第4話 『握り寿司』


 握り寿司、ほしい。


 まるで、冬の夜空に輝く、すばるのような、シリウスのような。


 あまりに、高みにあるので、手が出ません。


 近所のスーパーさんでだって、眩しすぎて、直視できないくらい、あたかも宝石のように、きらきらと輝くのです。


 値札も、見えないくらいに。


 売り場は近い、90円の食パンさんを、うっすらと、握り寿司さんの影をみながら、つまんで、通りすぎるのです。


 高齢者が、たまには、握り寿司さんを買えるような、政治をしてほしい。


 て、明日も、握り寿司20パック分くらいの、医療費が必要なのです。


 どこか、間違えてるのかなあ。

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