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仕事モードはまだまだ終わりません。やる気があるうちにことをどんどん進めましょう。
「今後、家が増える可能性があります。道や施設の位置なども予め決めておかなければなりません。エルフの人達の中で、そういった事に関わったことがある人はいますか?」
こういうのは、経験がものをいいます。そう思って聞いたのですが、そういった経験がある人はエルフにはいないようです。
「わかりました。では私がある程度の草案を出すのでそれにそって道の敷設と建築をお願いします」
すこし、大変ですがやるしかありません。土魔法をつかって頭の中にある街の模型を簡単につくります。昔、王都で実施されようとしていた改革案を少し弄ったものです。王都では生活が根付いた人が多すぎて実行されることはありませんでしたが、ここなら出来るでしょう。もちろん、規模は小さいですが。
「アーさん主導で資材の準備を」
「わかったが……急に人が変わったようだぞ? 大丈夫かマーガレット、変なものを食べたのか? いくらお腹が減ったからと言って謎のキノコとかは食べてはいけないんだぞ?」
「私をなんだと思ってるんですかアーさん。ちょっと仕事に本気出してるだけです。それより、家畜の件ですが、やっぱり魔界に頼らないと厳しそうなんですよ」
交易先を見つけて、家畜を分けてもらうというのは難しいですし、野生などそうそういるものではありません。
「ですが、適当に召喚するとこの前みたいな事態になってしまうのでやり方を変えます」
まず、悪魔たちの中でも強めの人達に魔界に行ってもらいます。そして、魔界で家畜になりそうな生き物を見つけたら私がそこを狙ってゲートを作るという方法です。面倒くさがらず最初からこのやり方をとっていればフォーレイのような龍が来ることは無かったんですけど。
方法をアーさんに説明し、あとは任せます。これで街の発展、建築についても一段落です。
「他に仕事は……」
やる気のあるうちに色々と終わらせたいですね。他には……あ、バレンタインや子供達が凄くこっちを見てます。なんでしょう?
「みんな、マーガレットの偽物が現れたって噂してたから見に来た!」
「失礼ですねバレンタイン。私だってたまには仕事をするのです」
私がそう返すと、子供達は微妙な反応をします。……まさか子供達に偽物と疑われるレベルで私は仕事をしない認識だとは思わなかったです。これからはちょくちょく仕事モードになった方がいいのかもしれません。
「そうだバレンタイン、何か困ってることはありますか?」
「困ってること? んー、私個人の話だとしたら、戦えないのが少し嫌だ」
「戦いですか?」
「そう、戦っちゃいけないのはわかってるし、みんなを傷つける気もないけど、戦いが生き甲斐みたいな物だったから少し寂しい」
ふむ。破壊の衝動から戦いたいと言っている訳では無いのですね。
「じゃあ、みんなで戦闘訓練でもすればいいのではないですか? 勿論、悪魔やエルフに監視を頼んだ上でですけど」
「戦闘訓練? 私が教えるのか?」
「はい。あなた、それなりに強いでしょう?」
「それなり……それなりよりは強いぞ?」
「なら、みんなに強くなる方法を教えてあげてください」
子供のうちから戦闘訓練を行えば、強くなれます。私の目が届く範囲は必ず守りますが、万が一自分で見を守らないと行けなくなった時、戦えないのは困りますから。
「……わかった! やってみる!」
「はい。頑張ってください。訓練場は明日までに用意しておきますから、今日は訓練内容を考えておくんですよ?」
「ありがとう、マーガレット!」
「どういたしまして」
さぁ、次はなんの仕事をしましょう。
そう考えていると、偵察に出ていたはずのフェンが息を切らして家の扉を開けて入ってきます。
「主よ、人間の集団だ!」
これは、大きな仕事になりそうです
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