第42話帰宅
「いや~。なんだかんだで、やっぱ自宅が一番だね!」
長い旅行が終わり、ようやく自分のベッドに着いた。
早速、ベッドにダイブ!
「ミレーナ様!!先にお風呂へ行ってください!!」
サラは帰ってきても、通常運転だ。
サラはこうでなくてはな。
「今日ぐらいは多めに見ておくれよ。如何せん疲れた」
コンコン
「レーナ、着替えがすんだら私の所へ来なさい」
ああ、お説教かね。
しょうがない。もう覚悟していたことだ。
もうひと仕事頑張ってくるかね。
※
「レーナ、僕が言いたいこと分かってるよね?」
着替えを済ませ、兄様の執務室へとやって来た。
ソファに座り、目の前には兄様。
分かっておりますとも、説教を聞きに来たんだからね。
「はい……。今回の件、兄様及び屋敷の者達にまで迷惑をかけてしまって、大変申し訳ありませんでした。叱られる覚悟は出来ております」
「それはもういいよ」
他かい!?これだと思ったんだけどねぇ……。
「あっ、もしかして傷の事ですか?」
あと思い浮かぶのはこれしかないんだけど。
「それは勿論だけど、それじゃない」
「すみません、思い当たらいのですが……」
ダンテらの事でもない、傷の事でもない、後何かしたか?
「……三人から求婚されたらしいじゃないか」
それか!!せっかく忘れてたのに、思い出せやがって。
でも、それ説教事案か?
「まったくレーナは僕のものなんだから、軽々求婚なんかされたらダメだよ?」
いや、それは無理じゃないか?
こっちも不可抗力だ。
「いいかい、レーナは結婚なんかせずこの屋敷に僕と居ればいい。僕もこの間の件で結婚はしないと決めたからね」
この間の件……。ソニアか。
ま、婚約者があんな事件を起こせばトラウマにもなるだろう。
しかし結婚はしないにしても、私はここを出る予定だからね。
今回の旅で色んな人間が見れた。
私はこの世界の色んな場所を見てみたい。
そして、私が役に立てることを探すんだ。
これはいくら兄様でも譲れない。
「いえ、兄様。私には夢が出来ました。今すぐとは言いませんが、ここを出て世界を見て回りたいのです。これは兄様だろうと覆せません」
……シーーーン……
この沈黙が怖い……。
「はあ、レーナは一度決めると曲げないからね。分かったよ。でも、結婚は別だ」
またそこ引っ張り出すのかい!?
「……しばらく婚約も結婚もするつもりはありません。だから安心してください」
「そうかい?なら、まあ良いとしよう」
──いい加減、妹離れしておくれ!
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