路地裏の住人

「路地裏の住人」は、すべてを知っている。


「いつ」

「どこで」

「だれが」

「なにをしたか」


「路地裏の住人」は、すべてを知っているが、

 表の人間は「路地裏の住人」を見たことがない。


 情報屋として存在する彼ら。

 真実は「路地裏の住人」に聞いた方が確実なのだ。


 情報屋として動く彼ら。

 情報を聞き出すには、見返りが必要だ。


 見返りを用意できなかった場合、

 依頼者がどうなるか、は分からない。


 なぜならば、

「路地裏の住人」に会った者はからだ。


 彼らは、

 噂や伝説として、街に巣食う者。


 それでも彼らは実際に存在し、今もどこかで生き続けているという。


「路地裏の住人」の目が光るうち、

 そこに人間われわれの介入できる余地はない。

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