背理の仮面〜犯罪の証明法〜
片宮 椋楽
事件編
「お待たせしました」
「いえ……って、あれ、先程の方は?」
「ああ……実は、別件で少し席を外すことになりまして。代わりに私が、聴取の続きを取らせていただきます」
「はぁ……」
「申し遅れました。私、トキワダと申します」
「トキワダ、さん?」
「片仮名のヒと十の鳥に、和やかな田んぼ。で、
「珍しいお名前ですね」
「よく言われます。えぇっとお名前は……宮司の宮に、ぞのは草冠に公園の園。で、
「そうですけど、わざわざ漢字で言わなくても?」
「失礼しました。自分の名前が珍しい故、つい漢字を伝えようとする妙な癖がありまして。これがなかなか抜けず。お気を悪くされたのであれば、謝ります。申し訳ございません」
「いえ、別に気を悪くはしてませんが……とにかく何でもいいので、早く終わらせてもらえませんか」
「ああそうでしたよね。承知致しました。では、早速……あっそういえば、お昼食べました?」
「え?」
「お昼。食べました?」
「……ええ。出前を取っていただきました」
「そうですか」
「てっきり、警察が奢ってくれるのかと思ったんですけどね」
「はは、今はそれ、駄目なんですよ」
「利益供与、でしたっけ?」
「よくご存知で」
「この前見た刑事ドラマの主人公が、そんなことを口にしていたので」
「へぇぇ、今のドラマはそんなことまで言うようになったんですね。それで、お食べになったのは和食? 洋食? それとも中華?」
「最後の。中華です」
「となると……もしかして
「いやぁ、名前までは……あっ、でも器にそう書いてあったかもしれません」
「青い文字?」
「ええ、色は確かそうでした」
「なら、そうだ。出前してくれる中華料理店で青文字の器があるのはあそこしかないので。あそこはどれも美味しくて、ハズレがないんですよ。ちなみに、何をお召し上がりに?」
「私は、ワンタンメンを」
「おぉ」
「えっ……何を驚かれて?」
「いや。ちなみに、あそこの料理を食べたことは?」
「いえ、今回が初めてです」
「なら、調べたりとか」
「したことないですよ」
「であれば、いやはや、お目が高い。私もよく食べるんですよ。あそこのワンタンメン、絶品でしたでしょう」
「ええ」
「ワンタンメンお好きなのですか」
「いえ」
「なのに、長紅炎でワンタンメンをお選びになるとは……いやいや、美味しい物を見つける嗅覚が鋭いのでしょう。羨ましい限りです」
「いや別に。メニューに少し大きめの濃い黒字で、ワンタンメンと書いてあったので、目についただけです。言い方悪いですけど、魔がさしただけですよ。好物でない限り、ワンタンメンってあまり食べないじゃないですか」
「確かにそうですね。お口には合いましたか」
「ええ、美味しかったですよ」
「それは良かった。ああ、申し訳ありません。長々と関係のない話を。本題にいきますかね。ええっと……念のため確認させて下さい。本日、警察に呼ばれた理由というのはご存知」
「それくらいは分かってます。
「その通りです」
「それ以外はありませんからね。それで、私は任意同行を受けている」
「そう、いうことになりますかね」
「けど、ご自宅で首を吊って自ら命を絶ったと聞きましたけど」
「誰からお聞きに?」
「さあ。別の刑事さんなのは確かですが、名前までは。もう忘れてしまいました」
「そうですか」
「なのに、私だけ怪しまれているんでしょう?」
「いやいや、そんなことは」
「休日にわざわざ刑事さんが玄関まで迎えに来られたら、誰だって自分が怪しまれているんだって、想像にかたくないでしょう」
「……」
「黙っちゃっいましたね」
「んふふふ、すいません」
「確か、うちの高校にも警察の方、いらっしゃってましたね」
「ええ、私を含め、他の者も」
「生徒教職員全員、様々にご協力させていただいたかと記憶してます。それでもまだ、足りないと仰るんですか?」
「いやぁ、あと少し。ほんの少し、質問させていただけたら、もうすぐに、たちまちに聴取は終わりますので、どうか何卒ご協力頂けませんでしょうか」
「……分かりました」
「ありがとうございます」
「では早速。改めて幾つか確認させて下さい。宮薗さんは、佐藤さんとはどういったご関係でしょうか」
「そこからですか。先程も、いやずっと前にも聞かれたことだと思うんですけど」
「すいません、色々と必要なことでして」
「はぁ……仕事仲間ですよ、仕事仲間。同じ私立高校に勤める者同士です」
「ほう。お話しする機会は?」
「そりゃ勿論。とはいえ彼女は養護教諭で基本は保健室におりましたから、そこまで多くはないですよ。まあ人並みといったところでしょうか」
「成る程。えぇと……宮薗さんは数学の教鞭を取られている?」
「はい。今は一年生を」
「実は私苦手なんですよ、数学。こう、数字やらアルファベットやら数式やらがずらりと並んでいるのを見ると、頭が受け付けないのか、クラクラしてしまうんです」
「はは、苦手な方は口を揃えてそう仰りますよね。うちのクラスの生徒も似たようなことをよく口走っていますよ。私はむしろ、数字や数式に囲まれて、いや埋れて生きていたいです」
「ほぉ、数学は昔からお好きで?」
「数学は他の教科とは違い、答えが曖昧じゃない。しっかり汲み取ってあげれば、ちゃんと答えが出る。その汲み取り方が繊細であればあるほど、美しい数式という形で答えてもくれるんです」
「へぇ、まるで生き物みたいだ」
「まさに。そう感じる事もあります」
「そうなんですねぇ……あっ、すいません。脱線してしまいました。それでですね、もう少々確認したいことがありまして。ええっと、ですね。確かこの辺りの資料に……あっ、あったあった。えぇ、学校で色々と聞き取りをした際にですね、佐藤さんと交際されていた、という証言があったのですが、実際はどうだったのでしょうか」
「それ、さっきの刑事さんにも聞かれましたけど、その証言はどなたがされたんです?」
「申し訳ありません。それは教えられないんです」
「まあそうでしょうね。いずれにせよ、その方は大きな勘違いをなさっているか、それか私に悪意がある方ですね」
「と言いますと?」
「私は佐藤先生とは交際などしておりません」
「成る程。前提から誤っていると」
「ただ」
「ただ?」
「いや、付き合ってはいないのですが、さっきの別の刑事さんに言われてここ最近の出来事を思い返してみたんです。それで、もしかしたら、というのが一つ」
「伺いましょう」
「ここ数ヶ月、受け持っているクラスの生徒のことで、相談したりされたりすることがありましてね。そういう意味では他の先生方よりは多少話すことがあったんですよ」
「ほう。だから、そう見えてしまっていたかもしれないと」
「ええ」
「そういうことだったんですね。ちなみに、その、お話ししていたのはどのようなことを?」
「……クラスの生徒には言わないと約束していただけますか」
「お守りします」
「実は私のクラスには、不登校気味の生徒がおりましてね。たまに登校しても、保健室にずっと、まあ言い方は悪いですが、以前から人とのコミニュケーションを上手く取れないんです。そのせいで、引きこもってしまっておりまして。だから、保健室にいる佐藤先生には何か話さなかったか、とか、相談を受けなかったか、とか、逐一教えていただいていたんです。もし……まあ考えたくはないのですが、イジメがあるのなら、その子のためにもイジメている生徒を下手に刺激しないよう、けれど迅速かつ穏便に解決していかないといけませんから」
「成る程。腑に落ちました。が、しかし、証言の中には、言い争いをしていた、というのもございまして」
「そりゃあ、そうですよ。互いの意見が衝突することもあります。センシティブな問題ですから尚更に。要するに私と佐藤先生は、少しでも生徒の心の負担を減らせるように、情報の共有をしていたというわけです。なのに、付き合ってるだのなんだのって、変に騒ぎ立てるようなおかしなことを言う人がいて、こっちは迷惑かかってるんです」
「あぁ」
「あっ、すいません。こんなこと刑事さんに言っても仕方ないですよね。いや、実を言いますと、教師なのにお恥ずかしい限りなのですが、私、ついカッとなると、語気を強めてしまうんです。いらんことまで口走ってしまうので、直さねばと思ってはいるのですが、癖というか性格というか、これがなかなか厄介でして」
「お気持ち、分かります。私ねこう、人差し指の腹に親指の先を食い込ませて上に弾く、コイントスのような所作をする癖がありまして。直そう直そうと思ってはいるんですが、ふと気を抜いたらやっています。大事な捜査会議の時にやっちゃったりして、一度大目玉食らったことがありますよ。癖というのは上手いことタイミング見計らってますよね、隙あらばやってやろうと」
「ええ。誰しも同じような悩みを抱えているんですね」
「そうですね。すいません、話が脱線しました。では、ええっと……」
「刑事さん」
「はい?」
「脱線ついでに一つ聞いても?」
「なんでしょう」
「さっきから、その、手元の分厚い資料を見ながら話してますが」
「ああ、そうですよね、目を見てお話ししないと失礼でしたね」
「いえ、そういうわけではないのですし、別に構わないのですけど、それって捜査資料ですよね?」
「ええ」
「お話しする度にぺらぺらと、都度都度めくっているので、どうしてなのかなぁと思って」
「実は私、現場に赴いてないんです」
「えっ?」
「つい数日前に上司から捜査に加わるようにと急に指示を受けたばかりでしてね。正直なところ、資料を見ないと分からないことも多いんですよ」
「刑事さんも大変ですね」
「ははは。そういえば、この後にご予定が?」
「ええ。希望としてはそろそろ出たいです」
「急ぎます。駆け足になりますが、続きを話しても?」
「構いませんよ。けど」
「けど?」
「いや、堂々巡りというか、なんかずっと同じような質問ばかりだなって。それにさっきの刑事さん、私のこと犯人だと思いこんでいるような口振りでしたし」
「それは……失礼致しました」
「ま、警察の方もお仕事ですから。その辺は大目に。続きを」
「亡くなった当日についてですが、不可解な点がございましてね」
「不可解な点?」
「ええ。状況を考えると、おかしいところです、はい」
「例えば?」
「まず一点目。遺体が発見された佐藤さんのご自宅から、誰の指紋も検出されなかったんですよ。これがねぇ……うーん」
「何故です? だから自殺だということになっているのでしょう?」
「いや本人のだけとかなら、納得がいくんですよ。しかしね、被害者のも含めて見つからなかったっていうのがどうも」
「それが? 死ぬ前に彼女が身支度するために辺りを綺麗にしたんじゃないですか」
「これから死のうとする人がわざわざそんなところに気を回しますかね?」
「さぁ、死のうとしたことはないので、僕には分かりませんが、変なところに気を回しちゃうんじゃないですか。死のうとするなんて、普通の精神状態ではないでしょうし」
「どちらかと言うと、別の人物がいた証を残さないために、綺麗に拭き取ったと考えるほうが自然であるような気がします」
「彼女は殺されたと?」
「もちろんそうでない可能性もあります。例えば……彼女が倒れたりして息してないのに驚いて、動揺して、自分が疑われぬように拭き取ってしまった、とか。まあ、限りなく低いとは思いますが」
「根拠は?」
「それは二点目に繋がるのですが、佐藤さんの首元に痕がございましてね。これが首を吊った際に出来る痕でして……」
「
「凄い。そちらもドラマから?」
「ええまあ」
「仰る通り、索状痕です。これは当然できるものではあるのですが、それとは別に、ほんのりと薄い痣もあったんです」
「痣?」
「ええ。それも紐ではなく、例えばタオルとか、こう比較的柔らかくて幅広なもので絞められた時に見られるもの。一時的に血管と酸素が閉じられたことによるものです。しかしながら、条件を満たすようなものを首にかけている様子はなかった。加えて、爪の間から繊維製品の短い糸屑も発見されました」
「へぇ」
「要するにですね、痕が残りにくいようなタオルで誰かが首を絞めた。その際、佐藤さんは抵抗し、首元を掻きむしったことで、爪の間に繊維製品の糸屑が入り込んだ。その後、抵抗も虚しく佐藤さんは窒息。亡くなってしまう。誰かはそれから遺体の首にロープを通し、自殺したように工作したと考えています、はい」
「成る程、だから動揺して拭き取った可能性は低いと仰るわけだ」
「ええ。そして三点目ですが、司法解剖の結果、佐藤さんの真の死因は窒息死だったことが明らかになったのですが」
「そりゃあ、首が締まれば窒息ぐらいするでしょう」
「しかしですよ、佐藤さん、首の骨、折れていたんです。身長を考慮しますと、近くに倒れていた小さな台に乗って首に紐をかけ、蹴飛ばして外したのでしょう。その瞬間、ぽっきりと」
「話が見えません。何を仰りたいんです?」
「首が折れれば人間、即死です。少なくとも、窒息するよりも亡くなるのは早いはずです。なのに、死因を考えれば、窒息した後に首が折れた、ということになる。順序がおかしい」
「つまり、首吊り自殺に見せかけた際に、首の骨が折れたのだと言いたいんですね」
「そうかもしれないかなーと。推測です、はい」
「鴇和田さんはどうお考えなんです?」
「というと?」
「佐藤先生は自殺したのか、それとも違うのか」
「早計は良くありませんが、後者ではないのかと考えております」
「つまり、殺された、と」
「ええ」
「だから、私が疑われているというわけですか。学校で言い争っていたという証言があったから」
「いえいえ、そういうわけじゃ」
「もう隠さなくていいですよ。長いこと拘束されているんですから、疑われてるんだって気づきますよ。ちなみに、佐藤さんの部屋から私の指紋は見つかったんですか?」
「いいえ」
「ならタオルは?」
「それもまだ見つかってはおりません。おそらく犯人が処分したのではないかと考えております」
「そうですかぁ」
「ちなみになんですが……あっ、これは形式的なことですので、お気を悪くされないで下さい。佐藤さんがお亡くなりになった死亡推定時刻の、夜の八時から十時頃まではどちらに?」
「自宅にいましたよ。ぼうっとテレビ見てました」
「証明できる方は?」
「独り身ですからね、できませんよ」
「成る程」
「ほらやっぱり。疑ってるじゃないですか」
「いやいや……」
「ついでにもう一つ。宮薗さんは佐藤さんの部屋に訪れたことは?」
「刑事さんね。先程もお話ししましたけども、佐藤先生とは職場が同じ同僚なだけで、関係はそれ以上でもそれ以下でもないんです。部屋なんて行くわけないでしょう」
「二人っきりだなんて思っておりません。ほら、他の同僚の方と一緒に遊びに行ったとか」
「無いです」
「では、あの日も訪れたことは?」
「刑事さんもしつこいなぁ。ありませんって」
「そうですかぁ……部屋には入ったことはなかったのですね」
「刑事さん、聞いてもいいですか」
「ええどうぞ」
「私を引っかけようとしているでしょう?」
「引っかける?」
「罠に」
「いやいや、そんな」
「けど、残念。そんな見え透いた罠じゃ、引っかかりませんよ」
「疑り深いなぁ……あっそうだ。訪れたことがないのでしたら、あの部屋の異質さをご存知ないですよね?」
「異質?」
「ええ。少し奇妙なんです。なんだと思います?」
「それは検出されなかった指紋以外ということですか」
「ええ、事件とは関係なくです」
「さあ」
「じゃあ、ヒント……というかもう答えですかね。部屋の壁を写した写真がございますので、是非ご覧下さい。見ればすぐ、お分かりになるかと。ええっと、どこだったかな? 少々お待ちくだ……あぁ、あった。どうぞ。こちらです」
「ええっと……そうだな……」
「さらにヒント。壁」
「壁……あっ、仮面、ですか?」
「その通り。壁一面に所狭しと飾ってあります。佐藤さんは仮面好きだったようでしてね。個人的に調べてみたのですが、どうやら世界の様々な民族のものらしいのですよ」
「へぇ」
「中には現地でしか入手できないものまでありましてね。写真は写っていないところにも大きいのが立てかけてあったり、棚の上に飾ってあったりと。他の部屋にもまだございました」
「なんかあれですね。占い師みたいだ」
「確かに。水晶とか
「失礼な話ですね。けどその気持ち、少し分かるかも」
「そういえば、その部下がですね、被害者のご友人に聞き取りをした際、何故飾っているのか判明しました」
「ほぅ」
「数年前に訪れたネパールの露店で一目惚れして買って以来、ご当地仮面収集にハマっていたらしいんです。ご存知でしたかね」
「言われてみれば前にそんなこと言ってた気もします。が、よく覚えてません。それがどうかしたんです?」
「いや、実はですね。奇妙な点が」
「奇妙?」
「仮面がひとつ、床にあったんですよ。奇妙でしょ?」
「ですかね」
「我々としてはその仮面、置いたのは佐藤さんではない。そう考えておりましてね」
「つまり、部屋には他に誰かがいて、その人が佐藤さんを殺した。そうお考えだということですね」
「その通りです」
「私には、佐藤さんが誤って落としてしまった、という方がどちらかというとしっくり来ますけどね」
「……ちなみに、宮薗さんはどう思われますか」
「どうとは?」
「仮面が床にあった理由」
「さあ。分かりません。私はただのいち教師で、刑事ではないので」
「そうですか……あっ、ちなみに宮薗さん、部屋にある仮面、実物を見たことは?」
「もちろん」
「ある?」
「違います。ないの方」
「そうですよね……けど、丁度いい」
「はい?」
「折角ですから、この場でお見せしますよ」
「え?」
「すいませぇん、お願いしまぁす」
「……えっ、な、何?」
「ええっと、それじゃあ、そのちっちゃいのとか顔に被るタイプのは、机に並べちゃって下さい。もう乗っかる限り、どんどんと。無理だったら、そうだな……あっ、向こうの机とか、もう椅子の上でも置いてって下さい。あっ、そっちの面長な奴はなぁ、でかいからなぁ……それじゃ、その端のとこに立てておいてもらえますか。角をつかえば上手くいくと思うんで」
「と、鴇和田さんっ」
「はいはい?」
「勝手に話が進んでますけど、一体これは何なんですか」
「鑑識に無理を言って、部屋にあった仮面全て、こちらにご用意させていただきました」
「用意した? 全部??」
「百聞は一見にしかず、ということわざがあるでしょう? べらべら語るより見てもらった方が話が早い、と思いまして」
「いや確かに早いかもしれませんけど、何もこんな狭い部屋で全部並べることないでしょう」
「そうですね、ちょっと多過ぎましたかね。これじゃ目移りして、せっかく参考になるものも意味がなくなっちゃいますね。ははは」
「はははって……まあいいや」
「驚かれました?」
「驚きますよ、突然こんなものを持ってこられちゃあ……」
「まあ、折角ですからね」
「折角の意味が分からない……」
「ほら、見て下さい。顔に付けるタイプの標準的なものから、縦長で壁に立てかけておかないと置けないものまで。仮面と単に言っても様々あるんですね。これなんかほら、小さな胴がぶら下がっていたり。なんとも可愛らしいですよね」
「私には、あなたが何をしたいのかが全く分からない……」
「何をしたいか、というご質問に答えると、佐藤さんの仮面を見ていただこうと思った、ですかね」
「分からない……あなたが本当に分からない……」
「というのは冗談で。実はね、お伝えしたい事があるんです」
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