業火な御馳走

第1話

Dream plan

道路には陽炎が揺らめいて、蝉の声がうるさかった猛暑日だった。

俺はそんな日に余命宣告を受けた。

「佐藤十思（さとうじっし）さんの命は持って半年です…」

そう言った医者の声が遠くで聞こえる気がした。

「え…今なんと言いましたか？」

目の前が真っ白になり、耳の奥で蝉の鳴き声がやたら大きく聞こえた。

「あなたは世界でもまだ4件しか症例がないCEVになってしまいました…」

医者の顔には、やるせない表情を浮かべ、口にはまるで接着剤が着いているのではないかと疑ってしまうほど、固く閉じられていた。

「CVEとはどのような病気なんでしょうか？」

医師はゆっくりと口を開いた。

「この病気は、半年という時間をかけゆっくりと激痛とともに細胞が膨張していき最後には、身体が破裂してしまうという病気です」

「そうですか…」

そう言って俺は医者の声が全く聞こえ無くなった…

その後、途方もなく歩いていたが、ふと我に返り顔をあげると小さな公園があり、公園を囲むように家が立ち並んでいた、平日だからだろうか、公園には一切の人気がなかった。

佐藤は公園に入り、ベンチに座った。

ベンチは猛暑日なのに氷のように冷たく感じた。

そして、病院での出来事を思い出していた。

思い出していると、やり場のない怒りが立ち込めてきた。

俺はどうして、こんな人生なんだろうか…小学生の時に俺が学校から帰って来ると、両親は多額の借金を残し蒸発した…

その後も散々だった…

祖父母には元々嫌われていて飯は3日に１回でハエがたかっている生ゴミみたいな残飯だった。

毎日蹴られ殴られた、祖父母で生ゴミを食わされて風呂も入らせてくれなかったから小学校に行ってもいじめられた…

いじめっ子の脱糞を食わされたり、全校生徒の前で裸にされたりした、もちろん教師は見て見ないふりをしていた…

何とかそれでも生きてきた…

高校ではバイトを掛け持ちして一生懸命に働いてやっと1人暮しができるようなって祖父母から解放されたが、初めて出来た彼女を自殺させてしまった。

その後もいじめられただが、卒業しなければ生きていけないと感じ心を無にして耐えた…

高校を卒業後、世間が一般的に言うブラック企業に就職した。俺にはそういうところしか残っていなかった…

それでも一生懸命働いたが、給料は月5万だった…

挙句の果てに会社内ではストレスの捌け口に暴力と集団レイプされた…

身体中ボロボロで1年ぐらい歩けなくなった…それがきっかけで会社をクビになった…

なぜ俺だけがこんな辛い目に合わなければ行けないんだ…

その時頭の中で、悪魔が囁いた。

お前をいじめてきたやつ全員に同じめに合わせてやろう

「そうだ…復讐しよう…」

そう思うと少し気持ちが楽になり動けるようになった

俺は家に帰ると、一目散に散らかっている荷物を端にどけ、チラシをとって裏側に復讐する人物と計画を書いていた。

しばらく時間は経って空は血のように赤く染まっていた。

佐藤は満面の笑みを浮かべ、新しいおもちゃを買ってもらった幼い少年のように興奮していた。

「これならあいつらに最高の復讐ができるぞ！どうせ半年の命だ存分にあいつらを苦しめてやる！」

そうして俺はその計画をこういうことにした。

「Dream plan」