140分経過。あと5時間15分。
ワタシはナニでアったか?
…………ポタッ――
ワカラナイ。
…………ポタッ、ポタッ――
ダガ、ヤラネバナラヌコトハ、覚えている。
…………ポタッ、ポタッ、ポタッ――
△△△サマが、お命じになった。
…………ポタッ、ポタッ、ポタッ、ポタッ――ぎしぃ。
狩れと。狩れと。狩って、狩って、狩って狩って狩って狩って狩って、護れト。
――――■■■■■■■■A。
…………ポタッ、ポタッ、ポタッ、ポタッ――ぎしぃ、ぎしぃ。
――――■■■■■■■La。
アア。臭いがすル。残り香ダ。至座在の……命を、果たサネバ。
――――■■■■■ala。
ワタシはソレをスべきだ!!
――――ガチャッ。
――――ギイィィィ……
a-Mygd,aLa。
Am,y-gDala。
A,mYgda-lA。
「なっ、なんだこの化け物はッ!!?」
Am,y-gDala!!!!!!!!A,mYgda-lA!!!!!!!!!a-Mygd,aLa!!!!!!!!!
扉を開けたそいつは、
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■……
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■!
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■、
■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■……■■■■!
う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!?
「――う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!?」
<ちょっ、ご主――、――――!? ――、――――>
わけもわからず大声で叫びながらおれは右手を「そいつ」の頭部に叩きつける!
不愉快な湿った感触が壁を歪ませ、原因となった首の角度は頸椎(あればの話だが)の損壊を知らせていた。
当然、戦闘不能……のはずなのに、おれの足は素早く交互に動き回り、気が付けば管制室の階段を下りきりそのまま
a-Mygd,aLa。
「~~~~っ」
声の出所……上方に目を向ければ管制室からのっそりと出てきた「そいつ」。■がないはずなのに、■と合う。そんな感覚がして量子頭脳に計測不能な津波が発生する。口からはとても自分のものとは思えない、情けない声。
胴体の向きは反対方向に。完全に逃走するという確固たる異常な決意。
おれはその軍門に下ったのだ。
ぱちゃばちゃと不快な足音。潮とオイルとそれらが混ざり合う不快な水を無造作に踏みつけ、後先考えずに残した
……やがて、そのお絵かきの時間も終わる。
袋小路。
壁面には無数の海藻が蔦のように走り、その間から赤錆・青錆・緑錆・白錆……まるで錆の展覧会の
それらは天井・床にまで侵食し、双方は水浸しになっている。
周囲の空間はとっくに湿度は100パーセントと越えた飽和空気となり、おれの
荒い息。
空気中の水分どもが
ポタッ、と雫が顎より滴り落ちる。
……いつまで、こうしていた?
……くそ。
……5分か、10分か、或いはもっと、か。
……落ち着け、落ち着け……はぁ、はぁ、…………はぁ。
少しだけ視界を上にすれば心配そうにのぞき込むブレインの姿。
「悪い、心配かけた」
<気にしないで。それより……>
「おれにも何が何だか。ただ、凄まじい『恐怖』を感じたんだ」
<それは極彩衣の王のそれよりも強大ってこと?>
「ああ。あれは威圧感が主で動けなくなる類のものだった。けど『そいつ』の場合はとにかく無我夢中で逃走させるというか。本能的なものを刺激させる類のものだと、思う」
<うわぁ。何これ>
挿絵(【囀&呟】《ワールドチャット》のリンクです):https://x.com/reoparutK/status/1730213543558217790?s=20
「どうした?」
<今ご主人様の視界データを検査してみたけどほとんどノイズとモザイクだよ。しかも混乱のあまり視界データが安定してない。多分ハッキングによるものじゃないね。催眠とかそういう種類の小細工かな。ちょっと待ってね…………できたっと。今送るね>
「これは?」
<
「するとどうなるんだ?」
<存在しない距離が敵との間に出現する。本来であれば10メートルの距離がデータ上数キロにもなる。何キロも離れた催眠術なんて観測しようがないから効かないでしょ? 安心して、それはデータ上の話でご主人様が認識する視界はそのまま。人間と
「そうか! 助かるぜ、これでさっきみたいな醜態をさらさずにすむ」
<どういたしまして~😊>
「ところで……」
おれは周囲を見渡す。といっても靄のせいでほとんど意味をなさないのだが。
「ここはどこなんだ?」
事前に渡されたマップをHUDに表示させると……なんじゃこりゃ。マップ外にになっているぞ。赤外線をはじめとする様々な方法でスキャンをしてみると今いる空間は確かに現実に存在していることがわかった。
「だが……もしかしなくても不気味だ、いやな予感がする、急いでここから離脱しよう」
反対方向に踵を返そうとした時だった。
【なぁ、誰か…………
「なっ!?」
<まさか生存者?>
声は奥のほうからだ。急いで駆け寄る。もし生存者であれば何か有益な情報が得られるかも――
≪こちらは――そ、そう、ここはドッカーバンク、堆上じ……いや、そんなことはどうでもいい!】
声は袋小路、最奥の壁面からだ。そこは一面の白錆でまるで薄い膜が張られているように微かに波打つ。
[「やめろ止めろ止めてくれ! 俺はまだそっちに行きたく
…………ああ…………入って、くる」〕
「…………これは」
滴る足音。
濡れた重量物を引きずり這いずる音。
不協和音。
』くそ……もう、終わりなのかよ。
湿った足音。
水を蓄えたモノが這う音。
奇妙な息遣い。
【【……ほかの連中はみずにくわれるか藻に服されちまった……目の前のように……ああ、
――
オマエモ藻ニ服セ!]]
激しく肉が開閉する音。
粘膜音。
そして壁面を突き破り何かが飛び出してきた!
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