キョウキナカノジョ〜彼女が俺の嫌いな人を××しまくってヤバ過ぎる〜
カイマントカゲ
第1話 カワイイカノジョ
「今日でやっと今週が終わり、か」
金曜の夜、俺は仕事を終えていつもの帰り道を一人歩いていた。
会社と自宅の往復の繰り返しの日々、休みは寝て適当にダラダラとゲームしたりして過ごすだけ。そんな日々を退屈に思いながらも何かをするのも面倒で結局一日が終わる。特別大きな不満があるわけでもないが、大きな喜びや興奮もない。そんな日々を過ごしていた。
「あ、あのっ!……
誰もいない暗い夜道の中、急に背後から名前を呼ばれ驚き振り返る。そこには見覚えのない黒髪ロングの美少女が立っていた。
「そ、そうですけど何か?」
俺がそう答えると、その美少女は満面の笑みを浮かべる。
「私の事覚えてませんか?
「能見隣子……さん」
俺は記憶の中を辿るが、イマイチ思い出せない。でも知らないと言うのも気まずかったので適当に合わせてしまう。
「あ、ああー久しぶり。俺の事なんかよく覚えてたね」
「もちろんですよ!小学校から高校までずっと同じだったんですから」
そんなに同じだったのか?しかしこんな美少女の事を全然覚えてないなんてな……。
「と、ところで何か要件でも?」
「そ、それは……えっと……す、す、好き……です。付き合ってくだ……さい」
能見さんは恥ずかしかったのかいい終わると手で顔を隠す。正直かなり可愛い。
そしてその可愛い子に告白されたのだ俺は。彼女のことは全然覚えてないし、俺的にはほぼ初対面なのだが、今の生活がもしかしたら楽しくなるかもと思い、受け入れる事にした。
「俺なんかでよければ」
「や、やったぁ!本当に!?秋山くんが私と!?夢じゃない、よね?」
能見さんはよほど嬉しかったのか、涙目になりながら喜んでいる。
「そんなに喜ばれるとこっちも恥ずかしいな……」
「だってずっとずっと夢だったんだもん。秋山くんと付き合うことが……。あ、そうだ!望実って呼んでもいい、かな?」
「うん、全然いいよ。じゃあ俺も隣子って呼んだ方がいい、のかな?」
「っ!!」
俺が名前を呼ぶと彼女は急に涙を流し出した。
「だ、大丈夫?」
「大丈夫じゃないよ〜、だって望実が隣子って名前で呼んでくれたんだもん。嬉しくて……」
「お、大袈裟だなぁ」
まさか名前を呼ぶだけでこんなに喜んでくれるなんて、どれだけ俺の事好きなんだ?俺は正直初対面みたいなもんだから彼女のことあんまわからないんだけど……。
こうして俺は能見隣子と付き合うことになった。いきなりだったけど、見た目は可愛いし、俺の事もなんかすごい好いてくれているし、楽しみな気持ちになっていた。
これが狂気と惨劇の始まりだとも知らずに……。
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