魔女は一本の幸せ屋 猟虎戀太郎様

【タイトル】魔女は一本の幸せ屋

【作者】猟虎戀太郎

【ジャンル】異世界ファンタジー

【読んだ話数】「一本の幸せを海の街に 7」まで

https://kakuyomu.jp/works/16816700426774203859


 キャッチコピーがまず素敵です。

「『辛』さを『幸』せに変える一本の物語」

 冒頭部分で言葉の意味は語られているのですが、この言葉がこのお話をそのまま表していると思います。


 登場するのは幸せの魔法を使う魔女と病気で外に出られない少女。

 自室の窓から見える外の世界の輝かしさ。しかしそこにいけない自分の体に苦しみ、窓を閉め、食事もまともにとらなくなってしまった少女。そこに幸せを届けるために魔女が現れます。


 といってもこの魔女、わかりやすく魔法をかけるわけではありません。まず話を聞き、相手が望む幸せを聞き出します。それから本人が自分から幸せをつかみにいくように手助けします。


 これがなかなか難しい。


 相手の選択を待つというのは忍耐力が必要です。押し付けて決めつけてしまった方がはるかに速い。けれどそれをしてしまうと相手の心は死んでしまいます。それがわかっている主人公は強引さもありつつも少女が自分で考える時間を与えて選択するのを待ちます。相手のことを本気で考えていないとできないことだなと魔女への好感度があがります。


 幸せは人それぞれ。わかりやすい形はありません。

 少女が魔女から与えられた幸せもただのきっかけに過ぎず、これから少女自身でつかみ取っていかなければいけないのだと思います。けれど魔女から魔法で与えられた幸せではなく、自分で選んで探し出した幸せである。そのことが少女にとって強い希望になるのではないかと思いました。


 作品としては連載中設定になっているのですが、病弱な少女のお話は終わっています。これは続きも出ると期待していいのでしょうか?

 毎回ゲストが登場するオムニバス形式のお話好きなので、続いてくれると嬉しいなと思いました。


 

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