第18話 流通大作戦

          流通大作戦

 タイタンズのメンツと4人で話し合う、単純に教会へ卸すのはどうかと思ったからである。

 そして結果、一芝居打つことになった。

 まず、手始めに数日掛けてある程度の材料を4人掛かりで集め、数をそこそこ揃える。

 ちなみにその採集の最中に、抜かない内に魔素を定量与える実験もして見たが成功に至って居る。

 やはり私の研究成果は間違って居なかった。

 あとは私が変装をし、孤児院出身者のクリスちゃんとキース君、エルフのザインちゃんの三人に護衛される形で聖女として教会へ行く。

 んで、ポーションをもたらし、製法も確立して居るのでサポート出来るナノマシンを神父さんにでも寄生させて、神父のマナを媒介に魔素を操る事で、特級薬草(勝手に名付けた)栽培や錬成が出来るようにしてあげる。

 ちなみに今回、それ用に新たに作ったナノマシンは、自己増殖はするが万一神父が怪我をしても修復はしない、通常、触れたり動かしたりが出来ない魔素を操作する事に特化した機能を持つもの、と言うだけの単純な物。

 魔素の数値が見えずとも畑で育てて魔素を与え続ければ出来る筈だからね。

 万一にも私利私欲に目が眩んだおバカ貴族が罷り間違って神父を殺してしまうような事が有るとその技術は失われると言う寸法になるので下手な事が出来なくなるって訳だ。

 聖水を売ってる位なので井戸くらいは持って居るはずなのだ、教会は、従ってもしも干ばつ等の状況になってもある程度の水分は確保出来ると踏んだので畑を作らせる気満々である。

 製法も教えてやれば、私は一時的に立ち寄った、旅をして布教する聖女であって、聖女のご尊顔は決して見てはいけないと言う事にでもして仮面を被ってしまえば、私とは別人の認識である。

 ローポーションと言うある意味一種の聖遺物が生み出せるのは私と言う認識にはならない筈で、これなら大問題は起きないのでは無いかと。

 しかも聖女は旅を続けている筈なので何処に現れるかも判らない上にこれだけ広い世界の何処に居るかも判らないたった一人を見つけるなんて至難の業だ。

 プランが決定したので早速、採集クエストを受け、森へ。

 今度は、ナズナでも根治草でも採集してしまえば問題無いので集まる数もこれまでの比では無い。

 しかも、怪我で休業宣言をしているタイタンズの3人も手伝ってくれているので尚更早い。

 3日間の採集でローポーションも2ダースほどが完成した。

 そして完成したローポーションを数本、ポーチに入れ、自作の仮面を被り、それっぽいローブを纏って準備完了である。

「さて、それでは皆様、教会へ案内していただけますか?」

 この喋り方結構辛いな・・・まぁしゃーねーな。

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