつろぎ下さい』


山桜桃ちゃんと春陽くんが、お茶とクッキーを持ってきてくれました。サーヤたちお子様にはミルクです。

「あいがちょ~」

二人もさすがです!


『あらあらまあまあ。お手伝いしなくてごめんなさいね。ありがとう』

〖ありがとう。本当によく気が利くわね。あなた達も休むのよ〗

おばあちゃんとジーニ様も感心してます。

『ありがとうございます』

『そうさせていただきます』

もう少し、楽にしてくれていいのにね?


ぱくぱくっ。クッキー美味しいです。ミルクもほんのりハチミツ味です。もう、ほんとにさすがです。

「おいちいね~」もぐもぐ

〖ほんとね~〗もぐもぐ

『ジーニ様、もっと材料を天界に送ってちょうだい』

〖うぐっ〗

「ふあっ」

おばあちゃんが、ジト目。な、気がします。

〖そ、そうね。分かったわ〗

やっぱり気のせいじゃなかったみたいです。


『うん。これで全部治ったかにゃ?お疲れ様にゃ。結葉様』

『ほんとぉ?終わり~?』

『まだにゃよ。ご主人のお説教が待ってるにゃ』

『そんなぁ~』

『そんなぁじゃないにゃ!そもそも結葉様がですにゃ⋯!』


あ、あれぇ?あっちでもおしゃべり

『どう見てもお説教よね?』

〖そうねぇ〗もぐもぐ

おしゃべりが始まっちゃいました。

「しゃしゅが、しぇんしぇいちゃち」

こくこく。みるく

「おいち」ぷはぁ

〖そうねぇ。紅茶も美味しいわ〗ふぅ~


紅茶を美味しそうに飲むジーニ様を見ておばあちゃんが

『う~ん、紅茶のフレーバーも増やしたいわね』

って、考え出しました。


〖フレーバー?〗

『紅茶はね、色んな飲み方ができるのよ』

あ~そういえば、色々やってたね~。たとえば

「しょうが?」

『そうねぇ。生姜は色々と使えるしね』

「ちなもん?」

『シナモンは後でいいから欲しいわね。生姜は育て始めたのよね?』

「あい。かりゃだいいかりゃ」

『そうねぇ、代謝が上がるからね。料理にもいいけど、生姜紅茶は女性の味方だからいいわよね。手軽だし』

「ちょっちょ、かりゃい」

ピリってするの

『そうねぇ?子どもにはちょっと辛いかもね』

〖ちょっと⋯それ、もっと詳しく話しなさい〗

「ふえ?」

『あ、あらあらまあまあ?』

ジ、ジーニ様が

〖代謝?女性の味方?〗

「ふわわわ」

『あらあらまあまあ?えっと?まだ、無理だから、出来たらね?』

〖そう。約束よ?〗

『も、もちろんよ』


おばあちゃんも、さすがです!これがおいちゃんなら、間違いなくこれからが大変でした!

やっぱり

「おばあちゃん、いちばん、しぇんしぇい」

『あらあらまあまあ?ありがとう?』

先生がいっぱいです!

〖ふふ。サーヤにかかればみんな先生ね〗

「う?あい!」

そうかも~


『まあ、その先生たちもそろそろ休憩が必要じゃないかしら?』

〖そうねぇ。そろそろ懲りたでしょうしねぇ〗

「あい。しょだね~」

でも、結葉様はあんまりしないかも?

〖ま、まあ、そこは置いときましょう〗

「しょだね~」


そんなこんなで

〖アイナ、ニャーニャ、そろそろお茶にしたら?〗

『せっかく入れてくれたのに、冷めちゃうわよ?』


『あら、そうですわね。申し訳ございませんですわ』

『山桜桃ちゃん、春陽くん、ごめんにゃ』

『『い、いえ』』

と、ジーニ様とおばあちゃんの声掛けで、ようやく開放された光の精霊王と結葉様でした。


『助かりましたわ⋯』

『疲れたわぁ』

あ、そんなこと言っちゃったら


『お姉様?』

『結葉様?』

『『まだお話が足りませんか(にゃ)』?』

『『ごめんなさい(ですわ)』』


ほらね?あ~あ⋯


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございますm(_ _)m

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