才能のあるクズ共に手向けの花を
@beten-noah
第1話 逃避行
いつも足音は近づいてくる、
こつこつ、こつこつと。
一見単調なリズムでも確かに近づいてくる。
だから俺も逃げるようにして、前へ進んだ。
人はみな、追われているんだと思う。
ある人は、仕事に、ある人は、課題に、ある人は、熱狂的なファンに、
ある人は、現実に。
これは、周りも俺もどうしようもないクズだった時の話なんだ。
恋は盲目だ。
相手が本当にどんな相手であろうと、好きだったという事実も、今の私の恋心も、結局消すことが出来ない。
いや、私が消せないだけでほかに消せる子もいるんだろうな、でも私には無理だな、なんて嘲笑する日がある。
そんな感傷に浸る自分が好きなのかもしれない、本当に好きなのって、面倒見てあげる私自身の事なのかな、でも私は自信なんて持てないしな、どうせ、とも思いまた酷く結論を先延ばしにする。
自分自身を傷つけるこの行動になんの意味もないと知っているのに。
これは、アイツがクズだったから起きた◼️劇なんだ。
物には責任が伴う。でもこれは物事に対してというよりかは、選択には、ということなんだろう。
性善説、性悪説なんてあるが、子供の育てかたによって変わるのか、元々悪だったのかなんて、私には分からない。
小さい頃はいい子だったような気もする、いや、どうなんだろ。過去のことはどうも美化されて可愛らしい息子の姿しか思い出せない。
いつからだろう、家族同士で会話をしなくなったのは。
いつからだろう、関心を向けなくなってしまったのは。
本当は私が、私だけが選択を間違え続けてた話なんだろうか。
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