第31話 罠だらけの階層
三人は魔物が一切現れない階層を探索し、程なくして上につながる階段を見つけた。
「結局この階層は何もなかったわね」
「だね。でも魔力は温存できたから良かったかな」
三人は階段を上り、次の階層に足を踏み入れる。その瞬間、
「「「っ!」」」
三人は一斉に足を止めた。
「気づいた?」
「気づかないわけないでしょ。この階層、いたるところから魔力が感じ取れる」
「触れると発動する魔法。しかも結構強力な
フレイナとレイシスタはダンジョン内に存在する魔力を感知し、分析をする。
「二人とも魔法を警戒するのはいいが、この階層、魔法以外の警戒もした方が良いぞ」
キリヤは地面から『魔探』を抜きながら二人に忠告をする。
「どういうこと?」
「こういうことだ。よく見てろよ」
キリヤは足元にある小石を拾い、投げる。その小石は地面に落ちた瞬間小石に向かってどこからともなく魔法が放たれ、小石は跡形もなく消滅した。
「あそこって、魔力感知に引っかからなかった場所だよね」
「えぇ、ずっと魔力感知してたけど確実に引っかからなかった。キリヤくん、どうして分かったの?」
「殺意を感じたんだよ。魔力に頼ると他が見えなくなるからな、そういう奴を殺すための罠なんだろうな」
「……思ったけど、この階層殺意高過ぎじゃない?」
「そうね。キリヤくんに言われなければ死にはしなくとも大怪我はしたでしょうね。でも殺意なんて、一朝一夕で感じ取れるものではないわよね」
「あぁ俺だってこれまでの戦いの経験から培ってきたものだからな。すぐにできるようになられると俺の立場が無い。とりあえずは俺が先導……」
「おーい二人とも、早く行こうよ!」
キリヤとフレイナが話している間に、レイシスタは先に進み二人に向かって手を振る。
「……魔力感知できないところもきっちり避けてるな」
「そういえばあの子天才なのよね。小さい頃からフロール家の魔法も使いこなしてたし」
「あぁ、そういえば前に実家で狩りをしてるみたいな話してたな。自然の中で過ごしてたなら魔力以外を感知する力がついてるのか」
キリヤは魔力と殺意を感じながら先に進み、フレイナは魔力を感知し、殺意を感知する特訓をしながらキリヤの後を追った。
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