第283話 自分の半生とは別視点で見る

 自分の半生を以前書いていたが、こちらに統合していこうと思う。


解決不能の終着駅は同じだと理由と、単純にまとめたほうがと思ったわけである。


最近は悪夢を見る事の減った。保健士さん的にも私の相談は誰にも解決出来ない事が


分かり始めてからは、私のストレス発散の為、近況を話している。


私の弟は長年携帯を持っていなかった。誰からもかかってはこないからだ。


私も保健士さんに携帯を解約しようかと思っていると話した。


当然、止められたが、現在の私が話す人数は片手で収まる程度しかいない。


以前は多数の友人がいた。しかし、色々な面からの自己判断で、この話をするのは


相手に負担しかかけないと思ったからだ。


もう半年ほど前になるが、ある日、保健士さんと話している最中に、


その時、話していた話とは無関係に、「誰にも信じてもらえないのは辛いですね」と


言われた。今思うと、あの時、何かしらの私の話と、何かが頭に浮かんだからの言葉


だったのではないかと推測する。


人生において、何とかなる許容範囲は皆、それぞれ違う。


そして、人生は何とかなると思っている人の多くは、そこまでは追い込まれてないの


だと私は色々調べていくうちに理解した。


私の抵抗は非常に邪魔であったであろう。私の声は父である悪魔のようなやつにとっ


て耳障りなだけでしかなかった。全てを物としてしか見れない希に見る人間だった。


そういう人間には基本悩みなどない。全ての事に対して、金か権力で終わらせるから


だ。一点をじっと眺めていると、現実であってもそれは見えてくる。


うちの父は幼い頃から何でも可能だった。不可能は無かった。それは時代背景も垣間


見る。昔、街で自動車に乗っているのは、私の一族だけであった。


だから全員、無免許運転の前科もちである。走っている度に、うちの人間だとわかっ


ている警官は、一応止めるだけで運転には気をつけて、と言われるだけになっていっ


た。その頃は警官に対して、賄賂的な高級洋酒などをあげていた。


トラブルが起こっても政治家や警察のお偉いさんがもみ消していた。


私は、その当時はまだ生まれていなかったが、話はよく聞いた。


当時、小学生だった父と十代の親類と喫茶店に行き、ケーキとコーヒーを頼むと、前


払いを要求された。理由は当然値段だ。当時のサラリーマンの一カ月の給料がケーキ


の値段だった。コーヒーも同様である。二人は面白がって、何度も注文したと話して


いた。私は保健士さんとゆっくり話すことで、自分の世界では当たり前だったが、


それは異常な世界であったのだと、今は気づいている。おそらく全てではない。


祖父の家はとにかく広かった。うちの家も同様に広かった。だから私は狭い家のほう


が正直言って気楽だ。馬小屋の話をした時にも、「馬小屋があったんですか?!」と


言われて初めて、普通はないかと理解した。


子守役のばあやや、閂がつけられている外門の大扉なども、確かに他では見た事がな


い。二メートルほどある石像も数体あった。


私は偉人的功績を残しながらも、自殺した人々の事を調べに調べた。


正確にいうと、自殺しなかった人間を探したのだが、世界中を調べた。


調べるうちに、神話まで遡っていったが、真実として残されている記録は無かった。


私は、我が一族を見てきた。真実などほとんど存在しない。


考えてみれば当たり前のことだ。当たり前の事だが、見つけようと頑張った。


私は一族と闘って予想通りではあったが、負けた。


哲学者のひとりが、組織的な相手に戦いを挑んでも勝つ事はできないと


言っていたが、その通りだと戦ううちに気づいていった。


この話に触れると、どんよりと暗雲のようなものが頭の中を支配していくように


感じる。感じたら止める事にしている。前例があるからだ。


突き詰めすぎて、急性心不全になった。医者の診断を受けてないのにと言われたが


私はあからさまな体外的傷は多く残してきたが、メンタルな体内的から来る痛みなど


は裂傷などで、本来は即入院らしいが医者どもの世話になる気はない。


急性心不全になった時には、人生で初めて、死を間近に感じた。


最初はPCで映画を見ていた。最初は目がチカチカして、その頻度がどんどん短くな


っていき、明らかに危険な何かが迫っていると気づいてPCを落とそうとしたが


それさえもできなかった。私は這いながらベッドで横になった。


後で調べてみたら基本では座った状態になるほうがいいと書かれていたが、


私の一族には10人以上の医者がいる。各分野の医者がいる。いないのは


心療内科くらいだ。医者であって医者とはまだ認めれてないのが本音だからだ。


私の場合は全てストレスから来ている為、西洋の病院に行っても意味もなく、


処方する薬もない。自己解決の道も閉ざされた為、生きていこうと思ったのも


極々最近だ。生への道と、死への道を両立して進むのは非常に疲れる。


だから私は、昔から実践している、私との契約を結ぶ事の中に勝手に死んではいけな


い。という条約を自分と結んだ。これにより保健士さんに報告せずに勝手に自殺しな


いと約束をさらに上書きして強力な想いとした。だから私が自分で死ぬ事は決してな


い。

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