オリジナル・オンライン
空花凪紗~永劫涅槃=虚空の先へ~
プロローグ
「よっしゃーーー!!!!!俺は世界一位だ!!!!!」
今、VRMMORPG『エターナル・オンライン』で開催された初の世界大会で俺は堂々の一位を獲得した。ジョブは一対一では不利とされていた魔法使い系最高位職の大魔道士だった。魔法使い→魔道士→大魔道士or賢者と言う派生で、賢者よりも大魔道士の方が攻撃に特化している。相手ごと辺り一体を吹き飛ばすような高火力魔法を使うのが何よりも好きだった。そして決勝戦の最後は光属性最強の
一度ログアウトして余韻を味わう。パソコンを起動してネットで『エターナル・オンライン 世界大会』と調べると、ついさっき終わったばかりなのに世界大会の動画がいくつも上がっており、俺が戦っている決勝戦の試合の動画は再生回数はすでに100万を越えていた。
さらに俺のキャラクターの考察がなされているサイトまであった。
うんうん。これだけで白米三杯はいけそう。
今日は興奮して寝れそうにないなぁ。よし。せっかく世界一位のタイトルを取ったんだし、さらに高みを目指すか。今夜は徹夜だ!そうと決まればエナドリをキメて早速フルダイブ。
失敗した。やっぱり次の日が学校の時は徹夜するのはやめよう。そんなことを考えながら登校していると
「なぁ。昨日の決勝戦見た?俺はまだ魔道士だけど絶対大魔道士にするわ」
「『Sea』と『神龍』のやつだろ。あれはまじ熱い。てか、人間技かよ、あれ」
「そうそう。もはや人間辞めてるよな」
チラホラと『エターナル・オンライン』の話が聞こえる。よもやここにその『Sea』本人がいるとは思うまい。というか人間ちゃんとやってますよーだ。
授業は全然集中できないし起きているのが辛い。何度か居眠りをして先生に叩き起こされるわ、頭は痛いわで良いことはなかった。こういう時はさっさと家に帰ってゲームに限る。
家に帰り自室のドアを開けると、どでかい段ボールと小さな箱があった。なんだこれ。全く身に覚えがないぞ。箱に付いていた手紙を読む。えーなになに。
『この度弊社の『エターナル・オンライン』世界大会にて優勝されました海野陽太様に最新のフルダイブVR装置『Rain』とそれに対応したゲームソフト『オリジナル・オンライン』をお送りしました。是非お試しください。……』
なんだと!優勝しただけでこんなに豪華な景品が来るのか?いやいや、普通はあり得ないだろ。懐疑的になりつつも早速開封してみると、手紙に書いてある通り大きい方はカプセル型のフルダイブVR装置だった。小さい箱に入っていたのはネットで調べても何一つヒットしないゲームだった。しかも容器は真っ白でそこに『オリジナル・オンライン』と後から付けたように書いてあるだけだった。
もしかして試作品とかなのだろうか。だったらもう少し説明があってもいいはず。まぁ、正直、この際新しいゲームができるんだからいいか。とりあえず『Rain』を起動して『オリジナル・オンライン』のソフトを本体に差し込む。
ゲームが始まったと思ったら、いきなり街のど真ん中だった。あれ?オープニングは?最初の説明とかキャラメイクとかないの?しかもこの街、とても見覚えがあった。『エターナル・オンライン』の最初の街『ノワンダール』だった。
「一体どうなってるんだこれ」
これ、もしかしてチュートリアルとかない感じか?それに見渡してみた感じ他のプレーヤーもいなさそう。とりあえずステータス画面を開くか。
「あれ?ステータス画面が開かないんだけど。それにログアウトボタンも……」
あれ、これ詰んだ?ちょっと待て待て。
「ステータス!」
無反応。
「ステータス、オープン!」
今度は周りを歩いていた人が「あの人おかしくない?」とか「見ちゃダメよ」と反応してくれた。いと虚しい。
これはもしかしなくてもゲームの中に閉じ込められたのではないか?というかそれが狙いだった?このゲーム『オリジナル・オンライン』は見た感じ『エターナル・オンライン』と世界が同じだ。それと世界一位との関係性。うーん。わからん。とりあえずまぁ普通にプレーして行くか。
手紙全文
『この度弊社の『エターナル・オンライン』世界大会にて優勝されました海野陽太様に最新のフルダイブVR装置『Rain』とそれに対応したゲームソフト『オリジナル・オンライン』をお送りしました。是非お試しください。ただし注意事項がございます。このゲームはただのゲームではありません。『エターナル・オンライン』と違って一度死亡すると再挑戦ができません。また、死亡するかクリアするまで途中で中断することができません。なお、ゲームスタートと同時にプレーヤーは『Rain』の機能により身体機能が停止し、魂が
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