暴力 

なにか辛いときがあったとき、負けないように心を殴る。

なにか悲しいときがあったとき、それは幻だと心に囁く。

なにか寂しいときがあったとき、それは偽りだと心を蹴る。


そうやって心を痛めつけ、傷つけて。

「自分はとても可哀そうな人間だ」と嘯く。


自分の口が、自分の心を傷つける。


そうやって自分を守ってるなんて。

そうやって自分を生かしているなんて。


それは守りではなく、ただの暴力である。

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