第10話 皇子達の密談


「ちょっと絞めとくか?!」

「そうだな……レティに仕返しをしに来たら大変だ」


アルベルトが顎でクイっとエドガーに指示を出した。


エドガーは騎士の家系だ。

レティは一昨年に皇都に来たばかりで交流も少なく、 14歳で社交界デビューもまだだったので、世間的には顔は知られて無かった。


ラウル達と幼馴染みであるアルベルトでさえ知らなかったのだ。


「 一応親父には報告しておくが………あのタンカを聞かせたかったな 」

「 凄い迫力だったな……誕生日はもうすぐでもまだ14歳だろ? 」

「 よくあれだけの正論を叩きつけれたな 」

「 あいつら反論出来なくて口をパクパクしてたぜ 」

「 ワハハハ……どうだ!これが我がウォリウォール家の血のなせる業なのだよ! 」



それにしても大したもんだ。

俺や貴族達に耳の痛い事を突き付けたんだから。



「 それでも最近こいつ何歳だ?!って思う時がある 」


「 普段はコロコロと可愛らしいのに、たまに凄く大人びた雰囲気を出してくるからビックリするぜ 」



ラウル兄ちゃんよ………そりゃあ彼女は並の14歳ではない。

何せ、お洒落番長で医師で、騎士であって、精神的年齢は20歳なのだから。


それにしても ホイって頭を差し出して来たレティは可愛かった………


なんて可愛い生き物なんだと思った。


でも流石にレオ達みたいにクシャクシャは出来なかった………




問題ありません!

頭クシャクシャVS頭ポンポンなら 私は確実に頭ポンポンで派です。




明日はちょっとレティのお披露目といたしますか………


帝国筆頭公爵家の長男ラウルの妹で バックには俺もいるぞ と知らしめて、手を出せない様にしとく必要がある。



「 おい!ラウル、ちょっと来い、良い考えがある 」



誰にも手出しさせない。


あの………

真っ赤っかになった可愛らしい皇子様は

実は………

将来の皇帝陛下であり、策士であった。




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