第18話 ギルド報告→プール



「うーん、つっても何するか…

 うちにある娯楽ってギャンブルかゲームか

 プールか劇場くらいだもんなぁ」


「プール、いいじゃないですか!

 私、プールで遊ぶの好きですよ」


「俺もっす」


「うーん、男二人と女の子一人ってのは…

 犯罪のかおりが…」


「確かにっすね…」


「お二人なら気にしませんよ?」


「そっすか?じゃ、行きましょー!」


「ちょ、おい!昼飯まだだろ!

 あとプールはそっちじゃねぇぇええ」




お昼ご飯はブイヤベースを食べました。


おいしかったよ。




「…男子更衣室がこっち、女子更衣室そっちだ。

 タブレットで水着出してくれ」


「おいっす!」


「はい」


「じゃ、また後で」


「またねっす!」


「はい!」





「思えば、こっちの気温って結構暑めだしなぁ」


「そうっすね〜」


「丁度良かったかもな」


「確かにっすね。朱孤さんは、

 水着どんなのにするんすか?」


「ま、シンプルな赤い下と

 黒いラッシュガードかな」


「俺は波模様の青い水着っす!」


「良いじゃん」


「でしょ?」


「ああ。あと、そっちが出口だ。

 なんかほしいもんとかあるか?」


「えーと…ビーチボール、浮きマット、ゴーグル…

 くらいですかね」


「そうだな。出しておくよ」


「あざっす!」







「うぉぉおお広ええ!…明るいっすね…陽の光が」


「限りなく似せてあるとは言え

 陽の光じゃないけどな」


「おわ、サマーベッドある!」


「はしゃぐなよ」


「良いじゃないすかー」


…確かに。


「別に良いか!」


「でしょー?あははは!」


「お待たせしました〜」


「おお〜」


「似合ってるよ」


「そうですか?ありがとうございます」


黒茶色の毛皮に合うおとなしめの紺色のビキニ。


いやぁ、前世じゃこうはいかなかったな。


「もう待てないっす、行くっすよ!」


ぴょん。だっぱぁぁーーん…


「おわっ、びしょ濡れんなったじゃねーか!」


「良いじゃないすか!どうせ濡れるんだし!」


「確かになー!」


「フフ、楽しそうですね」


「何言ってんだ、

 アンバーちゃんも楽しまないとな」


「はい!」


「俺たちも入ろうぜ」


ざばば〜ん…


「気持ちいいいーっす!」


「いいな、これ」


「涼しいですねー」



「おいティガ、向こう岸まで競走だ!」


「おわっずるいっすよー!」


「あはははは」




「ヘイパス!」


「そりゃっす!」


「うわわ、てい!」


「こっちだ!」




「ああ〜、揺蕩うの気持ちいいっす〜」


「のんびりだなぁ」


「このマット、水に浮かべてるのに

 三人で乗ってもびくともしないですね〜…」




「びべびべ、ぶびぶーべぼぶぶぶぼ…」

(見てみて、水中でこうすると…)


「おお、綺麗な泡の輪っかだな」


「すごいですねこれ」




「身体能力にものを言わせて…

 ほれみろこれ!水上走り!」


「すげぇぇええええ」


「忍者…」




「スイカでも割って食おうや」


「いいっすね〜!」


「なんか、目隠ししても気配でできそうですね…

 (苦笑)」


「そんなこともあろうかと、ほいこれ

 認識阻害目隠しbyコルネリア社」


「誰から挑むっすか?」


「じゃんけんしましょう」


「「「じゃんけん、ぽん!」」」


「俺の勝ちっす!俺が割ってやるっす!」


「くそー」


「私達は指示出しですね」




「前!前!」


「もう少し右向いて!」


「行き過ぎた!ほんのちょっと左!そこ!」


「行くっすよ!ちぇぁありゃああ!」


ティガが木刀を居合抜きのように

軽く振り抜くと、見事に中心を

捉えられたスイカが砕けた。


一部は飛び散った。


「ナイス!」


「当たりました!」


「おお〜、やったっす!」


「早速三人で食べようぜ」


「はい!」


「勿論っす!」





「瑞々しくて美味しいっすね」


「スイカなんて久しぶりです」


「俺も久しぶりだが良いもんだな」


「ですね」


「んまいっす、も一個」


「めっちゃ食うじゃんお前」


「あはは」


「美味いのが悪いんす」


「まぁ分からんでもない」


「くらえタネ鉄砲」


「うわ汚な」





「今日はなんか楽しかったっす」


「あー、プールもいいもんだな」


「そうですね」


「明日は金でも稼ぐかぁ」


「そうっすね、つっても何もしなくても

 暮らしていけるんじゃないすか?」


「確かにそうなんだが」

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