第42話帰宅

「いや~。なんだかんだで、やっぱ自宅が一番だね!」


長い旅行が終わり、ようやく自分のベッドに着いた。

早速、ベッドにダイブ!


「ミレーナ様!!先にお風呂へ行ってください!!」


サラは帰ってきても、通常運転だ。

サラはこうでなくてはな。


「今日ぐらいは多めに見ておくれよ。如何せん疲れた」


コンコン


「レーナ、着替えがすんだら私の所へ来なさい」


ああ、お説教かね。

しょうがない。もう覚悟していたことだ。

もうひと仕事頑張ってくるかね。



「レーナ、僕が言いたいこと分かってるよね?」


着替えを済ませ、兄様の執務室へとやって来た。

ソファに座り、目の前には兄様。

分かっておりますとも、説教を聞きに来たんだからね。


「はい……。今回の件、兄様及び屋敷の者達にまで迷惑をかけてしまって、大変申し訳ありませんでした。叱られる覚悟は出来ております」


「それはもういいよ」


他かい!?これだと思ったんだけどねぇ……。


「あっ、もしかして傷の事ですか?」


あと思い浮かぶのはこれしかないんだけど。


「それは勿論だけど、それじゃない」


「すみません、思い当たらいのですが……」


ダンテらの事でもない、傷の事でもない、後何かしたか?


「……三人から求婚されたらしいじゃないか」


それか!!せっかく忘れてたのに、思い出せやがって。

でも、それ説教事案か?


「まったくレーナは僕のものなんだから、軽々求婚なんかされたらダメだよ?」


いや、それは無理じゃないか?

こっちも不可抗力だ。


「いいかい、レーナは結婚なんかせずこの屋敷に僕と居ればいい。僕もこの間の件で結婚はしないと決めたからね」


この間の件……。ソニアか。

ま、婚約者があんな事件を起こせばトラウマにもなるだろう。

しかし結婚はしないにしても、私はここを出る予定だからね。

今回の旅で色んな人間が見れた。

私はこの世界の色んな場所を見てみたい。

そして、私が役に立てることを探すんだ。

これはいくら兄様でも譲れない。


「いえ、兄様。私には夢が出来ました。今すぐとは言いませんが、ここを出て世界を見て回りたいのです。これは兄様だろうと覆せません」


……シーーーン……


この沈黙が怖い……。


「はあ、レーナは一度決めると曲げないからね。分かったよ。でも、結婚は別だ」


またそこ引っ張り出すのかい!?


「……しばらく婚約も結婚もするつもりはありません。だから安心してください」


「そうかい?なら、まあ良いとしよう」


──いい加減、妹離れしておくれ!

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