第98話 あ、いや、その……これは、何と言いますか。
「ふぅ〜。先輩の背中って、大きくて、暖かくて、抱きついていて、すっごく気持ちいいですね。」
結局、なんとか胸で洗ってもらうことは回避したものの、『先輩の背中、すっごく気持ち良かったので、もう少しだけ抱きつかせてください。』と、
日鞠ちゃんに言われた俺は、断りきれず、このような状態になってしまった。
……日鞠ちゃんのメロン、すっごく柔らかくて気持ちいいな。
と、これから先は、『葵以外の女の子に興味はありません‼︎』と言っても、全く信じてもらえない発言をした瞬間、
バタン
そんな音を立ててドアが開いた。
「ゆうく〜ん。日鞠ちゃ〜ん。もう夜も遅いから、そろそろ出てきてね〜。」
という、葵の声と共に。
……あ、これは完全に終わった。
「ねえゆうくん。これはどういうことなのかな?
可愛い年下の女の子にこんなことをさせて……
恥ずかしくないの?」
「いや、その、これは違くて……。」
『日鞠ちゃんがこうしたいって言ったから。』なんてこと、今まで見たことないくらい怒っている葵に言えるはずもなく。
「ゆうくん。後で、優香も含めた四人で、きちんと話し合おうね。」
そう言って、葵はリビングに戻って行ってしまった。これから始まるであろう地獄の時間のことを
考えていた俺の耳には、日鞠ちゃんの、
「ゆうき先輩、迷惑をかけてしまってごめんなさい。」
という声すら届かなかったのだった。
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