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 謎の城が出来てしまいましたが、誰かのイメージが混ざったんでしょうか? 近くに沢山人がいましたし、もしかしたら手伝ってくれたアーさんやフェンのイメージなのかもしれません。


「んー、魔王城?」

「え、あれ知ってるんですかバレンタイン」

「知ってるぞ。あれは魔王城とそっくりだ」


 ……聞かなかったことにした方がいいのかもしれません。まぁ出来てしまったものを壊す気もないですし、普通に住居として使いましょう。


「アーさん、フェン、ありがとうございました」

「いいのだ、主に頼られることは珍しいからな」

「我もマーガレットの助けとなることは嫌なことではない。にしても、なぜ魔王城が?」

「アーさんのイメージでは?」


 魔王城とやらは多分魔界にあるのでしょう? なら、魔界出身のアーさんかフェンのイメージが影響したと考えられます。


「いや、我ではないぞ? 我は魔王城を遠目にしか見たことがない。あそこまで細かくイメージは出来ない」

「フェンは?」

「違う」

「だとしたら……誰のイメージでしょう?」


 わかりません。分かりませんが……今はそこまで大事なことでもないです。それよりも激しく疲れました。仕事モードでただでさえ疲れていたのに、極大魔法なんて使ったから完全に体力の限界です。


 フェンのもふもふによしかかりましょう。正直立ってるのも辛いです。フェンも察してくれたのか受け止めてくれます。


「もふもふです……私は寝ます……」

「……凄まじい魔法を放ったとは思えないな。だが、やはり主は凄まじい」

「そうだなフェン。マーガレットは凄まじい力を持っている。だからこそ、頼られて我はとても嬉しかった」

「……アーさん、素直だな」

「寝てるからな。何を言っても聞いているのはフェン、お前だけだ」

「後でマーガレットに伝えようか?」

「やめろ、恥ずかしくて死ぬ」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「んー、もふもふ……」


 もふもふに囲まれる夢を見ました。ですが目覚めた場所はもふもふではなくベッドの上です。うーん、色んなもふもふを体験したいですね。フェンに知り合いが居ないか聞いてみましょうか。


「おはようございますマーガレット様」

「ルールーですか。おはようございます、私どれくらい寝てました?」

「一日半です。マーガレット様」


 通りでお腹が減ってるはずです。にしてもルールー、昔と同じでメガネがとても良く似合いますね。私としてはその姿のルールーを見ると仕事をしないといけない状況を思い出すのでちょっと嫌なのですが。


「お腹が好きました」

「用意してございます。あと、わたくし達はマーガレット様が作ってくださった住居に住んでおります。城はシルフィさんと話し合った結果、マーガレット城と命名しました」

「馬鹿なんですか?」


 なぜ私の名前をそのままつけるのです。わけが分かりません。というかなんでルールーはそんなに馴染んでるのです?


「城の名前は却下です」

「既に住民には知れ渡っています」

「住民てなんです? ここに住んでいる人達ですか?」

「はい。マーガレット様の収めるこの地に住む人々のことです。人々といっても、もちろん悪魔の方々やフェンさんも含まれています」


 私は治めていませんよ? 皆で仲良く暮らしたいだけです。


「マーガレット様がのんびり暮らしたいという思いは、わたくし達も聞きました。ですが、これほどの規模になると代表者が必要なのです」

「確かにそうですけど……私は仕事をしたくありません。なので領主の真似はしませんし、これまで通り自由気ままに、のんびり暮らしますよ?」


 そう私が言うと、ルールーはにっこり笑います。


「もちろんです。わたくし達も、王国とは違う、この御伽噺のような地での生活にワクワクしているんです。種族の差をこえてのんびりと幸せに暮らす。とても楽しみにしています」


 そう思ってくれて良かったです。ルールーも王都時代のように私に仕事を振り割る気はないようですし、他の人たちも悪魔たちを受けいれ、暮らしているのならば大丈夫です。


 随分数が増えましたが、これまで通りのんびり暮らしましょう。


「とりあえず、私はご飯を食べに行きます。ルールーも一緒にどうです?」

「御一緒させていただきます!マーガレット様!」

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