(3)魔力を動かすイメージ

「これからプスの魔力をヒラの魔力があるところまで伸ばす、そしてヒラの魔力を引っ張って動かすからその時に魔力を動かす勉強する」

「おっおう!頼む!」


俺の身体の中にプスの魔力が更に入ってくる、それは右手の真ん中辺りを通っていき……やがて俺の心臓にある魔力に触れた。


するとプスの言うとおり、プスの魔力が俺の魔力を少しずつ引っ張る。

本当に魔力を動かしてる!。

「ヒラも動かすイメージする、実際に動かしてるからイメージもし易い」


「おう、……………スゥーーッ」

深呼吸してプスが言うイメージをする、魔力を動かす、プスの魔力が伸びている方向に。右手の手の平に向かって行け~~~い!。


むっ!むむむ。


む~~~~~!。


………………っあ、ちょっと動いたかも。


「!、ヒラもっと動かす!少しずつ動いてる!」

「よしっ!ぬぅうううーーーーわっ!」

少し動かせれば後は少しずつ動くようになってきた。俺の意思とプスの魔力に引っ張られて、俺のショボい魔力が手の平に到達する。


手の平から俺の魔力が出て来た、白い炎のみたいだ。

「これが……俺の魔力か?」

「魔力が見える?ヒラは優秀」

褒められた、ハナタカになっていいの?。


「その魔力をカトリセンコウに注ぎ込む事をイメージする」

「よしっイメージ、イメージ、イメージ!」

俺の魔力は問題なく俺の意思に従い蚊取り線香に入っていく。


数秒程で俺が動かしていた魔力は全て蚊取り線香に入ってしまった。

「………これでいいのか?」

「大成功!これでこのカトリセンコウはパワーアップ、そして死んだ虫の魔力がヒラに吸収される様になった!」


え~~これで?なんか魔力なんてファンタジーな代物で蚊取り線香がパワーアップとか信じられん。

けどパワーアップしてなかったらそれはそれでムカつくからな、俺のショボい魔力でもきっとファンタジーな力があると信じてる。


蚊取り線香をケースに入れてベルトに吊す、これで普通は広範囲に虫除けの効果があるんだが……。

「そのカトリセンコウはヒラの魔力でパワーアップしてる小さな虫もそこそこ大きな虫も触れる必要もなく倒せる」


「そうか、俺虫苦手だからそうなると心底助かるよ……それじゃあ改めて」

「うん、出発!」


俺達は改めて森に侵入する。



そして森に侵入した俺の仕事はプスが教えてくれる植物を買ったシャベルで掘り起こして魔石を掘り起こす。

何でも根っ子から魔石を取ると植物は死んでしまうらしい。


「………これが魔石か」

緑色の本当に小さな石があった。米粒くらいだ。

「ちなみにこの植物の魔石って売ったら金になるのか?」

「……………む~~分からない」


まっプスは精霊だしな、分からないのも仕方ない、普通に考えると金にはならないだろうけど…。

「これでも俺が始めてゲットした魔石だし、大事にするか」


ベストのポケットに入れておく。

「さてっ次の獲物(植物)を探しに行くか」

「コツコツ?」

「そっコツコツだ、これ大事だからねマジで」


雑魚な異世界転移野郎はコツコツと強くならないとアッサリ死んでしまうからな。

俺はまだまだ死にたくないのでコツコツと魔力を集める。


「……………なあっ植物を倒しても魔力が成長してる感じるなんて何も」

「いくらヒラが弱くても植物を倒したくらいで魔力が成長するのを、実感は無理」


そうか、多分植物の経験値は0.01とかってくらいショボいものなんだろうな。

「いくらコツコツっていっても……ショボすぎて泣けるわぁ~~~」


俺の経験値コツコツレベルアップ、速攻で心が折れそうです。

…………まっ折れないけどな。何しろ既に道連れがいるんでね。


「コツコツ諦める?」

「………んな訳ねぇだろ、これしか出来る事ないんだし。ならやれるだけやるさ」

「うん。分かった!」


しかし本当に蚊取り線香の力で虫を倒して魔力が成長するのだろうか?。

「……………ん?」


なんか、心臓の中の魔力が少し大きくなった?。

「え?」

「む?」

「なんか魔力が増えた気がするぞ?」

「それは変、いくらカトリセンコウがパワーアップしても、短時間で魔力が増えるのを実感する程、大量に虫を倒す事なんて……」


「え~~?あっまた少し増えた気がする、本当に気のせいなのか?」

「む~~?プスが少し探ってみる……っあ」

「どうしたんだプス?」


「カトリセンコウはヒラの魔力によってパワーアップしてる、だからプスはその魔力が広がる範囲を見てみた」

「おっおう、それでどうだったんだ?」


「ヒラのカトリセンコウの効果範囲、約1キロ以上に渡って殺虫効果発揮。魔虫の類は無理でも大半の虫が……死ぬ程にパワーアップしてる」


なんか……凄い事を言ってきたな。


「………成る程、なら植物掘るよりも移動だけした方が効率的かもな」

取り敢えず俺は現実逃避する事にした。
















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