第205話 久しぶりの日鞠ちゃん。

「お久しぶりです。ゆうき先輩。葵先輩。……それと、初めまして。長谷川大輝の妹の、長谷川日鞠です。」


葵と渚ちゃんと帰っていると、学校帰りの日鞠ちゃんと遭遇した。……『遭遇』はなんか変かな?う~ん、でもほかにいい言葉が思いつかないし。単純に、『会った』とかでもいいんだろうけど、なんか変な感じがするんだよな~。


「初めまして。私は、最近こっちに引っ越してきた姫野渚です。よろしくお願いします。」


日鞠ちゃんに向かって、笑顔で渚ちゃんはそう言い、葵も、


「久しぶり、日鞠ちゃん。」


と笑顔であいさつした。

よし、次は俺の番だな‼

そう思った俺は、日鞠ちゃんに挨拶をした。。


「久しぶり、日葵ちゃん。……あ、そのネックレス、使ってくれているんだね。」


挨拶をしていると、久しぶりに会った日鞠ちゃんの胸元に、あの日上げたネックレスがあることに気づいた。そのネックレスは、いい具合に太陽の光を反射し、きれいに輝いていて、もともときれいな日鞠ちゃんが、普段の何倍も、きれいに見えた。


「はい。先輩からもらった、大切なものなので。」


そういう日鞠ちゃんの顔に、以前俺が日鞠ちゃんに抱いていた『あどけなさ』というものはなく、むしろ『大人の女性』といった言葉が似あうような顔をしていた。

顔の印象が、変わったのは、日鞠ちゃんだけではなく……


「ゆうくん。ネックレスをプレゼントしたってどういうこと?」


と、怒った顔をしながら近づいてくる葵さん。


「ゆうきお兄ちゃん、それに日鞠さん(?)だっけ?……これからゆうきお兄ちゃんの家で、三人で、ゆっくりお話をしようか?」


……何気に渚ちゃんの怒った顔って、初めて見たかも。

渚ちゃんに初めて怒られ、現実逃避をする俺。

そして、


「やった~、久しぶりの先輩の家だ~‼……でも~、わたし的には、怒られるのは勘弁かな?」


などと、キャラ崩壊をしてしまう日鞠ちゃん。

……この後どうなっちゃうの?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る