第6話 壊れたココロ その6
市立中央病院付近
ちょっと遅すぎたかな−。
予備校帰りの美奈子は、自習室で友達と長話しすぎたことを後悔しつつ、家路を急いでいた。
この近辺は、街頭がほとんどないせいで夜道は危険だ。
以前、通り魔事件が連発したいわくつきの道なのに、何の対策もとられていない。
『通り魔事件多発!』
『痴漢出没!』
こんな掲示が所々あるところを歩くなんて、美奈子でなくても決して楽しくはない。
むしろ遠慮したい所なのだが、進路がかかっている以上、贅沢は言っていられない。
あぁっ、もうっ!
なけなしの勇気を振り絞った美奈子は、バックから取りだした防犯ブザーを握りしめながら足を速め。そして人とぶつかった。
「きゃっ!」
ぶつかった途端、ふわりという感じで、一瞬、浮揚感を感じた美奈子は、何にもなかったかのように立ちつくしている自分に気づいた。
「あ、あれ?」
「大丈夫か?」
背後から声。
振り替えると、大柄な男が呆れ顔でこちらを見つめていた。
「あ、あの−」
月明かりに照らされた男の顔がはっきり見えた。
そんなに年は離れていない。不良っぽい顔立ちだけど、出てくる声はむしろ諭すような優しい声だった。
「こんな夜道を、女一人で歩くなんて、襲ってくださいっていってるようなものだ」
「ち、近道のつもりで」
「ふうっ−。危ねぇから、送っていくよ」
「えっ、いっ、いいですよ!わっ、私」
「自警団のモンだよ。ほら」
男は、『葉月市・葉月警察署公認 NPO 葉月自警団』と書かれたブルゾンの後ろを美奈子に見せた。
自警団−。
暴力事件が多発する昨今、地域の治安維持のため、住民の中で、特に騎士を中心に発足した治安維持団体。スタンガンを仕込んだ『スタンブレード』などで武装し、酔っぱらいから騎士まで、問題行動者の取り締まりや拘束を警察に代わって行う事が出来る。
男は、自分が名乗っていないことに気づいて、美奈子に言った。
「葉月自警団所属、明光学園2年、新井だ」
葉月市立中央病院付近
児童公園
キイッ−
外灯に照らし出されたブランコが風に揺れる。
しんと静まりかえった公園を一人の女が歩く。
恵美子だ。
焦点が定かではない、虚ろな目の美奈子は、まるで何かに引き寄せられるように歩く。
「?」
歩みを止め、見つめる先にいたのは、小柄な『一応』男の子。
水瀬だった。
「……」
無視するように歩みを再開しようとする恵美子に、水瀬は声をかける。
「待って」
「?」
「知らないの?あの二人なら、死んだよ」
「……死んだ?」
「そう。だから、もう十分でしょ?目的は達したんじゃないの?」
「……目的?」
「自分を傷つけた者達への復讐」
「……」
水瀬の言葉を鼻で笑った恵美子は、むしろ哀れむかのように、水瀬を見つめて言った。
「復讐に終わりなんかない」
手にしたカードケースのフタが音を立てて開いた。
凄まじいまでの『魔素』の放出に、水瀬は思わず身を固くする。
「復讐の女神の作り上げた輪を歩む者には、スタートもなければゴールもない」
その声色に感情はなく、台本を棒読みしているような無味乾燥した、まるで「無」を具現化したような声だった。
水瀬には、その声色に覚えがあった。
一年戦争で、何度も耳にした声色。
忘れたくても忘れられない声色−。
過酷な戦場でむしばまれ、精神が破滅した者の声。
ギリッ
水瀬は険しい顔で恵美子を睨んだ。
「……復讐に果てはないというなら、次は誰に復讐するの?」
「私を産んだ者、私を育てた者、私にかかわった者、そして−」
カードケースを水瀬に向けながら、恵美子は言い放った。
「この世の生けとし生ける者、すべて」
カードケースから、何かが飛び出してきたのを、水瀬は確かに見た。
児童公園付近歩行者専用遊歩道
「ホント、騎士の人ってタフなんですねぇ」
横に並ぶ新井の横顔を見ながら、恵美子は感心したように言った。
「運が良かっただけさ。まぁ、すまんな。水瀬とかいうヤツじゃなくて」
「へ?」
「見舞いに来た未亜が言っていたぜ?つきあってんだろ?」
「だ、だ誰が、誰とですか!?」
美奈子の反応が面白くて、ついつい言わざるを得ないという顔の新井。
「声、裏返ってるぜ?」
「わっ、わわわわワタシが、水瀬クンとツキあって!?」
「女生徒の間じゃ、有名らしいじゃないか。安心しろよ。俺、ショタっていわれる見てくれじゃねぇし」
クスクス笑いながら美奈子に投げられる新井の視線には、かなりの好奇心が込められているのがわかった。
ワタシが、水瀬君とつきあってる?
百万歩譲って、まぁ、大目にみてやろう。
でも、ワタシがショタって何?
正太郎コンプレックスがなんだって?
未亜−。
明日、コロス。
「でも、あの事故の後ですよ?よく外に出られるなって」
殺意を忘れるため、美奈子は話題を変えることにした。
「医者には止められているんだ。だけど、色々あって、何も出来ない自分にイライラしていてさ。だから、動いていたいんだ」
「……それって、怖いって、意味ですか?」
「うまいな。その通りだよ」
「あの」
美奈子は、一瞬、逡巡した後、思い切って新井にたずねた。
「沼田先輩には、会ったんですか?」
無言で首を横に振る新井は、自嘲気味に笑って言った。
「退院してから、何度も足を運んだ。でも、どこにもいないんだ。学校には行っていたんだろ?」
「いいえ」
「え?」
驚いた表情で足を止める新井。
「私、毎日、先輩のクラスに顔を出しました。でも、毎日、毎日ですよ?欠席してるって」
「そんな−」
「おかしいですよ!先輩、どんなことがあっても、学校だけは来ていたはずなのに」
「お、俺−」
戸惑いを隠せないという表情で、新井は言った。
「毎日、あいつが見舞いに来てくれるのを待っていた。ベットから動けなかったから、電話、できなかったけど、でも、あいつ、絶対、見舞いに来てくれるって信じて、でも、来てくれないのは、あいつが学校に行っているからだって」
「先輩……」
「……行こう。こんなところで考えても始まらない」
新井は、美奈子を促して歩き始めた。
「やっぱり、動いていないと怖いな」
「ヘンなこと、しないでくださいね?」
「ああ。安心していいぞ」
新井は言った。
といより、言い切った。
その目には一点の曇りもなかったのを、美奈子は確かに見た。
「俺は恵美子以外の女に興味はない」
児童公園
シュワッ
まただ−。
奇妙な感触の後、召還した獣がカードケースへと戻っていく。
何度目だろう。
何度、召還しても、獣はカードケースから出たと思うと、すぐにケースへ戻っていってしまう。
もう一度−。
「もうやめて。素人がこれ以上やると、冗談じゃすまなくなるよ」
「!?」
ケースから次々と獣が召還され、水瀬の周りに集う。
かわいがった獣達が、自分を慕っていたはずの獣が、今度は私に憎悪のまなざしを向けてくる−。
「召還獣はね。召還者より相手が強い場合、相手に味方する。力こそが彼らの価値判断の基準にすぎないからね」
「そんな−」
「君が召還獣を使役できたのは、周囲に呪具を持った君以上に強い力がなかった。ただそれだけ。呪具の力を、召還者の力と見誤った獣達が君にしたがった理由も、その程度」
「……」
カードケースに、獣たちが戻っていく。
「君は、僕には勝てない」
「……だ」
「?」
「何様のつもりだぁぁぁっ!!」
怒りに任せた絶叫と共に、恵美子は獣を召還した。
大切な記憶なら大切なだけいい。
その代償にふさわしい獣が召還される。
ケースを手にした時、恵美子は、そう教わった。
だから、それにふさわしい記憶を差し出しただけ。
この苦しみから逃げたいから。
この憎しみがどうにかなるのなら、私は何も要らない。
この憎しみが、今は辛いから。
助けて−。
今、私は誰かに助けを求めた。
忘れてはいけない人のはずなのに、今は、その名前すら思い出せない。
……いや、今、私は何を思ったんだ?
わからない。
何も、わからない。
それでいいの?
そう?
そうね。
それでいいんだ。
−まずいな。
水瀬は、内心で舌打ちしていた。
恵美子が何をしたのか、考えたくもないが、目の前に現れたのは、召還獣ではない。
バスほどもある漆黒の巨体に炎をまとった瞳−。
上級妖魔「ヘル・ハウンド」だ。
こんな市街地で上級妖魔が暴れ出せば、その損害は−。
水瀬は騒ぎが大きくなることを恐れ、魔法攻撃ではなく、霊刃による攻撃を決断した。
ダッ
恵美子の命令が下る前に一気に間合いを詰め、巨体の下に入り込む。
ヘルハウンドの前足を切断し、体をひねって喉に刃を突き立てる。
懐に飛び込んで急所を突くのが、大型妖魔の基本的な殺し方だ。
刃の切っ先に魔力をため、一気に魔力を解放。
ゴウッ!
ヘルハウンドの体中で魔力が爆発し、その巨体が一瞬にして吹き飛ぶ。
あたりが一瞬、昼間のように明るくなった途端、この世界に存在をつなぎ止めることができなくなったヘルハウンドは消滅した。
しかし−。
「ちっ!」
ギィン
背後に回した霊刃で弾いて背後からの一撃をかろうじてかわし、間合いをとる。
間違いなく上級騎士級の攻撃に二回、ほぼ同時に襲われた。
敵は−。
一体、沼田先輩は、何を代償としたのだろう。
他人事ながら、心配になる水瀬の目の前には、斧を手にした、二人の青ざめた肌の女性が立っていた。
『デーヴァ』と呼ばれるやはり上級妖魔だった。
人型で、絶世の美女とたたえられる顔立ちだが、その性格は残忍。人の肉を好む。
戦闘能力の高さは折り紙付きというから、厄介といえば厄介だ。
それを二体、ヘルハウンドと併せて三体も召還したというのか?
「勝ち目がない?」
哀れむような眼差しで、恵美子は言い放った。
「それは、オマエのことだろう」
「そう?」
戦場と化した公園に、歓迎せざる闖入者が現れたのは、水瀬が攻撃に移ろうとするか否かの刹那の瞬間だった。
「恵美子!」
「沼田先輩!?」
新井と美奈子だった。
「恵美子、オマエ、何やって−!」
「み、水瀬君、これは一体!」
「二人とも逃げて!」
水瀬の警告がきっかけだったように、デーヴァの一体が、二人めがけて襲いかかる。
「きゃぁっ!」
「くそっ!」
デーヴァの斧が美奈子の頭上に振り下ろされる瞬間、新井が恵美子を抱きかかえて飛び退き、そこを水瀬の指先から放たれた魔法の矢がデーヴァを貫いた。
155ミリ砲のそれに相当する魔法の矢の直撃により、デーヴァの華奢な胴に風穴があいたと思うと、デーヴァもまた、この世から消滅した。
「恵美子!やめろ!」
新井は恵美子に呼びかけた。
「こんなことして、なんになるんだよ!」
「……何よ。さっきから、恵美子恵美子って」
「なっ」
「馴れ馴れしくない?」
「恵美子……」
その言葉に、新井は全身の力が抜け、水瀬は恵美子が代償として差し出した記憶が何だったのかを理解した。
「あなた、誰?」
「恵美子……お前、何言って−」
美奈子を抱きかかえたまま、へたり込む新井を、恵美子はただ、冷たく見下すだけ。
「なぁ、何の冗談だよ?恵美子、お前……」
「私はおまえなんか知らない」
恵美子はそう言い放つと、カードケースを再び開く。
「目障りだ。死ね」
「!!」
カードケースから、この世のモノとは思えないグロテスクな生き物が飛び出した。
キシャァァァァァッ
この世に解放されたことを喜ぶかのような叫び声。
形容しがたい容姿。
鈍く光る赤い瞳。
ヘビのような鱗を纏った醜い体。
口の周りに乱雑に埋め込んだような牙から垂れる唾液。
すべてが、はっきりと認識できる。
「それ」が自分達を喰らおうと襲いかかってくる現実と共に−。
「ひっ」
新井も美奈子も、これほど間近に「死」を感じたことはない。
ただ、「それ」はあまりにも近すぎた。
「死」から逃げられる者は存在しない。
目の前の獣は、新井達にとっては「死」でしかなかった。
だから、突然、目の前に飛び込んできた黒い影ですら、彼らの目には死に神程度にしか思えなかった程−。
ドンッ!
ストロボをまとめて焚いたような強力な光に思わず目をつむった美奈子が、再び目を開けた時、目の前にいつのまにか水瀬が立っていた。
「へぇ。そういう防御も、ありかな?」
感心したような水瀬の声に誘われるように、美奈子の強烈な光に奪われた目が、ようやく暗闇に慣れてきた。
その途端−
「恵美子!」
悲鳴に近い叫び声があがり、新井が飛び出していく。
その先には−
「せ、んぱい?」
恵美子が倒れていた。
倒れた。というよりは吹き飛ばされたというほうが正しいらしい。
服はあちこち裂けたり焼け焦げており、血がにじんでいる。
水瀬の魔法によることは明白だ。
その水瀬は、駆け出そうとする新井のベルトを掴んで止めていた。
「放せ!」
「ダメ。このまま行けば殺される」
「恵美子が俺にそんなマネするか!」
「もう、先輩は傀儡にすぎない。それに、殺されてから間違いでした。じゃ僕が困る」
「ワケわかんねぇこといってんな!テメエのことなん−グハッ」
無造作にベルトを引っ張り、新井の前に出た途端、水瀬の霊刃の柄が新井の鳩尾にめり込んでいた。
「病み上がりなんだから、ムチャしないで」
ムチャさせているのは水瀬君じゃない。と、さすがの美奈子も思わずにはいられなかったが、水瀬はそんな美奈子の心情を知ってかどうか、新井を美奈子の前に放り投げた。
「グッ」
「先輩!」
美奈子が駆け寄って新井を抱き起こす。
「水瀬君、なんてこと!!」
「追いつめられた先輩のココロの傷は、こんなものじゃない」
水瀬の一言に、二人共、二の句が継げなかった。
「!!」
「彼女をここまで追いつめたのは、誰?」
起きあがろうとする新井に、水瀬は冷ややかな口調で語りかける。
その目は、軽蔑にあふれていた。
「失って怖い過去も、欲しい未来もない−先輩はそういってあの力を手に入れた」
「!!」
新井の顔が蒼白になる。
「そんな−」
「『お前は、俺が守る』だっけ?そういうキレイ事言って彼女を傷つけつづけたなら」
新井を一瞥し、起きあがろうとする恵美子に視線を戻しながら、水瀬は言い放った。
「今度は傷つけられる彼女を、せいぜい指でもくわえて見てたら?」
「てっ、テメェ−」
「これが、君の「結果」なんだからね。−さて」
恵美子は、ゆらりと立ち上がると、殺意にあふれた目で水瀬をにらみつけた。
「キ・サ・マ」
「召還獣を楯にするってのは考えたよね。無意味だけど」
「……私をバカにしているのか」
「ううん」
水瀬は首を横に振った。
「始末する敵に、情けも哀れみもかけないことにしてるから。大体−」
視線を恵美子ではなく、カードケースに移す。
「ホントに乗っ取っちゃったみたいだね。でも、結局は『モノ』にすぎない相手に、何をどう考えろっていうの?」
「!!」
驚愕の表情を浮かべる恵美子。
「ちょっとは考えればわかるでしょ?新井先輩を殺したいからこそ、手に入れた力なのに、どうして最も殺したい相手を忘れる事が出来るの?憎しみの対象を」
「黙れ」
「記憶(エサ)持ってる、都合のいい対象として沼田先輩を乗っ取ったんでしょ?でも、その程度じゃねぇ」
水瀬はため息まじりに、カードケースに言い放った。
「君、バカ」
「黙れぇぇぇっ!!」
右腕が鈍く輝いたのと同時に、恵美子は水瀬目がけて騎士並のスピードで突っ込んできた。
ブウンッ!
振り下ろされる右腕はあっさりと水瀬の手にした霊刃によって受け止められる。
霊刃によって止められたのは、右腕から伸びた「かぎ爪」。
霊刃とかぎ爪同士のエネルギーのぶつかり合いが、周囲を照明のように照らし出す。
「代償としての記憶なんてウソでしょ?君−」
「黙れといっている!!」
血走った目でにらみつける恵美子を、水瀬はただ、冷ややかに見つめる。
「君は記憶を食べることで生きている。だから、そういう甘い言葉で人をエサにしてきたんじゃない?」
「黙れ黙れ黙れぇ!!」
人間離れした力でかぎ爪を何度も振り下ろす恵美子の腹を、水瀬は遠慮もなく蹴りつけ、恵美子を吹き飛ばした。
「グフッ!!」
見事な弧を描き、噴水の縁石に叩きつけられた恵美子に水瀬が近づく。
「記憶って、そんなに大切にする人、少ないもんね。よく考えたとは思うけど」
うつぶせのまま動かない恵美子の肩に手を置いた途端、水瀬は勢いよく跳ね起きた恵美子にカードケースを押しつけられた。
「?」
「死ねぇ!!」
零距離で召還獣を腹に受けた水瀬は、ぶつかった召還獣と一緒に吹き飛ばされた。
「!!」
「水瀬君!」
未だ動くことが出来ない新井を引きずるようにして現場から逃げようとする美奈子が、巨大な「何か」と共に宙を吹き飛ばされる水瀬に、思わず悲鳴に近い声を上げた。
「おい……」
新井は苦しい息の下で、美奈子に言った。
「俺を置いて逃げろ」
「バ、バカ言わないでください!」
首根っこをつかんで必死に引きずる美奈子に、新井は言った。
「じゃ、せめて他をつかんでくれ。さっきからロクに息もできねぇぞ」
「あ、ごめんなさい」
脇腹に手をやると、今度は新井が悲鳴を上げた。
「イテェ!傷口開いちまう!」
「どこつかめっていうんですか!」
「自分で考えろっ!ていうか、俺を置いて逃げろつってんだろうが!」
「出来ないっていってるんです!」
「俺は騎士だ。カタギを巻き込むわけにはいかねぇ!」
「ヤクザじゃないんだから!」
思わずにらみ合う二人だが、不意に新井がため息と共に肩をおとした。
「……ったくよぉ」
「……せっかくなんだからキメさせろよなぁ」
「先輩……?」
「もう、いつ死んでもいいんだからさぁ」
自嘲気味に、クックッと喉で笑う新井に、美奈子は言った。
「ふざけないで!」
「あぁ?」
「せめて死ぬなら、落とし前つけてからにしてくださいよ!男でしょ!?」
「落とし前だぁ?」
「先輩、何を見ているんです!?沼田先輩、あんなにしちゃったのは誰なんですか!?先輩じゃないですか!女の子をあんな風にして、自分は知りませんで死ぬなんて、そんなの勝手じゃないですか!」
「……」
「沼田先輩が許すっていうまで生きて、それから死んでください!そうでなきゃ、私、先輩を許せません!」
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