僕の友達の友達
雫さんと友達になって数日が過ぎた。いつものように、起床し顔を洗って弁当を作る。準備を整え時計を見ると、七時を指していた。
それと、同時に聞こえて来るインターホン。
僕は、ゆっくりと玄関のドアを開けると満面の笑みでさ彼女は僕に言う。
「おはようございます。東くん」
「おはよう。如月さん」
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四限が終わりお昼休みの時間がやってきた。隣からは僕を呼ぶ美少女の声。
「東くん、お昼休みです。ご飯を食べましょう」
如月さんは、目を輝かせながらこちらを見て言う。うぅ……眩しい!!あと、可愛い。
撫でたくなる気持ちをグッと抑える。
そして僕は言った。
「如月さん、ごめん。今日は一緒に食べれない」
……返事がない。聞こえてなかったのかな?
「如月さん?」
目の前には石のように固まった如月さんがいた。凄いまったく動いていない……言い方が悪かったのだろうか?
「今日は谷川くん達から誘われてて、前にも断っちゃったから」
やっと伝わったのだろうか。ピクっと体が動き、如月さんは僕に言ってきた。
「谷川くん達とでしたか。もしかして私が嫌いになってしまったのかと……」
「そんなことは絶対ありえないよ。約束したしね」
如月さんの顔が赤くなると同時に彼女は下を向いてしまった。また、何かしてしまったのだろうか。
そんな時、僕の前の席から声がして横を向くと谷川くんがいた。
「東〜〜。学食行こうぜ」
わざわざ僕を谷川くんは迎えに来てくれたのか。これが友達か……凄い、凄すぎる!!
「うん!!……っとその前に」
僕は横で下を向いている如月さんに弁当を渡した。驚いたように顔を上げた如月さん。
「一緒には食べれないけど、弁当の交換ならいつも通りできるよ!!」
如月さんが自分のカバンから弁当を取り出して僕に渡す。よかった、笑ってくれた。
如月さんの弁当を持ち僕は谷川くんと学食に向かった。
その頃、教室に残った如月雫は……
てっきり、東くんと一緒に食べるつもりだったからどうしよう。お弁当はゲットできたけど、話し相手がいないのも私からしてみれば少し寂しさを感じる。そうだ!!……優ちゃんに声を掛けよう。
席を立とうとすると、背後から誰かが勢いよく、私の首に手を回し抱きついてきた。
「し・ず・く!一緒にご飯食べようよ!!」
そう。後ろにいたのは今、誘うつもりでいたクラスメイトの倉崎優ちゃんだった。彼女とは中学校からの付き合いだからよく話もする。だが、ここまで激しいスキンシップをされたのは初めてだ。
「どうしたの優ちゃん?!抱きついてまで、そんなことしなくても私から行こうとしてたよ」
「本当〜〜?最近は成瀬くんとずっとお昼休みいるから私寂しかったんだよ〜〜」
「優ちゃん……ごめんね」
「私だけじゃないよ〜〜。ほら、他のみんなも」
前を見ると私の前にクラスの女子が集まっていた。
「如月さん私もいいかな」
「私も!!」
いつのまにか私の前は机によって埋め尽くされている」誘うつもりが、みんなから来てくれると思わなかった思わず笑みがこぼれた。
「雫。早く食べようよ!!」
「うん。いただきます」
「「「いただきます」」」
クラスに女子の声が響く中、私は東くんの手作りお弁当を開けた。
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