06:幼馴染み設定を入れて04の続き

 私たちはこれからもずっと一緒に生きていくのだと思っていた。

「じゃあ、こうしよう」

彼女は名案を思い付いたというように声を上げ、繋いだ手を解いて、再び私に近づいてきた。

「今度来るときはさ、二人で一本ずつ持ってこようよ」

彼女はそう言って私に向かって手を差し出す。私は少し考えてから、

「いいけど」

と答えた。

「うん! 約束だよ」

彼女はそう言って、私の手を取る。

そして二人は、再び歩き出した。

「…………」

私はふと、彼女の顔を覗き見た。

彼女は

 

 

 辿

 

 

 

 

 

「どう? すごいでしょ?」

彼女はくるりと振り返って、得意げな表情でそう言う。

「うん。すごく綺麗」

私が答えると、彼女は満足げにうなずいた。

「ねえ、ここをあなたの秘密の場所にしてもいい?」

「もちろん」私が答えると、彼女はにっこりと笑った。

それから、彼女は何事かを呟きながら、地面にしゃがみ込んだ。

「?」

私が首を傾げると、彼女は立ち上がって、

「大丈夫、ただのおまじないだから」

と言ってから、もう一度、その場に座り直した。

私は彼女の隣に腰を下ろした。

「おまじない?」

「うん」

「どんなことするの?」

「それは秘密」

「どうして?」

「だって、恥ずかしいじゃない」

彼女は頬を染めて、照れたような仕草をして見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぁあああっ!」

彼女は私に抱きつこうとして、しかし、私の体をすり抜けてしまった。

彼女はそのまま、私の背後にある花畑に倒れ込んでしまった。

私は、彼女を助け起こそうとした。

けれど、触れられなかった。

彼女に触れられなかった。

私は、彼女を助けることができなかった。

 

 振り払った。

 



使

 

 


 

 

 

ありがとう」と。

「汚くないの?」「ええ」

「触られても怖くない?」「ええ」

「私、きれい?」「ええ」

「あなたは?」「ええ」

「あなたは、綺麗?」「ええ」

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る