ゲット!!

廣嵩

第一章

Alla Inzaghi

『Alla Inzaghi』

この言葉をご存知だろうか?


日本語に訳出すると『インザーギ流』

かの有名なイタリア人FWフォワードフィリッポインザーギのようなプレースタイルを指す言葉だ。

DFディフェンスの裏に飛び出してボールをもらいゴールを決める。こぼれ球に反応して泥臭く押し込む。

そんなプレーだ。

日本人選手なら元日本代表の佐藤寿人や岡崎慎司が該当するだろう。


そしてここにAlla Inzaghiが1人

彼の名前は渡貫大生わたぬきたいせい。FW志望の青年だ。


平均より少し低い身長

細い身体

お世辞にも上手いとは言えないドリブル

体格的にも技術的にも秀でたもののない彼は生き残るためにオフ・ザ・ボールの動きとシュート精度を徹底的に磨き上げた。

そして彼は得点を量産したのだ。


しかし……彼の評価は高くなかった。


理由はいろいろある。


1つとして彼の得点の大半がワンタッチゴール、つまり『決めて当然』のシチュエーションが多かったこと。決定機を決めきることは重要だ。そのことは過去の日本代表の試合を見れば明らかだろう。師匠、QBK、etc……上げ始めたらきりがない。そう考えると彼は優秀なFWなのだろう。しかし、あまりに華がない。まるで的を射るように得点を重ねる大生には誰の目も向かず『簡単な仕事』で片付けられてしまう。特に彼がいるチームならなおさら……


そう、1つ目の理由はおまけに過ぎない。最大の理由は、大生の親友にして好敵手、そして理解者、天才と名高い前川駿介まえかわしゅんすけの存在だった。






後書き(補足)

鈴木隆行さんも柳沢敦さんも素晴らしい選手であったことを補足しておきます。個人的にワールドカップで一番好きなゴールは鈴木さんのベルギー戦のゴールです。

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