野生に目覚めて世界最強
サーモンエビマヨピーマン寿司
第1話
「もう、私の前に現れないで。」
俺は目の前の美少女の言葉を理解できなかった。
「え?は?どう言う冗談だよ。笑えないぞ。」
俺はヘラヘラしながら言う。
「私はもっと上まで行きたいの。そのためにはあなたの存在は邪魔でしかないの。付きまとわれて迷惑。」
そう言われ俺は言葉を失う。
俺の名前は千駆。小学3年生の頃から不良に憧れ、体を鍛えて殴り合いを始めた。
俺は努力の結果負けなしとなった。
そんなある日のこと、
「おいあの子可愛くねえか?」
仲間の一人がそう言った。
俺はそいつが言う方を向いた。
「えっ、」
俺は一瞬にして心を奪われた。
金色の髪を後ろに伸ばし、目の色は青い。
顔のパーツは神が造ったかの様に整っていた。
「…俺あの子に告ってくるわ。」
「えっ!?ちょ!」
当時の相棒の制止を聞かずに俺はその子のもとへ向かった。
「なあお前。俺と付き合えよ。」
俺は上から目線でそう言った。
失敗するとは微塵も思っていなかった。
だが返ってきた言葉は、
「キモい。不良がかっこいいって思ってるわけ?」
辛辣な言葉だった。
「なんだと!?痛い目を見たいのか!!」
小学3年生で沸点が低い俺はすぐにブチ切れた。
「痛い目を見るのはあなたよ?」
「このっ!」
俺は自慢の鍛え上げた腕を振りかぶり、殴る。
路上には一人の男の子と一人の可愛い女の子がいた。
男は仰向けで天を見上げており、顔の所々に痣が出来ていた。
女の子はそんな男の子を見下すように立っていた。
「弱いわね。出直しなさい。」
俺は絶句した。
女に負けるなんて…
「あーあ。ボコられてるじゃん。」
あの女が去ったあとに相棒がこっちに来た。
そしてこう言った。
「あいつ桜木 愛(さくらき まなか)だろ。」
「…知ってるのか?」
「俺らの学校じゃ有名人だぞ。天才だってな。運動神経も高い。」
俺はその言葉を聞いて完璧な人間がいることを初めて知った。そして目標というものを持った。
それから俺は愛に毎日挑んだ。
だが勝つどころか一発も入れる事が出来なかった。
そして、ある男子があの天才に喧嘩を挑んでボコられるということは学校で日常となって行った。
俺はそんな生活が中学生になっても続くと信じて疑わなかった。
だが、
「もう、私の前に現れないで。」
現実は無情だった。
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