第139話 渚ちゃんの決意

「あ、ゆうくん、おかえり~。」


「おかえり、ゆうく~ん。」


俺が家に帰ると、葵と渚ちゃんは二人で楽しそうに話ていた。小説とかなら、

『私が本当の婚約者なんだからね⁉』

『違うよ、わたしこそが、本物の婚約者だからね‼』

『ねえ、ゆうくんはどっちを選ぶの‼』

的な展開になると思うのだが、現実は少し違うようだ。

……それとも、葵と渚ちゃんが、ちょっと特殊なだけなのかな?


「ゆうくん、葵から聞いたよ~、二人って、付き合っていて、同棲してるんだってね~。」


世間話をするような話し方で、渚ちゃんはそう言う。


「安心してね。私はこの家の隣にある家に住むつもりだから。」


ちょっと前に、俺の家の左隣に、新しくできた家。どんな人が引っ越してくるんだろうって思ってたけど、まさか渚ちゃんだったなんて。


「あ、でも私もゆうくんのこと、あきらめるつもりはないから、覚悟しててね。ゆうくん。」


渚ちゃんと優香さん。この二人以外に、俺と葵の甘々生活を邪魔する人は、さすがに現れないよね⁉



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