第37話 異世界文化


 大図書館というのは、表向きは学院とは別の施設であるらしい。


 一般人でも出入り可能だが、一定の金額を入館の際に預ける必要がある。

 具体的に言うと、金貨五枚だ。

 蔵書を破いたり汚したりした場合は、これは没収される。

 もちろん、退館の際はカバンの中を開けてチェックされる。


 羊皮紙はなかなか破けはしないが、もしクシャミでもして痰が本にかかり、運悪く職員にそれを見られていたら、五十万円がパァになってしまう。というわけだ。

 それを考えると、金額はともかくとして、読書に興味のない一般人からしてみると、やはりリスクが高いといえるだろう。


 だが、中にあるのは、貴重品である羊皮紙の本ばかりなので、窃盗の危険を回避するためには、そういった措置はどうしても必要になってくる。


 そういった事情があり、大図書館というのは、一般人にとっては入る機会が殆どない建物であるらしい。

 預け金や防犯の手続きは煩雑だが、預け金は返ってくるのだし、他に利用料金などはかからない。

 一般市民でも膨大な蔵書を無料で閲覧できるのだから、けっこう先進的な施設なのではないかと思う。


 ただ、その預け金の仕組みがあるのは表門だけで、裏門は学院の敷地に通じており、制服を着ていればほぼフリーパスという仕組みになっている。


 貸し出しもできるのだが、かなり厳しく管理されている。


 学院生は、絶対に学院の外に持ち出さない条件で一冊借りられるのだが、学院生でない者は貴族しか借りられず、その場合は高額の担保金を預ける必要がある。


 ルークは、この担保金を一々預けて、俺に本を借りてきてくれたわけだ。

 ありがたいことこの上ない。


 大図書館は、意外といってもいいくらい、大きな建物である。

 蔵書も十万冊以上があり、この世界にはデータベースとかコンピューターとかはないので、誰も全貌を把握できていない。


 だが、蔵書の多くは、学院の森を侵して作られた防火蔵の中で、虫除け草と一緒に眠っている。


 そんな管理しきれないほどの蔵書が、なぜあるのかというと、それにはちょっとした事情がある。

 蔵書の多くは、シヤルタ王国内で作られたものではないのだ。


 ここにある蔵書は、シャン人の国が滅びるとき、知的財産を運び出そうとした人々の、努力の結晶である。ということになる。


 十万冊の蔵書のうち、シヤルタ王国の国内で作られたものは、全体の二割に満たないという。



 ***



 大図書館の中に入ると、かすかになめした皮の匂いがした。

 これは、本の表紙に張られている皮の匂いだ。


 大図書館は蔵を作っているくらいだから、中は本棚でいっぱいになっていて手狭だが、椅子と机の読書スペースはちゃんと作られている。

 実質的に貸し出しを前提としないシステムなのだから、当然といえば当然だ。


 そのへんを歩いていると、やはり教養院の学生が目につくことが多い。

 男も女も、教養院が多く、騎士院はあまりいない。


 騎士院は馬鹿ばっかりというわけではないが、やはり学者的な頭の良さはあまり重視されない風土がある。

 それは教養院に通う女どもの役割で、自分たちは別の役割がある。という感じだ。


 ピニャ・コラータを探しにきたのだが、容姿も曖昧にしか聞いていないので、誰が誰だか解らなかった。

 そもそもアポも取っていない(というか、取る方法がわからない)ので、ここにいるかどうかも怪しい。

 今日はムリか。と思いながら諦めようとしたとき、二階の隅の席に変な人がいた。


 ぼさぼさの髪の毛を無造作に伸ばした髪型をしており、ひたすらに羊皮紙に向かってペンを走らせている。

 下を向きっぱなしなので、なんだか貞子さんを彷彿とさせた。


 生徒や大人は数いれど、なかなか書き物をしている人というのは少ない。


 そもそもが、大図書館というのは、本を読むためにくるわけで、書き物をするために来ることはあまりない。

 インク壺に羽ペンという組み合わせはインクが飛び散る危険があり、本を汚してしまう危険がある、一種の危険物といってよい。


 一般人は、そもそも所持品検査で持ち込めないし、学院生にとっても汚したら厳重注意で、再犯すれば出入り禁止の危険があるので、あまりそういうことはやらない。


 だが、この子は羽ペンを使っている。

 もちろん、悪いというわけではない。

 書いている用紙のすぐとなりに本でも置いてあったらまずいだろうが、机の上に本はなかった。


 こいつか?


 俺はそう思って、ふらりと後ろを通りながら、一瞬だけ紙を覗き見た。

 シャン語の文法には「」カギカッコ的な記号があり、これで囲まれた文章は、登場人物の台詞を表す。という決まりがあるのだが、それが並んでいるのが目についた。

 ということは、小説であろう。


 レポートや学問的な書籍を執筆しているのであれば、なかなか「」カギカッコという記号は使わないものだ。

 間違っている可能性はあるが、少なくともこの子は可能性が高い。


 だが、なにやら執筆に集中しているようだし、邪魔をするのもなんだ。

 対面の座席で待たせてもらおう。


 俺は実際にそうして、できるだけ音を立てないように椅子に座り、居眠りでもするかのように目をつむった。


 考えることは幾らでもあるのだ。

 今考えねばならないことは、製紙のために必要な薬剤のことだった。


 本当なら、糸くずのような言わば産業廃棄物を使うのは、質のいいものにはならない。


 カフあたりはまだ誤解しているようだが、本当は木を繊維として使うのが一番いいのだ。

 だが、木を紙にするには、一度パルプにする必要がある。


 砕いて煮崩せばなんとかなるのかと思ったのだが、これがなんともならなかった。

 煮ても煮ても形は変わらず、爪楊枝を歯で念入りに噛んでペシャンコにしたみたいのがたくさん出来ただけだった。


 そこで、アルカリ性の溶液が必要なのだと気づいた。

 製紙に具体的にどんな薬剤を使えばいいのかは知らないが、できるだけ強アルカリ性のものがいいだろう。

 となると、水酸化ナトリウムが真っ先に候補に上がる。


 だが、いろいろ考えても、日本では調達しようと思えばいくらでも調達できた基本的な薬品が、ここでは製造することが難しかった。


 鉱物と天然で調達できなくもない硫酸みたいな薬液を掛けあわせれば、生産できるのかもしれないが、これには長い時間の研究が必要だろう。

 俺にそこまでの時間はない。

 それに、水酸化ナトリウムは大量に必要だから、ものすごく金をかけて少しだけしか集まらないのであれば、意味がない。


 そもそも、水酸化ナトリウムなどというものは、塩水を電気分解すれば生産出来るはずなのだから、歯がゆいことこの上ない。


 食塩水をそのまま電気分解すると、塩素と水素が出て行って水酸化ナトリウムができる。

 だが、電極から発生する塩素が水酸化ナトリウムと水中で反応するので、水中で塩素が水酸化物イオンと反応して次亜塩素酸が発生してしまい、純度が悪くなる。


 それを防止するためには、電極と電極の間に、混ざりを防止する間仕切りを仕込むか、もっと低コストでやりたいなら、電極を工夫する。

 食塩プールの底に水銀を貯め、上に黒鉛の電極を置き、上下で電気分解をする。

 水銀のほうがナトリウムとの合金になるので、それを取り出して水に突っ込むと、ナトリウムは水酸化ナトリウムになり水に溶けだし、水銀は元に戻り、居場所の無くなった水素は、空中に吐き出されるはずだ。


 水銀は、辰砂を熱するだけで産出されるので、飲む文化はないが、珍品として少量流通している。

 毒性に目を瞑れば、これで良質の水酸化ナトリウムが手に入る。

 

 この世界には水車があるのだから、発電機を作ればその程度のことは可能なはずだった。

 実際、やろうと考えたが、発電機がネックだった。

 発電機は針金と磁石があれば原理的にはできるものだが、磁石がないのだ。


 磁石そのものは、鉄は大なり小なりの磁性を持っており、自然界に存在する。

 コンパスの針などは、天然の磁鉄鉱で造られている。


 だが、その磁力はたかがしれているので、発電機には使えない。

 強い磁力を持った金属というのは、なかなか入手が難しい。


 磁石は、金属の中の電荷が整列することでできる。

 作れないことはない。


 電荷を整列させるためには、キュリー温度以上に物質の温度を上げ、原子を暴れさせて、暴れているうちに強い磁力をかけ、整列させればよい。

 キュリー温度は、鉄であれば千度にも満たなかったはずなので、温度を確保するのはさほど難しくはない。


 キュリー温度以上で強磁性の物質が磁界に曝されると、N極とS極が整列して、一定の方向性が生まれる。

 そのまま冷えて固まらせて、向きを固定したものが磁石だ。


 なので、極端なことを言えば、コンパスで地磁気の向きを測って、炉の中に鉄の棒を入れ、鉄の棒の向きを地磁気と合わせて熱し、そのままゆっくりと冷却すれば、磁石は出来る。

 だが、地磁気は弱いので、そんな磁石ではコンパスには使えても、発電機には使えない。


 強力な磁石を作るとなると、磁石を作るために磁石が必要ということになるのだ。


 だが、別に磁石は永久磁石だけではない。

 コイルに電気を流せば電磁石になる。


 だが、そのためには電気が必要で……となると、果てしがない。



 ***



 ふと目を開けると、ピニャ・コラータ(たぶん)がこっちを見ていた。

 執筆に一段落ついたのだろうか。


 俺と目が合うと、あせあせとバッグに文房具をしまい、席を立とうとした。

「ちょ、待て待て待って」

 慌てて引き止めた。


 身を乗り出して、手首でも掴んで引き止めてもよかったが、大声でも出されたら問題なので、声だけにとどめた。


「な、なななな、なんですか? お、怒りにきたんですか?」


 はあ?

 なんで俺が初対面の女に怒らにゃならんのだ。


「怒ってませんて。ちょっとお話があって」


「や、やや、やーです」


 なんだか俺に怯えている様子だ。


 なんだ? この娘、男性恐怖症かなんかか?

 威圧的な顔をしていると思われたことは、あんまりないんだが。


 このままでは俺は怪しいお兄さんになってしまう。

 変質者になってしまう。

 それはまずい。


 心象が致命的に悪化するのは、絶対にまずい。

 そうなるくらいなら、後日出直したほうがマシだ。


 よし、今日は諦めよう。

 そう思った時だった。


「ちょっと、あなた、この子になにをしているの」


 ぎゅっと肩を掴まれた。

 振り返ると、刺々しい顔をした女性が立っていた。

 教養院の制服を着ている。


「……なにもしていませんよ。ちょっとお話がありまして」


 なんで後ろめたい気持ちになってしまうんだよ。

 俺は本当になんもしてないのに……。


 こちらから声をかけたわけでもなけりゃ、彼女をジロジロ観察してたわけでもないし、机の下に潜って下着を覗いていたわけでもない。

 目を瞑って考え事をしていただけなのに。


「ピニャになんの用なの?」


 やっぱりこの子がピニャらしい。


「失礼ですが、あなたは?」

「質問に質問で返さないで。ピニャになんの用なの?」

「申し訳ありませんが、貴方が何者かもわからないのに、話せませんよ」


 この国の魔女は金に貪欲だ。

 金儲けの話は、そう簡単にペラペラと教養院の生徒に話してよいものではない。と俺は思っていた。

 おいそれと話せば『一枚噛ませろ』という話になりかねない。


「あなたねえ」


 なおも睨んできている。

 俺の肩を掴んだところからも分かる通り、この女性は長身だ。

 俺より大分年上で、リリーさんくらいの年齢がありそうだから、俺が生意気に感じられるのかもしれない。


「コミミ……」

「ピニャ、知り合いなの?」

「その子、ユーリくん」

「……あら?」


 俺の名を聞いて、改めて俺の顔を見ると、コミミと言われた女性の表情からトゲがなくなった。


 なんなんだよこいつ。

 ピニャの方も、なんで俺の名前を知ってんだよ。


「まあ、お話を聞いてくれるのでしたら、場所を移しませんか? ここではなんですから」


 大声は出していないが、図書館で話しをするという行為自体が落ち着かない。


「……まあいいけれど」

「……はい」


 なんだか同意してくれた。



 ***



 正門側から大図書館を出て、

「どこか個室のある喫茶店は知りませんか?」

 と言うと、さすがにコミミは年をとってるだけあって、知っていた。


「でも、確か、席料を取られると思うけれど」

「構いませんよ。僕が払いますから」


「さすが、ホウ家の次期当主ね。お金持ちだわ」

「僕が自分で商売をして稼いだお金ですよ。家の金ではありません」


 そう言うと、なんだかコミミは睨んできた。

 なんで睨んでくるんだよ……この人怖い。


 その喫茶店に入って、個室を指定すると、席料は二十ルガだった。

 そんなに高くもない。


 シャムの入学のときに入った最高級のレストランは、時期的なものもあるんだろうが、席料だけで千ルガ取られた。

 それと比べれば、比べるのもおかしいとは思うが、安いもんだ。


 奥に案内されると、個室というのは、落ち着いた調度の揃った部屋に、正方形のテーブルがひとつと、取り囲むように椅子があるだけの部屋だった。

 大きな窓もあって小さい庭が見えるので、開放感もある。


 俺は椅子に座ると、

「どうぞ、お好きなものを注文してください。奢りますから」

 なるべく柔らかな調子で言った。


 だが、コミミの刺々しい態度は変わらなかった。


「一体なんのつもりなの?」


 ……いったい、何なんだろう。

 なんのつもりも糞もあるかといいたい。


 なんでこんなに、初っ端から俺を警戒しているんだ。

 臆病な亀かハリネズミのような反応になっとる。


 そして、なんでコミミとかいうのはここまでついてきてるのだろう。

 俺はピニャに話があるのに。


「まあまあ、お話はあとでいいじゃないですか」

「……そうね。でも、自分の分は自分で払うわ」


 いやいや、そういうわけにも。


「いえ、こちらからお願いをするわけですから、遠慮しないでください」

「……???」


 なんだかいぶかしげな顔になった。


 なんでそういう反応になる……?

 本格的に思考が読めん。


 なんだか、双方読心戦の様相を呈してきたな。

 なんで戦っておるのだろう。


 店員さんが来た。

「私は、ハーブティーをお願いします」

 コミミが言った。


「……ミルク茶とケーキとプリンとクッキー」

「ピニャ」


 叱責のような鋭い声が飛んだ。


「構いませんよ、ミルク茶とケーキとプリンとクッキーで」

 俺が復唱すると、店員さんは「はい」と言った。

「では、僕は温かい麦茶と、スライスした乾酪かんらくをお願いします」

「承りました」


 店員さんは扉を閉めて、去っていった。


 さて、

「えーっと、コミミさんでしたよね。コミミさんはピニャさんとはどういうご関係なんですか?」

 まずはこれが聞きたい。


「……私は、ピニャのルームメイトよ」

 あー。


 はいはいはいはい、なるほどね。

 シャムにとってのリリーさんポジがこいつか。


「じゃあ、マネージャー業務をしているわけですか。例の本についての管理などを?」


 そう考えれば、ごく当然のようにピニャに同道してきたことにも説明がつく。


「……そうよ」

 やっぱりか。


 ピニャが人付き合いの才能がない、内向的な人間であることは一目で解る。

 リリーさんに聞いた事情を鑑みれば、コミミのような存在がマネジメントしなくては、システムが成り立たないのは当然だろう。


 小説が本になった瞬間に、四百人からの人間が取り合いっこするのだから、本を誰に貸したか今どこにあるのか、次は誰に貸すのか、そういったマネジメントは誰がするのか。

 ピニャにできるわけがないのであれば、コミミがしているのだろう。


「いやぁ、よかった。例の本について、すこしお話ししたいことがありまして」


 そうなると、コミミにも話を通す必要がある。

 むしろ居てくれて手間が省けたと言える。


 だが、俺が発した言葉を聞くと、ピニャは怯えたような顔をし、コミミは表情を固くした。

 態度が硬化し、なんだか振り出しにもどったような手応えを感じる。


「なんなの? 言いたいことがあるならはっきりといいなさいよ」


 ……え、えーっと。

 どうしてこういう反応になるのかな?


 ピニャは怯えてるみたいだし、コミミのほうは威嚇をしてきているようだ。

 こいつらは男全般にこういうふうな反応をしているのか?

 ピニャが男性恐怖症とか?


 いや、それ以前に、なんか認識が根本から食い違ってねえか?


「なにか行き違いがあるようですが、僕は怒りにきたわけではありませんよ」

「……???」

「ピニャさんのほうも、僕がいつ怒り出すのかと、なにやら恐れているように見受けられますが、正直いって、怒らなければならない心当たりがまったくありません」


 こういう時は、素直に指摘して正直な感覚を話し、食い違いを正すのが近道だ。


「ほ、ほんとに……?」

「はい。あまりに心当たりがないので、お二人で僕を秘密裏に抹殺する計画でも立てていたのかな、と考えていたところです」

 これは冗談だけど。


「フヒヒッ」


 と、甲高い奇妙な笑い声がした。

 ピニャが笑ったのだ。


 フヒヒッて。

 俺でもちょっとゾッとする笑い声だったぞ。


「じゃあ、何の用なの?」


 若干警戒を解いたらしいコミミが言う。


 いや、さっきの笑い声は問題ないのか。

 さっきみたいに咎めなくてもいいのか。

 ま、まぁ、当人が問題にしていないのなら、俺はいいとは思うけど……。


「それはお茶が来てから話しましょう。それより、もしよろしければ、なぜ僕が怒ると思っていたのか、お聞かせ願えませんか」

「それは……」


 コミミが口を濁した。

 言いたくなさそうだ。


「……ユー……くん……が、登場人物だから」

 ピニャがぼそぼそと何か言った。

 聞こえないんだけど。

「ピニャ」

 コミミがはっきりとわかる口調で叱責する。


「……いいの。ユーリくんが登場人物だから」

「……へ?」

 聞き間違いか?


「僕が登場人物ですって?」

「……う、ん」

「んんん……??? なんでそうなるんです?」

 本気でわけがわからん。

「人気、あるから」


 んんんんん……。

 どゆこと?


「何が人気なんです?」

「ふひひっ」

「いやいや、フヒヒじゃなくて」


「よむ?」

 読む?


「なにをです?」

「さっき書いてたの」


 ピニャはぺらりと十枚ほどの紙を俺の方に差し出した。


「ピニャ、それは……」

 コミミは目を白黒させて、渋い顔をしている。


 なんなんだ? この展開。

 俺が登場人物?

 ついていけねえぞ。


「コミミ、ユーリくんは、主人公だよ? よむ資格があるよ。隠しておいていいわけないよ」

 目の前にあるのは、たぶん原稿だが、ほんとにこれを読んでいいのだろうか。

 男子禁制の読み物なのではないのか。


「……よんで?」

「えーっと……」


 しかし、これから出版しようという内容物だ。

 読める機会があるのなら、読んでおいたほうが間違いなく良いだろう。


 俺は読むことにした。

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