魔女伝〜天才魔女ヨキのリアルはちゃめちゃ人生

風乃音羽

第1話 プロローグ〜ヨキの前世記憶

わたし、全部思い出した。エジプト、南アジア、グレコローマン時代のことも、全部、今までのわたしの過去世を。

一瞬の間に、全部のビジョンが、わたしの中にやって来た。


わたしは、はりつけられて、石をなげられて、火炙りに合っていた。

魔女狩り!

手が熱くて、足も熱くて、痛くて、もう苦しくて、、、まわりは人だかりで、焼かれているわたしを見ている。音羽もいたよ。目の前に、悲しい顔をしてた。でも何かを信じてる顔。きっとわたしなら大丈夫と思ってくれてる顔。


なんでそこに立って見てるの?って思うような人も、わたしが火に炙られてる姿を、呆然と見ていた。

今現在、知ってる人たちが、たくさん、そこにはいた。


音羽、あなたは、いつも近くにいた。

あなたは貴族。そう、いつも、どの時代も、貴族的な、位が高くて、裕福で、豊かに生きてる明るい人。


グレコローマン時代、わたしは、王国の中で、魔女であることを上手く隠して、歌や楽器を演奏するアーティストとして、働いていた。

自分のパワーを音楽や踊りを通して、国を豊かに、人々が幸せになるために、使い、エネルギーを流していた。


音羽は、音楽とか、舞踊が好きで、パフォーマンスをするわたしを知っていた。よく見に来てくれていた。

それとは別に、占いとか、魔女伝とか、スピリチュアル的なことが好きで、財力を使って、本物の魔女に会うための手筈を整えた。

その時に会うことになった魔女が、わたし。

そして、私たちは友だちになった。

音羽、あなたは、わたしたち魔女を助けてくれる人となった。

困ったら、音羽のところに行けばなんとかしてもらえると、魔女の間で、評判になり、あなたはいつも魔女たちを助けていた、とても良い人。

魔女の病を治す、魔女だけにしか、効かない薬草をいつも取りに行っては、わたしたちに届けてくれた。

そして、色々な相談ごとにも、のっていた。


ある時、あなたが魔女と関わっていることがバレた。

あなたは、「わたしは、魔女では無いし、ちゃんと、そうでは無いことを話せば大丈夫よ。」と持ち前の能天気さで、そう言ったけど、

わたしは、そんなにこの世が甘く無いことを知っていたし、あなたが、火炙りなってしまうのを、なんとか避けなければと思った。

だから、わたしは、自分が魔女だと名乗りをあげたの。

そして、1人、魔女の火炙りの刑。王国が繁栄するために自分の力を使って来たわたしを、王国が、焼いたの。

手足が焼かれて、熱くて、熱くて、苦しみで、フラフラになっている時、わたしを縛り付けていた鎖がスルスルっと解けた。そしてわたしは、叫んだ。

「生かすも殺すも、わたしの自由!!」

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