第2話 嗅いだって良いじゃない
「ほら、出来たぞ……飲め」
「ちっ、ちーちゃんのだったら私……飲めるよっ!」
「言い方っ!」
「だぁってぇさぁ、これちょっと苦いんだもん」
「その苦みが良いんだぞ」
「だいたい男の子ってそう言うよね。健康に良いとかさぁ、お肌がツルツルになるとかさぁ」
「ちなみに、私は女だが?」
「でもちょっとドロッとしてるし」
「まぁな。濃い方は多少ドロッと感じるかもしれんな」
「そうなの。ちーちゃんのは、ちょっと濃ぃぃいの」
「もう一回、言い方っ!」
「それから、あの匂いがねぇ」
「そうだな。そうそう。口に含んだ後にこう……鼻に抜ける香りがまた」
「そうそう、ちょっと生臭いんだよねぇ」
「ん? お前……なんの話をしている?」
「って言うか、ちーちゃんって匂いフェチ?」
「いきなりな
「だよねぇ。だってよく私のも
「なっ、何を言っている。それはお前が
「えぇぇ、そうかなぁ」
「そ、そうさ。そうに決まっている」
「この前だってさんざん私のを
「そそそ、そんなこと言ってはおらんっ!」
「ねぇ、ちーちゃん」
「なっ、なんだ?」
「ジャコウって、何?」
「じ、
「えぇぇ!」
「え? えぇぇとはなんだ? えぇぇとは」
「私のアソコ、
「そっ、ソコか? 突っ込み処はソコなのか?」
「だって鹿の
「何がどやったら七割五分になるのかはわからんが、そう言う事では無く“良い香り”だと言っているのだ。ちなみにこの
「えぇぇ!」
「えぇぇ? 今度は何だ?」
「それってプロポーズ? 私へのプロポーズって事なの?
「なっ、なぜそうなるっ!」
「だって、私のアソコの臭いを嗅いで“良い香り”だなんてっ! もう、それってプロポーズの言葉以外にどんな意味があるの!?」
「いや、普通にそんなセリフでプロポーズするヤツの気が知れんわ」
「って事は、ちーちゃんがちょっとオカシなプロポーズをしちゃったって事?」
「どうしてもプロポーズをした前提で話を進めたい様だが、残念ながらその一点において今回私は折れるつもりはないからな。早々に撤退した方が良いぞ」
「ちぇっ!」
「何が、“ちぇっ”……だ。そんなん可愛い過ぎるだろ?」
「え? ちーちゃん、いま何て言った?」
「え? いや。そ、そんな事は気にしないで良いんだ。それよりせっかく
「だから、ちーちゃんのは濃くて苦いんだって!」
「またその流れかよっ!」
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