第25話 レベル70
今現在の俺のレベルは70だ。
ソアラの最終レベルである93に比べれば大分低いが、まあこれはしょうがないだろう。
魔物を狩ってレベル上げをしだしたのは、ほんの1年前の事だからな。
村を出た時点のレベルは45しかなかったし、ソアラもレベルが70になるのは1年くらいかかっていたので、ペースとしては決して悪くはないはず。
レベルアップで獲得したSPで、新たに習得したスキルは全部で6つ。
製作系が4つに、ソロ狩り用の2つだ。
製作系はブラックスミスの武具製作と武具錬成。
それにアルケミストの魔道具製作と、魔道具錬成の4つになる。
全て取得SPは30と高めだったので、これだけで120ポイントも消費してしまっていた。
まあこれは必須だからしょうがない。
因みにブラックスミスとアルケミストの製作関連スキルは、作ったり付与できる物が違うだけで、基本的には同じ様なスキルとなっている。
ソロ狩り用に取得したスキルの方は、両方盗賊の上位クラスであるアサシンからとった物だ。
シャドウマスタリーLv10と察知で、どちらも取得SPは10。
察知は取得すると、状況に対する違和感や他者の殺気を感じる感覚が鋭くなり、奇襲や罠などの発見がしやすくなるという物だ。
それに加え、他人の嘘を見抜いたりする事も出来る。
シャドウマスタリーの方は筋力・器用さ・敏捷性・知力・精神にレベル×2%のステータスボーナスが付き、更に気配を消す行動に補正が働くスキルだ。
この2つを狩り用に優先的に取った最大の理由は、状況を有利に進める為だった。
強さにはそこそこ自信があるとは言え、無敵には程遠い身だからな。
気配を殺して敵に奇襲をかけ、更に奇襲を封じる効果のあるアサシンのスキルは、単独行動には必須と言えるだろう。
ステータスの方は――
【クラス:スキルマスター】
【生命力】 145 (+370%)= 681
【気 力】 136 (+390%)= 666
【マ ナ】 117 (+320%)= 491
【筋 力】 137 (+710%)= 1109
【体 力】 136 (+390%)= 666
【敏捷性】 134 (+510%)= 817
【器用さ】 135 (+610%)= 958
【魔 力】 118 (+370%)= 554
【知 力】 125 (+390%)= 612
【耐久力】 131 (+420%)= 681
【抵抗力】 118 (+370%)= 554
【精神力】 141 (+390%)= 690
【S P】 7
スキルマスターはレベルアップ時のステータス上昇値は1しかない。
だが流石にレベルが30近く上がっているので、重複するマスタリー類の強烈ボーナス効果と合わさって、俺のステータスはソアラと別れた時より200から300程あがっていた。
「70ですか。レベル自体は私達とそんなに変わらないのに、師匠はたった一人でアイスドラゴン二匹倒せてしまう位強いんですね」
「まあ、スキルマスターは勇者以上のクラスだからな」
ブレイブオーラによる全ステータス2倍もあるので、今の俺なら下位のドラゴンの二匹ぐらいなら楽勝だ。
「さっすが師匠。頼もしいです」
とは言え、現状ではまだまだソアラには遠く及ばない。
レベル93だった彼女のステータスは、推定だが、1500程あったと思われる。
まあ勇者以上とは言ったが、仮にこのままマスタリー系で能力を伸ばしたとして、同レベルになった際にソアラに追いつけるのはギリ筋力位の物だ。
そう考えると、既定のカンストであるレベル100で勇者に追いつくのは難しい。
――俺が勇者の力を超えるには、上限突破してそれ以上レベルを上げる必要がある。
「それで……師匠はこれからどうするつもりなんだ?またアイスドラゴンを狩りに山に登るのか?」
これからの予定をタロイモが聞いてくる。
「いや、ここでの狩りは終わりだ。結構な数を狩ったからな」
ドラゴンは大量に繁殖している訳ではない。
そのため10匹も狩った後だと、生息数的に残り少ない数を探して周る羽目になる。
流石にそれは非効率的だ。
だから俺はこの村を出て、別の狩場へと移るつもりである。
「南にあるパズンに行こうと思ってる」
「パズンって事は、ダンジョンですか?」
「ああ」
パズンには未攻略の迷宮――ダンジョンがある。
相当な広さらしく、その下層には凶悪な魔物が大量に徘徊しているそうだ。
俺はそこでレベル上げと素材集めをするつもりでいた。
「分かりました。じゃあついでに王都に寄りましょう」
「王都?」
ベニイモが急に王都に寄ろうと言い出す。
ここから寄るとなると、ルート的に少し遠回りになってしまうのだが。
「アドル師匠と合流できた事を、ゼッツさんに報告しようと思って。それにゼッツさん、凄く師匠の事心配してましたから……一度顔を見せてあげてください」
まあ遠回りになるとは言え、それ程の距離ではない。
心配させてしまった様なら、顏を見せるぐらいしても罰は当たらないだろう。
「そうか……わかった。じゃあまず王都に向かおう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます