第360話 だいちゃんと、ゴーレムさんが⋯

はふはふ。もぐもぐ。ごくごく。ぷはぁ~


ねっちょり甘々なさつまいもは、やっぱり美味しい~♪

あつあつ。甘々。はふはふ。もぐもぐ。

麦茶~ごくごく。ぷは~。


『はふっ。こりゃ、美味いね~。わたしゃこっちの、ねっとりしたやつがいいね。甘みもいいね』

『それも美味いが、こっちのほくほくの方も美味ぇぞ。ほぁっ』

『この緑茶ってのも美味いね。ずっ』

『ずずっ。この渋みがいいね。芋によく合うよ』


そうでしょそうでしょ。ドワーフさんたちも、わかってくれて嬉しいよ!

でも麦茶も美味しいよ!ごくごく。ぷはぁ~。


〖ゲンはいつ帰ってくるかしらね~。あつっ〗

〖どうでしょうか?羊さんたちは、トレントとマンドラゴラたちが交代で支えてくれてますけど、そんなに長くは⋯はふはふっ〗

〖ドワーフたちに捕まると長そうですが、明日か明後日かと言う所でしょうか⋯ずずっ〗

『え~?それじゃあ、お夕飯と朝ごはんはぁ?はふっもぐもぐ』

『むぐっ。お母様ったら、食材はあるのですから、何とかなりますわ』

『そうにゃ。何とかなるにゃ。ごくごく。麦茶最高にゃ』


みんな、おいも食べて、お茶飲みながらご飯の心配です。

おいちゃんのご飯美味しいからね。きっとみんなおいちゃんの虜なんだよ。

おばあちゃん言ってたよ。



『いい?美味しいもので胃袋掴んじゃえばこっちのもの⋯じゃなくて、みんなと仲良くなれるからね?頑張ってお料理できるようになりましょうね』

「あい」こくこく

『じゃあ、まずは正しい包丁の持ち方からね。いいかしら?ちゃんとおケガしないように、よぉくおばあちゃんとのお約束守ってね』

「あい!」ピシッ!



って。だから、おいちゃんきっと、んと、よりどりみどりってやつだね!

『ゲホッ違うわ!』

違うの?まあ、いっか!

『おい!』

それより今、大事なのは


「おゆうはん、ばーべきゅー、おにく、おやしゃい、てっぱんで、やく。はふはふっ」

大人数なら鉄板大活躍だよ。


『そうですね。あと、ご飯を炊いて、スープを作って』

『サーヤちゃんの好きな枝豆ゆでましょうね』

「あい!えだみゃめ!」

やっちゃ~!さすが山桜桃ちゃんと春陽くんです!ばんざーいっ


『ちょおっと待った!』

「うゆ?」

ドワーフのおっちゃん?どうしたの?枝豆もおいしいよ?


『それも気になるけどな?アルミホイルってやつ使ってなんか出来ないのか?』

「う?」

アルミホイル使って?


『サーヤちゃんがさっき無意識に作ってたやつだね』

『銀色のひらひらだね』

『たしかに気になるね』


アルミホイル⋯アルミホイルで出来るお料理と言えば、ホイル焼き⋯お野菜とろとろ⋯じゅるり。


『お~い。サーヤちゃん帰っておいで~』ゆさゆさ

「はっ。さーや、どこにみょいっちぇにゃい」

じゅるり。おや?なぜ、お口が?


『うん。お帰り』ふきふき

「たぢゃいま?」

おかしいな?どこにも行ってないけどな?


『それで?なんか出来ないのか?(あの顔はあるんだろうけどな)』

おっちゃん?なんか言いましたか?

『なんも?気にするな。で?どうなんだ?』


どうなんだと言われてもね?

「うにゅ~。ありゅけどぉ~。ちゃりにゃい」

ホイル焼き、サーヤも食べたいけど、くるんって包まないとできないからね?一人ずついるなら、すごいいっぱいいるよ?


『ん?足りない?作ればいいじゃねえか?』

『見た感じ、石の種類自体はひとつだったよね?』


そうなんだけどね?


「えっちょ、ありゅ⋯あ、る、み、にう、⋯む、にょ、うしゅい、いちゃにちて、ぷれしゅ⋯すきで、うしゅくうしゅく、しゅりゅにょ」けほっ

難しい言葉だらけで大変です。


『サーヤちゃん、麦茶どうぞ』

山桜桃ちゃんが、すっと麦茶をくれました。さすがの気遣いです。ごくごく。ふへ~

「あいがちょ」にこっ

『どういたしまして』にこ

山桜桃ちゃん、癒しです。ごくごく


『うん?アルミニウムって金属を薄い板状にして、プレス機ってヤツで更に引き伸ばすんだな?』

「あい」

そうだよ~

『あんた、よく解読できたね。まぁいいか。サーヤちゃん、プレス機って何だい?』


「うにゅ?んっちょ?おっきいろーりゃーに、はしゃんで、あちゅりょくで、ひきのばしゅ?」

テレビでやってるの観た気が~。その時、おいちゃんが解説してくれたような?


『大きいローラーに挟んで圧力で引き伸ばす?』

「あい」

そうだよ。テーブルに指で絵を描きます。大きな丸の棒と大きな丸の棒。これが回って隙間からホイルが出てくる?

仕組みはよく分かりません。


『ほ~出来ないこともなさそうだよな?』

『でも、かなり重い金属を使わないといけないね』

『大きさもある程度必要だしね?』

『そのローラーってやつも、よっぽど表面を平らにしないと、恐らく、見えないくらい小さい突起でも命取りだよね』

お、お~よくこの絵でそこまで⋯流石です!


『じゃあ、やっぱり親方たちとゲンを待つようだよな?』

そうだね~おいちゃんなら分かるかも?


『⋯ねぇ、それって要は圧力をかければいいんだよね?』

「うにゅ?だいちゃん?」

突然の登場ですね。


『⋯だったらさ、重力魔法で潰しちゃえばいいんじゃない?』

「うに?」

重力魔法?どうなんだろ?でも~

「おんにゃじ、あちゅしゃ、なりゅ?」

薄さ、とっても大事だよ?クシャクシャしなきゃいけないし、穴空いちゃいけないし。


『⋯どうかな?ちょっと試してみようか。おいで、ゴーレム』

どしんどしんとゴーレムさんがやって来ました。サーヤ立ちを乗っけてくれた優しいゴーレムさんです。


『⋯サーヤ、試しにアルミニウムもらっていい?小さくていいからさ』

「あい。どーじょ」

小さいアルミニウムの塊を渡します。どうするのかな?


『⋯ありがとう。じゃあ、はい。ゴーレム、よろしく』

だいちゃんが、ゴーレムさんにアルミニウムを~


ぽいっ!


「ほえ?」

ぽい?それをゴーレムさんが、いつの間にか四角く平らにしたお手々で~


ぱんっ!


「ほええ?」

ぱんっ?潰しちゃった?


ぐぐぐぐぐ~。ぱかっ!ひらひら~


「ほええええ?」

ひらひら落ちたものを拾い上げるだいちゃん。


『⋯こんな感じ?』

出来上がったのは、おひとり様サイズのアルミホイルです。

「あ、あい。で、できちゃ」

びっくりだけど、だけどぉ


『サーヤの説明は何だったんだろなぁ』

「うっ」

おっちゃん⋯

『一生懸命、おしゃべりしたのにねぇ』

「うにゅっ」

おかみさん⋯

『むせるまで頑張ったのにねぇ』

「うぎゅっ」

やめてください⋯

『絵まで書いたのにね~』

「ふぎゅっ」

ううううっ⋯

『『『『あっという間に解決しちまったな(ね)』』』』

「ふぎゃあっ」

そんなぁ、頑張ったのに~ぃ


『⋯なんか、ごめん?』

『⋯⋯⋯』ぺこりっ

だいちゃんと、ゴーレムさんに謝られちゃいました。

いいのです。アルミホイル出来たんだから⋯。しくしく


『⋯ごめん?』

『⋯⋯』ぺこぺこ


アルミホイルでホイル焼き、決定です。


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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