第328話 新たな問題発覚!

おいちゃんが、おいちゃんが、誘拐されちゃいました。


「お、おいちゃんっ、おいちゃ~んっ!」

おいちゃんが、どっか行っちゃった~!


『くすくす。サーヤちゃん、大丈夫ですわ。すぐに戻ってきますわ⋯多分?』


「た、たぶゅん?」

アイナ様?最初笑いながら大丈夫言ってくれてたのに、多分?うりゅう~


『い、いえ、大丈夫ですわ、大丈夫なのは大丈夫なのですが、別の意味で大丈夫かどうか急に大丈夫じゃないかも?と思ってしまったといいますか⋯ええと、だ、大丈夫ですわ!多分⋯』


「うにゅ~?」

しどろもどろなアイナ様。なぞなぞ~?多分~?うりゅう~


『サーヤちゃん泣かないでにゃ~。ご主人、それはちっとも大丈夫に聞こえないにゃよ』

みゃ~『おおきいごしゅじん、こわれたにゃ?』

ニャーニャにゃんとココロもそう思うよね?


『アイナ~、何を思いついちゃったのぉ?吐きなさぁい』ふ~っ

『ひゃあ!?』ぞくぞく~っ

結葉様がアイナ様の背後から、首すじに息をふーって吹きかけながら聞いてます。


『お、お母様!やめてくださいませ!何をなさるのですかっ』さささっ


ちょっと飛び上がって驚いたアイナ様、首のところぺぺぺって払ってます。分かる~ぞわわってするよね。


『だから~ちゃんと説明してくれればぁいいのよぉ』うふふ

結葉様、楽しそう


『うっ。い、いえ。ゲンさんは大丈夫なのですが、あちらには鍛治に関してはこだわりを持つ方ばかり。ゲンさんの技術を見た方たちが、ゲンさんを無事に返してくださるか、ちょっと気になってしまいまして⋯』


「ふあ?」

お、おいちゃん帰ってこない?

言いにくそうするアイナ様から飛び出した言葉には、不安になる要素がいっぱい⋯


「お、おいちゃ~ん!おいちゃ~ん」

うわ~ん!やだよ~。帰ってきて~


『あっあっ大丈夫ですわ!サーヤちゃん、ごめんなさいですわ!』

『そうにゃ!ゲンさんは帰って来るにゃ!』


おいちゃ~んっ!


〖サーヤ、大丈夫よ。ゲンが帰ってこないわけないでしょ〗

ひょいっとジーニ様に抱っこされました。背中ぽんぽんしてくれます。

〖そうですよ。今のゲンさんの一番はサーヤですもの。心配いらないわ〗

シア様も心配いらないって言ってくれます。

〖まったく、アイナ。サーヤを不安がらせてどうするんですか〗

『す、すみませんですわ』

エル様がアイナ様を叱ってます。


「おいちゃん、かえってくりゅ?」ぐすんっ

ほんと?

〖もちろんよ。すぐ帰って来るわよ。だから、みんなと待ってましょうね〗


「あい。まってりゅ」こっくん。

わかりました。でも、嘘ついたら針千本だからね?


〖いい子ね〗

頭なでなでされました。みんないてくれるから、がんばって待ってるよ。



『よし!それじゃ、ジーニ様、工房と家を建てたいんだけど、どこならいいかな?女衆も機織りとか、染め物とかするところがいるんだよな?』

『もちろんさ!』

『広い作業場がいいねぇ』

『集会所もいるさね』


機織り?ぎっこんばったん?


きゅるる『機織り?染め物?私たちにも教えてくれる?』

きゅるる~ん『『『糸だせるよ~』』』

きゅるる~ん『『『『やくたつよ~』』』』

「さーやみょ、ぎっこんばったん、できりゅ?」


機織りと染め物と聞いて絹さん親子も興味津々!サーヤもぎっこんばったんやってみたいな~


『おや!クモさんたちも手伝ってくれるのかい?』

『サーヤちゃんもかい?』

『そりゃ大歓迎だよ!』

おかみさんたちはニコニコして大歓迎だって言ってくれました。


きゅるる『本当?』

きゅるる~ん『『『『『『『やった~!』』』』』』』

「やっちゃ~!」パンっ


サーヤのとこまでジーニ様を登ってきた子グモさんたちとハイタッチです!


『んじゃあ、ちびっこ用の機織り機も作んねぇとな!まかせとけ!』

ドワーフのおじちゃんもニコニコです!


「あいがちょう!」

きゅるる~ん『『『『『『『ありがとう~!』』』』』』』

『おう!お安い御用だ!』

わ~い♪


〖ふふ。ご機嫌は治ったみたいね。良かったわ〗

ジーニ様が頭なでなでしてくれます。

「あい!」

楽しみだね!ぎっこんばったん!


『それで、ジーニ様。いかがいたしましょう?親方たちのあの調子ではけっこうな人数がこちらのお世話になりそうですわ』

『そうなると、小さな集落位にはなってしまうにゃ』

『そうさね~。家の他に鍛冶場に工房もあるしね』

『結構な音と煙が出るだろうから、泉からは少し離した方がいいかもしれないね』

『それに、きっとアイナ様の別邸も建てるつもりだろうしね』


お~いっぱい来るんだね?


〖そうねぇ。畑とは反対側の森をもう少し切り開いて、ドワーフの集落にするようかしら?ギン、どう思う?〗


ジーニ様がギン様に聞きます。そうだよね、この森の主はギン様だもんね!


『そうですね。ただあちらには水源がなかったはずなので、また青葉たちに頼まないといけないかと』

『それでしたら、私と大地がお手伝い出来ますよ』

『⋯そうだね。それに力仕事はそこの筋肉バカが担当するし』

『バカとはなんだ!筋肉は偉大なんだぞ!まあ、手伝うのはいいぞ!』

みーちゃんたちも協力してくれるって!


『おお~。精霊様方が手伝って下さるとは心強い!ありがとうございます!』

ドワーフさんたちニコニコです。


そうだ!木のことなら

「とれちゃ~ん!」

おいちゃんいないけど、トレちゃんなら⋯


ドシーンドシーン

「とれちゃん!あにょね?どわーふしゃんちゃちにょ、おうち、てちゅだって!」

さわさわさわさわ。ふむふむ。お~!

「あいがちょ!」

手伝ってくれるって!


『手伝ってくれるのか?そりゃ助かるな!ありがとよ!』

さわさわ

「いえいえ、ゆっちぇりゅ」

『そうか!』

みんなニコニコです。


『⋯アイナ様。ドワーフの工房は石のがいいんじゃない?』

『そうですわね。たしかにそうですわね』

『⋯だよね?じゃあ。おいで』

ごごごごごご


「ふあ?」

おいで?

『なになに~?』

ぴゅいきゅい『『ぐらぐら~』』

『『地面が揺れる~う』』

『『『とべばだいじょうぶ~』』』

みゃ!?『ずるいにゃ!?』


ごごごごごごご

『⋯大丈夫だよ』


大ちゃんが大丈夫って言うと、大ちゃんの隣に大ちゃんより大っきな何かが


「ふわ~あ」

『おっき~い』

石でできた大きなお人形さん?


ごごっぺこり


「ほえ~」

お辞儀した?


ぴゅいきゅい『『うごいたよ?』』

びっくりです!


『⋯ゴーレムだよ。僕の友達みたいなもんだね』

「ごーれむしゃん!」

すごいね~。


ごごごごっ


〖サーヤ、ゴーレムさん乗せてくれるみたいよ?〗くすくす


「ほえ?」

ジーニ様がくすくす笑いながら、ゴーレムさんが差し出してくれた手の平に、サーヤを乗っけてくれました。そしたらゴーレムさん、そのまま肩に乗っけてくれました!


「ほわ~!」

高い高い!


『⋯力持ちだからね。ゲンがいないから、代わりに石を掘り出してもらおう』

「わ~だいちゃん、ごーれむしゃん、あいがちょ!」


『⋯べつに』

ごごっくねくね


『照れてますね』

『照れてるな!ワハハハハ』


『⋯ゴーレム、あの二人遊んでやって』


大ちゃんの言葉で、ごごごっと優しく、サーヤを地面に下ろしてくれたら


ごごっ どっこん!


『わー!何するんですか!』

『おい!やめろ!』

ゴーレムさんがみーちゃんたちを襲ってます。

ごごっ どっこん!


『『うわ~』』

あ~頑張ってぇ。


『ま、まあ、とにかく、よろしく頼むわ』

そんなこんなで、建設開始です。


つんつん⋯ん?

『サーヤちゃんサーヤちゃん』こそっ

『大変です』こそっ

山桜桃ちゃん、春陽くん?


「どちたにょ~?」

『『しいっ』』パシっ

『お静かに』

『大変です』

こくこく。どうしたの?


『ゲンさんはいつ戻るか分かりません』

うん。そうだね。

『そうすると、大事件です』

え?何が?二人ともすごく真剣です。


『『ご飯がありません』』

え?

『ですから、ご飯がないんです』

『いつも、ゲンさんが作って、私たちはそのお手伝いです』

『作り置きのほとんどは、ゲンさんのインベントリの中で』

『冷蔵庫と冷凍庫の中は、ほとんど素材と、オコジョさんたちのご飯です』


ふお~?そ、それは


『『どうしましょう?』』


ふあ~?大変だ~!どうしよう?


「ご、ごはんが~あああ!」

『『ああっ!』』パシっ

『サーヤちゃん、ダメです!』

『そんな大きな声を出したらっ!』

ふあっ


〖もう、遅いわよ〗

『しっかり、聞こえたわぁ』


『『「あ⋯⋯」』』

恐る恐る声のする方を見ると


『『「ひいっ」』』

皆さんがずらりと⋯


『だ、だから⋯』ぶるぶる

『お静かにと⋯』がくがく

「ご、ごめしゃい」がくぶる


し、しまった⋯


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございますm(*_ _)mフォローなどありがとうございます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る