〈エミ視点〉








ヒカル「落ち着けって!」





ヒカル先輩が私の手首を掴んでるカオル先輩の手を

離そうとしてくれるけど掴まれている手首は更に強く

握られて「ツッ…」と顔が歪む位に痛かった






シュウ「痛がってるから離してやれ」





カオル「罰ゲーム?合コンみたいな真似事して楽しかった?」

 





カオル先輩はヒカル先輩やシュウ先輩の言葉は

聞こえていないみたいに私の手をギリッと掴んだまま

問いかけてくる…






カオル「そんなにしたいなら13日も来ればいいよ

    ヒョウやツカサやアキラもいるし

     皆んな笑実ちゃんの相手してくれるよ」





「・・・・・・」





カオル「今日の奴なんかよりももっといい男だよ?笑」






胸の奥でギュッと苦しくなっていたモノが

ゆっくりと壊れていく音が聞こえた…





初めてシュウ先輩の家で会ったあの日からずっと

好きになったりなんかしちゃダメな人だって分かってた…

でも…カオル先輩は会うたびに私に優しくて…

変なお店でバイトすると勘違いされた日も

今日みたいに腕を掴まれて怖い顔で睨まれたけど…

それでも優しかった…




「笑実ちゃんは、カオル先輩が守ってあげるよ」





そう言って優しく抱きしめてくれる先輩を好きだった…

いつも合コンや飲み会に行っていて

沢山の女の子達と淫らに遊んでいても…

それでも…「笑実ちゃん」とあの甘い笑顔で

名前を呼んでくれる先輩が大好きだった…





「・・・・ダイキ先輩の方が……いいです…」





カオル「・・・・・・」





カオル先輩の顔がまたドンドン怖くなっていくのが

分かったけれど…本心だった…




カオル先輩もヒョウ先輩も…

アキラ先輩達も皆んな凄くカッコいいと思う…




だけど、店長と私の事を気にかけて助けてくれてる

ダイキ先輩の事をそんな風に言われるのは嫌だった…

ダイキ先輩の事を何も知らないのに

そんな風に…バカにするカオル先輩が嫌だった…




( ツカサ先輩なんて…1番嫌いだ… )




いつも変な事を口にしたり、そうゆう目で見てきたり…

店長に対して抱いている感情と同じで

気持ち悪いと思っていたから…





「そんな集まり…行きたくありません…」





掴まれている腕を必死に振り払って

怒ってるカオル先輩の目を見て「大嫌いです」

と言って建物の中へと入って行った



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