第277話 お話しましょう

あ~美味しかった!食後の緑茶が欲しいけど、おいちゃんが『明日な』って、言ったので、今日は我慢です。


『ふう。美味しかった』

雪の精霊さんがお腹を擦りながら満足気に言います。


「おいちかっちゃ?」にこ

『うん。こんなに美味しくて楽しい食事は初めてだった』にこ

「よかっちゃ!」

ニコニコです。でも、


「どちちゃの?」

『雪の精霊様、どうしただ?』

『おなかいたい~?』

ぴゅいきゅい『だいじょうぶ?』


『······』

急に雪の精霊さんのお顔からニコニコが消えちゃいました。ちびっこ達と、ぽぽちゃんたちも心配してます。でも、雪の精霊さん、黙っちゃいました。


『ん。大丈夫。本当に楽しかった。こんなこと初めて』

ようやく静かにぽそっと呟く雪の精霊さん。ちっとも大丈夫じゃなさそうだよ。


『雪の精霊さん?よかったら、話してみないか?大した力にはなれないだろうが、気持ちは楽になるかもしれないぞ』

何だかとっても悲しそうな雪の精霊さん。おいちゃんが話してみてって、お話ししてくれないと分かんないもんね。すると


『そうよ。たまには、溜め込んでるもん吐き出したら?雪の。あんたは溜め込みすぎよ。闇のといい勝負』

急に現れた風の精霊さんが言います。闇さんもいるの?

『そうね。さあ、吐いちゃいなさいな』

雷の精霊さん

『私が代わりに愚痴りましょうか?私だって似たようなものよ?』

氷の精霊さんも来ました。美人さんに囲まれちゃいました。ポカンっとちびっこ達とぽぽちゃんたちと見上げてると


『うふふ。ほんとに可愛い♪私たちもここに居座っていいかしら?』

『そうね~。私たちの方がギン達とも付き合い長いし』

『吹雪もここにいるなら連絡係は必要ないしね~』

『確かに。なにより』

『『『『美味しいの、幸せ♪』』』』


ちょっとごめんなさいね~と、言いながら、おしりをクイクイさせてコタツに割り込…入って来ました。

そしてサーヤはなぜか風の精霊さんのお膝の上です。頭にほっぺたすりすりされてます。


『ん~ぷにぷに~可愛い~♪気持ち~♪』

『ずるい~。でもこの子ももふもふ~。んん~♪』

『後で交代してよね~。ああん、でもこのお腹のぷにぷにもくせになるわ~♪』

『ん~みんな試さなきゃ』

『『賛成~』』


「ふおお?」

『に、にいちゃん、ちいにいちゃん、たすけてなんだな』

『『なずな~』』

ぴゅいきゅい『『いや~ん』』

『モモ、スイ~』

サーヤだけじゃなくて、なずなちゃんとモモとスイも捕まってお膝の上で、すりすりむにむにされてます。でも、分かります。もふもふは最高だし、モモとスイのお腹はポンポコリンのむにむになんです。

え~と、そうじゃなくて、なんか大事なことお話してたよね?


『それで、雪の精霊さん?話してみる気になったか?』

おいちゃんが、話を元に戻しました。

そうです。みんなが雪の精霊さんを見ます。


『…雪をあんなに喜ばれたのは初めて。雪はいつも恐れられる』

どういうこと?


『あのね?サーヤ、雪のと私はね、直接、人々の命に直結するからよ』

氷の精霊さんが言います。やっぱり悲しそうです。


『もちろん雪も必要。氷もね。暖かくなり溶けだした雪や氷は水となり地を潤し、田畑を潤し命を繋ぐ。けど』

『人はいい所よりも悪いものを見るのよ。寒さは人を凍えさせるでしょう?』

『吹雪や雪崩となればその場で命を落としかねないでしょう?』

氷と雪の精霊さんたちが寂しそうにいいます。でもでもっ


『みんな必要な物なのにな。あとは、付き合い方ひとつで変わるはずなんだがな』

「さーや、ゆきみょ、こおりみょ、すち」

おいちゃんと、おばあちゃんとよく遊びました。


『ふふ。それはさっきの様子で分かった。嬉しかった』

『ええ。とっても楽しそうに遊んでたわね。ちょっと妬けちゃったわ』

雪も楽しいけど、氷だって楽しいよ。


『氷でもな家を作ったり、彫刻作ったり、遊んだり、スポーツ競技だってあるしな。あとは食べて楽しむことだって出来るんだぞ。な?』

「あい!」

おいちゃんの言う通り!

あと、おいちゃんの好きなワカサギ釣りも氷の上だよね!


『ほんとに?』

『そんなことが?』

二人は信じられないみたいです。それなら、


「えっちょ、てんねんにょ、れいぞーこ…えっちょ~」

なんだっけ~

『室な。氷室とか、雪室。よく覚えてたな。偉いぞ!サーヤ』

「えへへ~」

誉められちゃった♪


『なに?それ』

『何ですか?』

雪と氷の精霊さんが聞いてきます。


『生きる為に編み出した先人の知恵ってやつだ。野菜とか食材っていうのはな、ある一定の温度以下では、長期間保存することが出来るんだ。それを可能にするのが、雪や氷なんだよ。な?』

「あい!」

そうだよ!


『『え?』』

雪の精霊さんたちびっくりお目目です。


「ゆきのちた、おやちゃい、おいちい!こおりのおへや、れいぞーこ」

『そうだな。雪の下の野菜は甘くて美味いよな。氷の部屋は冷蔵庫にも冷凍庫にも使えるな』

「あい!」

お役立ちです!


雪の精霊さんたちボーゼン

『雪や氷が』

『人を助ける?』

そうだよ!雪や氷じゃないと出来ないことたくさん!


『それに、寒ければ、少しでも暖かくする工夫をするしな』

「おこた、かいろ、おふりょ」

色々あるよね


『さっき言ってたカイロとかね』

風の精霊さんが話し始めます。さっきまでと違って、真剣なお顔です。


『私たちはね、ほんとは勝手な人間やエルフどもが、どうなろうが構わないの。でもね仲間が不当に悪く言われるのは嫌なの。あなた達のように、自然を理解し受け入れ、上手く付き合える人が増えれば、仲間をひどく言う者が減ると思わない?』

風の精霊さんが悔しそう…


『私たちも昔は人に力を貸したりしたのよ。友達としてね。でもね、いつしか奴らはこう言うようになったのよ』

雷の精霊さんが静かに怒ってます。なんで分かるか?空気がパリパリってしてるからです。

『馬鹿の一つ覚えみたいに『一人では役に立たないお前たちを使ってやってるんだ。感謝するんだな』ってね。しまいには私たちを見ることも出来ないのに、契約で縛り付けて、無理やり力を奪う者まで出てきたの』


「うにゅ~」

そんなの酷い!みんなも

『そんな~』

ぴゅいきゅい『『ひどい~』』

『『ぼくたちはそんなことしないよ~』』

『『『ぜったいしないよ』』』

そうだよね!


『みんなありがとう。そう、酷いでしょ?それでね、私たちも嫌気が差して、この森に来たってわけ。でもね、嫌なヤツらばかりではないことも知ってるのよ。そういう人たちは無事でいて欲しいと思うのよ』

『『うん···』』

そんな酷い目にあったのに、みんな優しいね。


『難しいな。そういう人たちだけに知恵を与えても、今度はその人たちが利用されるかもしれない。中には人が変わってしまう者も出てくるかもしれない』

おいちゃんが難しい顔をしています。


『そうね。無いとも言えないわね』

みんな静かになっちゃいました。

でも、サーヤいっこ気づいたんだ。


「せいれいしゃんちょ、ようせいしゃんは、みんなが、いきるにょに、ひちゅよう。だいじ、だいじ」


『『『『……!!』』』』

精霊さんたちがなんだかびっくりしたお顔してます。そんな驚くようなこと言ったかな?


『そうだな。精霊や妖精がいるから、みんな生きられるんだよな』

「あい!」

おいちゃんが頭なでなでしてくれます。えへへ


『闇の精霊さんも、きっと雪と氷の精霊さんと同じ感じなんだろうな。闇は暗くて先が見えないなんて奴いるが、明るいだけじゃ、植物も動物も人だって生きられない。夜という闇があるから休めるし、植物だって成長する』

「よる、ないちょ、ごはん、ないない」

『そうだよな。食べるもん無くなるな』

「しょりぇに、よる、にゃいちょ、おほししゃま、みえにゃい」

『そうだな。闇があるから星も月もキレイに見えるんだもんな』

「あい!」

夜だって大事、大事。


『…そんなこと、初めて言われた』

え?誰?どこかから声がしてキョロキョロ

すると、空中にスーッと黒髪に黒目の妖精さんが現れました。


『闇の。やっと来たのね』

風の精霊さんが言いました。闇の?それじゃ


『そう。彼女が闇の精霊よ』


やっぱり。それにしても、やっぱりやっぱり


「きりぇ~」

精霊さんは女の敵ばっかりなんだね


『え?それも初めて言われた……』


さっきまで寂しげなお顔をしてた新しい女の敵さんが、ぽかんとしたお顔のまま空中に浮いてます。


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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