白と黒と群雄殿

この世は理不尽な選択に満ちている

ハッキリできることなんてそうはない

白黒つかないことばかりなのに

白黒つけろと求められる世界だ


そのうえ 白は黒を嫌い

とうぜん 黒は白を嫌うだろう

そのくせ 曖昧な色を選ぶことは

許されているようで許されていない


多様性を主張するのに虹色は丁度いい

しかし一方で彼らが踏みつけにする

白と黒のなかで心地よく生きる人間は

決して消えはしないのだよ「群雄殿」


いつの間にかそれに慣れたような顔で

人混みに紛れて息を潜めているものは

生きたい場所を見失ってしまえば終わり


赤だの青だのグラデーションだのと

さまざまな色を大事にするというなら

白と黒も等しく大事にするべきだろう


決しておざなりにしていいわけじゃない

白と黒だって立派な色じゃないか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る