十月三十三日:投票

【投票開始】

【投票結果の結果、本日の処刑は『剣道部』に決定しました】



『剣道部』は音もなく、床に倒れた。『元バスケ部』が低く呟いた。

「狩人は絶対に『美術部』を守れ。必ず明日、霊能の結果を見せろ……」

『元バスケ部』は死体を見下ろしたまま動かなかった。



「処刑したくなかったな……」

 編入生が顔を上げると、『生物部』が立っていた。

「彼を占ったのは疑いたくなかったからでもあるんだ。運動部と文化部だからあんまり関わりはなかったのに、水槽を運ぶのとかをよく手伝ってくれてね。『元バスケ部』の先輩も一緒にやってくれたんだよ」

「想像つかないな」

『生物部』は泣きそうな顔で微笑んだ。

「よくふたりで体育館から出てくるのを見たよ。仲良かったんだろうね。彼、怪我で大会に出られくなってから変わっちゃったけど、みんな離れてく中で『剣道部』だけは変わらず接してたみたいだし……」


『生物部』はしばらく口を噤んでから踵を返して去っていった。

『編入生』はその背中を見ながら考えを巡らせた。


「二日も『図書委員』と『生物部』が同じひとを占ってる。『生物部』がわざとやってるのか? 『図書委員』は『映研部』に占われて人間だと言われてる。

 もし、『映研部』が本物なら『図書委員会』は人狼や妖狐じゃなく狂人だ。でも、『映研部』が偽物なら……?」



 生存者:十人


 占い結果:(○→人間、×→人狼)

『映研部』→『図書委員』○、『元バスケ部』○

『図書委員』→『文芸部』○、『剣道部』×

『生物部』→『文芸部』○、『剣道部』○


 霊能者結果:

『美術部』→『吹奏楽部』○


 処刑投票結果:

『吹奏楽部』、『剣道部』

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