第292話 アルベルト・アインシュタイン

“一見して人生には何の意味もない。

しかし一つの意味もないということはあり得ない”




古代ギリシャの人の言葉もそうだが、アインシュタインの言葉も


付け入る隙がない。それほどまでに完璧に近い、見事な思想だ。


かれらの多くは、弱者でありながら、強者も敵わない強さがあった。


それが信念である。信念の強い人間に、最近は出合う事は無い。


自分の人生の真の価値は、自分では気づかない事が多い。


ソクラテスやアインシュタインたちは、自分たちが消える事で


時代が変わるとは思ってはいなかったはずだ。


ソクラテスに関しては、自分を処刑するのは国の損失になると言った。


しかし、二千年以上たっても、かれらの存在は消える事はない。


かれ自身も、そうなるとは思ってもみなかったはずだ。


別に言葉を使うから賢いとか、知識が豊富だから物知りだというわけではない。


知っているだけだ。理解はしていない。


私は、皆が口を揃えて賢いと言われていた人と話した。


一分もしないうちに、賢くないのはすぐに理解できた。


私よりも遥かに高齢な人であったが、多少の知識がある程度だった。


何々は私も考えていたが、お金が無くて実現出来なかったとか、


そういう事を色々言っていた。


そもそもが、自分だけが考えていると、考えるほうが間違っている。


これほど大勢の人がいる世界において、考える人たちは多くいる。


そして、その周囲にいる人は、その人を賢いと思っているのにも驚いた。


つまりは、人生と言うものを理解していないから、そうなる。


想い出に浸るのは、余命宣告された時や、高齢でいつ逝ってもおかしくない


くらいになるまでは、想い出に浸ってはいけない。


ただの過去でしかないからだ。

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