第362話 決着は?

『サーヤっ次よろしくっ』

「あ、あい~」

ただ今、クゥに急かされてます。どうしてこうなった?


〖サーヤ、まずは百個くらい作っちゃいましょうか〗

「ほえ?」

エル様がとんでもないこと言い出しました。

〖それじゃ鬼じゃないのぉ。サーヤがかわいそうでしょ。サーヤ、とりあえず二十個ずつ、五組作りましょうかぁ〗

「ふあ?」

結葉様?それって?

〖結葉、それ、変わらないですよね?〗

だよね?シア様

〖そうですよね〗

『一気に作るよりマシでしょう?』

あわわわわっ なんかバチバチ?


『おっと、ここで本来の競走とは別の争いが起きております』

『まだ、競技は始まってもいないのにね~』

『ちょ、ちょっと止め⋯』

らんちゃんと、なるちゃんの実況を慌てて氷花ちゃんが止めますが⋯

『なぁに?』

〖なんですか?〗


『いえっ!なんでもありません!』

『お続け下さい!』

『うううっ私を巻き込まないで~』

あ~可哀想、氷花ちゃんが結葉様とエル様の迫力に当てられてるぅ⋯らんちゃんとなるちゃんはすごいな~心臓に毛⋯

『『サーヤ?』』

なんでもありません。


『まあ、とにかくスタートは揃えた方がいいでしょう?ドワーフさん達~ちょっと来てぇ?実況さん?ちょっとストップねぇ』

結葉様が動き出しました。


『『『かしこまりました!』』』ビシッ

実況さん?なんで敬礼知ってるの?


『なんだなんだ?』

『まあ、なんの準備もせずにいきなり始まったからね~』

『多少、手伝わないとね~。それに』

『サーヤちゃんが、もう、さっきから小動物がプルプルしてるようにしか見えないしね~』

ドワーフさんたちも集まります。ぷるぷる。


『まったくもぉ~。なんの話もしないまま始めちゃうからサーヤが固まっちゃうのよぉ。かわいそうじゃない。ねぇ?』なでなで

結葉様が優しい。うりゅ~


『ほんとに、お母様はサーヤちゃんに関してはまともになりますわよねぇ』

『全世界が驚くレベルにゃ』

『アイナ、ニャーニャ?どういう意味ぃ?』

『『そのまんまの意味(にゃ)ですわ』』

さすが親子~。認めちゃった~。


『む~。いいわよぉ。それより、始まっちゃったものは仕方ないわぁ。ドワーフさん達に器、お皿でいいかしら?を作ってもらって、そこに石を入れましょう』

「うにゅ?」

『そういうことか』

『そんなことならお安い御用さ』

『幸い、そこに鉄がいくらでもあるからね』

『ちょいちょいっと、作るよ』

結葉様の提案にドワーフさん達が快く了承してくれました。


『それで、初めは一皿に二十個作って、五皿用意しましょう~。次からは、使い切ったチームに順番にお皿を渡せばいいわぁ。クゥもお皿に入ってたほうが楽でしょぉ?』

『そうですね。その方が助かりますね』

クゥも頷きます。


『ほ、本当にお母様なのでしょうか?実は中身は別人なのでは?』よよよ⋯

『ぜ、全世界震撼の衝撃にゃ』よよよ⋯

アイナ様とニャーニャにゃんがよろめいてます。

『失礼しちゃうわねぇ。ぷんだ』

結葉様、よっぽど今まで色々やったんだね。


〖ふむ。確かにそうですね。申し訳ありません。その方が良さそうですね。サーヤ、それで大丈夫ですか?〗

エル様が結葉様の案に賛成しました。なら、サーヤに逃げみ⋯他に道はありません。


「あ、あい。がんばりゅ」

〖ありがとうございます。いい子ですね〗

『じゃあ、仕切り直しねぇ』

と、言うことで、今度はちゃんと準備してから


『じゃあ、位置に着け~用意~』

ばーん!

改めて、はーちゃんの合図でスタートです!


『それぇ~!』ピュン!

『あれぇ~?』

ハクの一発目はゴーレムさんの横をぬけて後ろに行っちゃいました。ぽよ~んと、伸びたアウルがキャッチです。

ぷるっ『どんまい』


他のちびっこたちも


ぴゅい!『それっ!』

きゅい!『それっ!』

『うおっ?うわ?モモ、スイ、なぜ私を狙う?』

ぴゅいきゅい『『あれぇ?』』

アルコン様、双子の後ろにいるのに?


『いくよ~?』

フルーが石を浮かせてフライが『えいっ』

って、飛ばすけど、ゴーレムさんの頭の上を抜けて、

『はいっ』

ぴょんと飛び上がった山桜桃ちゃんがキャッチです。

『『あれ~?』』


『『ん~』』

ヴェルとアーブが二人で石を持ち上げて、フィオが

『えいやっ』

と、飛ばした石は地面に当たって、コロコロ

きゅるる~ん『つかまえた~』

きゅるる~ん『『あ~』』

きゅるる~ん『『『ずる~い』』』

子グモさんがキャッチです

『『『あれ~?』』』


『おっと、残念!』

『一回目はみんな失敗してしまいました!』

『みんな、頑張って~』


〖みんな、落ち着いて、ゆっくり、正確にね。狙いを定めるのよ〗

ジーニ様がゆっくりでいいよって言うと

『は~い』

ぴゅいきゅい『『わかった』』

『『やってみる~』』

『『『やってみよう~』』』

みんな、いいお返事です。


『やる気を出したちびっこたち!』

『可愛いですね~癒しですね!』

『みんながんばれ~!』

そうでしょ?みんな癒しなんだよ~♪


『ほらぁ、サーヤ。ドワーフさんたちも今のうちに作らなきゃぁ。きっと、直ぐにコツ掴むわよぉ』

ハッ!そ、そうか

「あ、あい」

『わ、分かった』

『『『やろうかね』』』

そして、現在


『え~いっ!』ぽいっ!パンっ!

『やった~ぁ』

ハクがしっぽの先に石を乗っけて狙いを定めたら、風魔法でぽいっ。ゴーレムさんがパンっ!ひらひらひら~

『あっ!はい。回収』

フゥが慌てて回収です。

『『『ハク、がんばれ~!』』』

フェンリル一家も応援です!


ぴゅい『えいっ』

きゅい『えいっ』

モモとスイもお手々に持った石を、狙い定めて、ぽいっ

パンっ!パンっ!

ぴゅいきゅい『『やった~』』

『モモ、スイ偉いぞ!』

アルコンパパ褒める!

ぴゅいきゅい『『ほんと~♪』』

『モモ、スイ、双子だからってぴったり揃えなくても~』

ぴゅいきゅい『『えへへ~』』

フゥが大変です。

〖フゥも、頑張って〗

『は、はい』

ジーニ様の喝が⋯


フライとフルー、妖精トリオも、やり方は変えずに狙いを定めて

『えいっ』

『えいっ』

パンっ!パンっ!

『『やった~』』

『『『やった~』』』

『次はぼくね!』

『いいよ!』

『わたしたちも』

『『こうたいだ~』』

成功したら楽しそうに交代し始めました。


『『がんばれ~』』

『『『ふれーふれー』』』

応援団もすごいです!


『お~ジーニ様のアドバイス素晴らしい!』

『みんな調子が出てきたようです!』

『みんながんばれ~!』

実況さんも、盛り上げ始めました!氷花ちゃんは頑張れしか言ってない気がするけど~

『さーやちゃん、しーっ』

はい。


『ほらぁ、今のうちにどんどん作らないとぉ』

『そ、そうだな』

『サーヤちゃん十個ずつにして、皿の数増やそう』

『そうだね。時間稼がないと』

『どんどんスピード上げてきたからね』

ドワーフさんたちもみんなを見て慌てだしました。


『え~いっ』パンっ『やった~』

ぴゅいきゅい『『やった~』』

『『つぎ~』』

『『『きゃはは~』』』


『お~すごいすごい!』

『さすが、将来有望なちびっこ達!』

『山桜桃ちゃんたち暇そうになてきましたね。羨ましい⋯』

氷花ちゃんが、やさぐれて⋯

『なあに?』

なんでもないです。

それにしても、ほんとだ⋯


『「あわわわわわわ」』

みんなスゴすぎです。思わず、クゥとはもっちゃったよ。

『さ、サーヤ、がんばろうな』

「あ、あい」


と、言うことで


『サーヤっがんばれ!次だぞ』

「あ、あい~」

『ひ~』

『若いってすごいね』

『成長早すぎだよ』

『材料がそろそろつきるよ』

楽しそうな向こうに比べこちらは大忙しです!


『私も大変よ~助けて~』

フゥが叫んでますね。ごめんなさい。無理です。

『ひど~い』

ごめんなさい。

『『あわわ、フゥさん、手伝いますっ』』

『山桜桃ちゃん、春陽くん、ありがとう~』

暇になった山桜桃ちゃん達が見かねて助けに入ります。

子グモちゃんたちと、スライムさんたちが、後はまかせて~ってしてます。

勝負も佳境なようです。


『そろそろいいんじゃないかしらぁ?』

〖鉄もアルミもなくなりそうですしね〗

〖そうですね。目当てのアルミホイルもだいぶたまりましたしね〗ニヤリ

〖美味しいもの、沢山食べられるわね~〗ニヤリ

ジーニ様まで、いつの間にかここに。


『か、確信犯ですわ』

『お、鬼がたくさんにゃ』

がくがくぶるぶる

アイナ様とニャーニャにゃんが震える中


『んじゃ、終わりの合図鳴らすぜ』

パン!パパーン!


『おっと!ここで終了の合図です!』

『皆さんお疲れ様でした!集計に入ります!』

『ねえ?これ、競走にする必要あったのかしら?』

氷花ちゃんがごもっともな疑問を⋯もっと早く気づいて欲しかった。

『『楽しいからいいのよ!』』

『そ、そう。み、みんな、お疲れ様でした』


お、終わった~

『よくやったのだ~』

ぺちぺち

あっ、姫ちゃん、いたんだったね⋯きゅうぅ


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます(*^^*)

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