第2話 

 原初の地球はとても暑くてむしむししています。ものすごく強い風が吹いたかと思うと突然大雨が降ります。


 するとあっという間にあたり一面の大洪水になって、ものすごい勢いで泥水が海に向かって流れていくのです。


 火山があちこちで爆発をくり返して、真っ黒な煙と真っ赤な溶岩を噴き出しています。


 しょちゅう大地震が起きて大地がグラグラゆれ動いて、時どき高さが百メートルもある大津波がやって来ます。


 でも天使の赤ちゃんはへっちゃらです。雨風がやってくると羽で身体をま~るく包んでしまいます。山のような波を揺りかごに気持ちよく眠っています。


 赤ちゃんだから眠るのは得意です。


 天国に「時間」はなかったので、天使の赤ちゃんはひと晩でも一億年でも好きなだけ眠れるのです。

 

 天使の赤ちゃんはぐっすり眠ります。

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