第5話

「それは...昔、車に乗ってバレエ教室に通っていた時に、遠目で見たの。買い物袋、ふたつも提げて、この部屋に入って行く山吹くんを...偶然にも目撃してしまったのよ」


「そ、そーなんだ、、

それはいいとしても家出って、ヤバイと思うケド...」


「今夜、すごく寒いね...」


よくよく見れば彼女は震えていた。

急に可哀想になり、俺は譲歩することにしたんだ。


「ま、えーと、散らかってるけど、

今、父さんも母さんも仕事でいないから

部屋に入ってもらってもいいけど、、

何も食べるものないかな...」


「...あっ、そういえば、あるな!」

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