雑記帳
@Jamjumblue
第1話 眠る彼女によせて
前略
遠い記憶をさかのぼってみて
いつも食べきれない程のたくさんの料理を用意して出迎えてくれたこと
近くの商店に行けば“ひとつだけ”と駄菓子を買ってくれたこと
家の目の前の静かな海辺を一緒に歩きながら薄い貝殻や丸いガラス片を集めたこと
小さな多くの思い出が いくらでも思い返されます
もっと華やかで立派な事柄がいくらでもあったでしょう と
少し気の強いあなたなら そう言うかもしれませんね
どこまでも気丈に振る舞うあなたに
電話越しにおやすみを伝えたとき
小さく二度頷いたあなたが愛しく 嬉しく思いました
しかし あなたの温度を傍で確かめることは叶わずに
悲しい気持ちであったことも事実なのです
まだそこにいるのでしょうか
待ってくれているのでしょうか
今はまだ 帰ることは叶いませんが
ゆっくりとお会いすることを楽しみに 日々を過ごしております
あなたがいた 思い出の地にて 草々
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