第35話 ポンコツとわんちゃん
さぁ~て前回のワンチャン最強物語は!
・俺氏ヤンデレになる。
・ごぶ助が生きていた!
・俺はそれがうれしくてごぶ助の石像の前で「バンザーイ」と言って、バンザイしていた。
の3本です。
決して感極まって犬みたいに何かをペロペロ舐めてません。本当です。
(そレで一狼様?ごぶ助様かラ美味しイ味はしタのですカ?)
「(ナンノコトダ?)」
ポンコが何か言ってきたがナンノコトカワカラナイナー。
それよりもごぶ助だ!この状態で本当に生きているのか・・・?
「(なぁポンコ?この状態でごぶ助が生きているのって本当なのか・・・?)」
俺はポンコに尋ねてみる。するとポンコはまた黙ってしまい、10分ほど経った後に話し始めた。
(はイ、マだ星へ還っテはいマせん。たダ、ごぶ助様の現在ノ状態を解析シた所、高位の「呪い」にヨり石化状態ニなっテいマす。そレに石化状態ガ解除さレても重症を負ってイルので、石化を解除しタ後直ぐニ星へ還ル事になルでショウ。加エて言うト石化の呪いガ進むト、石が風化シて塵ニなりマス)
「(なっ・・・!・・・いや、そうか・・・)」
ポンコが調べてくれた事を聞いて、俺は「何だそれは!?」と叫びそうになったが押し止まり、喚くより考えることにした。
少し考えた後に、ポンコに質問することにした。
「(なぁポンコ?ダンジョンの機能で石化を解除して、さらに傷の治療はできないか?元の・・・元気に外を駆けまわっていた、そんなごぶ助に戻してやりたいんだ!)」
(そウですネ、確認いタしマス。・・・質問の解を検討開始。検討中。検討終了。)
ポンコは少しの間確認モード?に入っていたが、それが終わったみたいだ。俺は一縷の希望を抱きながら、その答えを静かに聞いた。
(お答しマス。答えハ、現在の迷宮デは、元ノ元気で外を駆けマワっテいたごぶ助様ニは戻す事ハできマセン。)
俺は期待していただけにがっかりした。とりあえず追加で色々聞いてみる事にした。
「(そうか・・・。ちなみになんだが、それは何でだ?)」
(はイ、お答エしマス。石化の方でスガ、こレハ高位の呪いにヨるモノデス。解除スるニは高位ノ『神聖魔法』にヨる解呪カ、『エリクサー』を使ウ必要がありマス。傷ノ方も同ジく、高位ノ『神聖魔法』にヨる治療カ、『エリクサー』を使ウ必要がありマス。)
「(なるほど・・・。ポンコは「現在の迷宮ではできない」と言ったけど、後々『エリクサー』とか作れるようになるのか・・・?)」
(『エリクサー』の生成ハ、デきる可能性ハありマス)
「(本当かっ!?)」
俺はまた希望の光が差した気がして、ポンコの話の続きを待った。
(はイ。しカし恐らク不可能デス。『エリクサー』ガ生成でキル迷宮ハ『神造迷宮』クラスでス。そこマで、このポンコノ迷宮ガ育テば生成デきるノですガ、可能性ハ極少デス。なンせこノ世界ニ数あル迷宮デも4つシかナイ、そンなレベルの迷宮なノデス。モし『神造迷宮』クラスにナれるとシてモ時間ガカカるので、ごぶ助様はそノ頃にハ塵とナっていマス)
「(そうか・・・。いや!ならその『神造迷宮』とやらに行って『エリクサー』を取って来ればいいんじゃないか!)」
俺は『エリクサー』という希望の光を逃したくなくて、生成できないなら取って来ればいいじゃない!と考えて、その『神造迷宮』とやらに行こうとする。
俺にはユニークスキルの『ワンチャン』があるしどうにかなる!そう信じてスキルを発動させ、迷宮を出て行こうとした。
「(ポンコ!俺、その『神造迷宮』とやらに行って『エリクサー』を取ってくるわ!その『神造迷宮』ってどこにあるんだっ!?)」
ポンコから『神造迷宮』がある場所を聞き出そうとした。それにポンコは答えた。
(はイ、『神造迷宮』は・・・、コの大陸ニはありマセンネ。別大陸ニありマス)
「(・・・え?なんだって?)」
俺はポンコから『神造迷宮』の場所を聞いたが、その事実に一瞬思考が停止し、鈍感系主人公みたいなセリフを吐いた。
(はイ、『神造迷宮』はコの大陸ニはありマセン。別大陸ニありマス)
しかしポンコにはそれがまったく通用せずに事実を繰り返し伝えられた。
「(ま・・・まじか・・・。で・・・でも別大陸にも結構簡単に行けたりするんだよな?な!?)」
俺は悪あがきのようにポンコに聞いた。
(・・・。龍脈より星の記録へアクセス。大陸間移動の情報を取得します。取得しました。いエ、大陸間の移動ハ難シいラしいデス。海中・海上の両方ニ、海中にアる『神造迷宮』より魔物が溢レ出していル為に移動が困難デス)
ポンコより聞かされた情報により、俺はまたもや気分が沈み込む。
俺は短期間に感情が振れ過ぎているためか、何か変な気分になってきた。
「(へへへ・・・、そっかぁ~。無理かぁ~。ならもう仕方ないよなぁ・・・?ごぶ助ぇ?お前の魔石取り出して供養してやるからなぁ?俺が一生大事に魔石を守ってやるからなぁ~?毎日ペロペロしてピカピカに磨いてやるからなぁ~~~?)」
(やハり、ごぶ助様は美味シいのでスカ?それナら、ごぶ助様を『守護者』とシて登録シて生身を味わっテハ?)
「(あぁ~、そうだなぁ~~!やっぱりごぶ助は生で味わうに限るよなぁぁぁ?)」
俺の思考がバグり始め、ごぶ助を味わうと言っていると、ポンコがそれについてアドバイスしてくる。俺はそのアドバイスを受けて、それがいいと思っていたが、聞いた内容に疑問を抱き段々と思考が戻ってくる。
「(お れ は し ょ う き に も ど っ た ぞ 。・・・じゃなくて、なぁポンコ?)」
(はイ?何デしょウ?)
俺はポンコが何でもない様に言った言葉について問う。
「(何か今さっきおかしな事言わなかった?何か登録して生身に戻すとか?俺の聞き間違い?)」
まさかだよな?今までどうすることもできない、もうごぶ助は無理だって言ってたよな?嘘なの?嘘だったの??
俺は複雑な心境でポンコの言葉を待った。するとポンコはまた何でもない様に言う。
(はイ、ソう言いましタヨ?)
俺 の 怒 り は 有 頂 天 !!!
「(オィィィイイイイイイイ!?お前ナメテンノカァァァアアア!?どうすることもできないって言ったジャネェェカアァァア!?ハイスラクラワスゾオォオ!?)」
俺の言語はバグっていた。そして元からバグっているポンコツはこう言う。
(いエ?言ってマセんヨ?「元ノ元気で外を駆けマワっテいたごぶ助様ニは戻す事ハできマセン」とハ言いマシたガ、生身ノ状態ニは戻せマスヨ?)
「(ポ・・・ポンコツウウゥゥゥウウウウ!!!)」
(いエ、自分ノ名前はポンコでスヨ?)
こ・・・このポンコツどうしてくれようか!!!いや、落ち着くんだ俺・・・クールになれ・・・クールに・・・・・・・・ヨシ。
「(ポ・・・ポンコさぁん・・・?それでぇどうやって生身に戻すんですかぁ?『守護者』ってなんですぅ?さっさと教えてくださりやがレェ?このおポンコツゥ?)」
俺はクール、かつとても優しく、それでいて上品にポンコに聞いた。それに感銘を受けたポンコは、いつも通りにポンコツ語で喋りだした。異論は認めない。
(いエ、自分の名前はポンコデス。『守護者』ニ登録しテ生身に戻すニついテ知りたイのですネ?はイ、お答えします)
融通の利かないAIみたいな答え方をしたポンコの話を静かに聞く。
(そレでハ、『守護者』ニついテお話ししマス。『守護者』トは・・・)
「(『守護者』とは・・・?)」
ポンコは勿体ぶる様に言葉を切った。結構重要な事なのか?俺はゴクリと唾を飲み続きを待つ。
(『守護者』トは・・・『守護者』・・・・『守・・・・ia:nerik rkndafuwpagpr:eaij:d:njgkra)
「(やはりこいつはただのポンコツ・・・)」
俺はバグり始めたポンコツコアにため息を吐く。だがごぶ助を復活させるにはこいつに話を聞かなければならない。その為、俺は根気よく『守護者』とやらをポンコに問いただしていった・・・。
・
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「(なるほど・・・大体わかった)」
俺は何とかポンコから『守護者』について話を聞き出した。まとめるとこうだな。
・『守護者』とは名前の通りダンジョンを守護する者。
・前に名前を登録してダンジョンに正規登録をしたがあれとはまた違うらしい。
・メリットとしてはダンジョンに接続されている龍脈の恩恵が受けられるらしい。
・デメリットはダンジョン外へ出れないらしい。
俺が時々壊れるポンコから聞き出せた『守護者』についての情報は以上だった。
「(んで、ごぶ助を『守護者』にして、龍脈の恩恵とやらで石化と傷をどうにかする、そういうことなんだな?)」
(はイ、ソうでス)
俺がごぶ助を助ける為の結論をポンコに問うと、ポンコはその結論に同意した。
デメリットとしてダンジョンの外に出られないらしいが、このまま死んでしまうよりかはよっぽどいい。復活したごぶ助がそれに怒ったら、俺はそれを甘んじて受け入れようと思う。怒ったとしても、もう一度話しかけてくれたらそれでいいのだ。
俺は一度だけ深呼吸をして、心を落ち着かせた。そしていよいよそれをする為にポンコに話しかける。
「(よしポンコ!ごぶ助の『守護者』への登録を始めてくれ!)」
俺は努めて冷静にポンコへ合図する。頼むぞポンコ!ごぶ助を生き返らせてくれっ!
(はイ、登録作業を始めマス。迷宮の正規登録者より『守護者』の登録申請を確認。
申請受諾。個体名『ごぶ助』の『守護者』への登録を開始。)
俺は祈った。『ごぶ助!頼むっ!戻ってきてくれっ!』と。
(登録を開始。・・・登録をかい・・・登ろ・・・weom sidhfiwnefuelsid)
「(ちょ・・・!嘘だろっ!?)」
ここに来てポンコが壊れ始める。だが俺にはどうすることもできない。
「(あ・・・あぁ・・・たのむ・・・。たのむよぉ・・・神様ぁ・・・ごぶ助を・・・ごぶ助を・・・)」
俺は壊れ始めたポンコを見ながら祈った。
前世の地球の神に祈る。転生した時にあった神様に祈る。すでに使ったユニークスキルに祈る。
そして、『家族と村の皆は失った。だけど、まだ残っていた最後の希望、俺の相棒だけは助けてくれ!』そうやって、俺とごぶ助の絆と運命に祈った。
(mira@riergihg・・・登録を完了。個体名『ごぶ助』を本迷宮の『守護者』に設定完了。『守護者』の身体に異常を確認。龍脈より魔素を使い異常を修正。修正完了。『守護者』への登録作業終了します。)
ポンコがそう告げた後、ごぶ助の石像がカッと強い光を放った。
「(あ・・あぁ・・)」
何かに祈りが届いたのか、それはわからない。
「ごぶ・・・、ごぶ・・・?」
だがわからなくっていい。シンプルに一つ、もっと良い事がわかればいい。
「(ご・・・ごぶ助ぇぇぇぇ!)」
「ごぶっ!?」
そう、ごぶ助が無事生き返った事がわかればそれでいい!!
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作者より:読んでいただきありがとうございます。
皆様のおかげで、また一日のPV数100を突破しました!ありがとうございます!
どうぞ皆さま、これからもよろしくお願いします!
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☆や♡をもらえると 作者が、F○やりだします。
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お詫び:34話の文字を微修正しました。最後の辺りの 星へ「帰る」→「還る」
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